後継者の人選と世代交代|起業サプリジャーナル

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後継者の人選と世代交代

公開日:2018.09.21

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転機としての後継者選びと世代交代

 9月12日にジャニーズ事務所所属のタレント滝沢秀明が年内で芸能活動を引退することを発表しました。滝沢秀明は昨年の秋からタッキー&翼としての活動を休止しています。引退後はジャニー喜多川社長の後継者としてタレントの育成やエンターテインメントのプロデュース活動に専念します。ジャニーズ事務所を立ち上げた現在86歳のジャニー喜多川社長が36歳の後継者を選んだことによって、ジャニーズ事務所は若い世代にバトンが渡ることになります。

 世代交代はバトンを受け取る立場の後継者にとって大きな転機になります。転機を迎える際には意思決定が伴いますが、メリーランド大学名誉教授のシュロスバーグが転機における意思決定を4つのSで説明しています。4つのSとはSituation(状況)、Self(自分自身)、Support(支援)、Strategies(戦略)のことです。

 ジャニーズ事務所の状況は社長の年齢から世代交代が期待されていました。滝沢秀明が引退発表の場でバトンを受け取ることを以前から意識していたことを述べていることから、自分自身も希望して後継者に選ばれたことが確認できます。発表の場にはジャニー喜多川社長も立ち会って、理解と温かい見守りを依頼しています。このジャニー喜多川社長からの依頼から支援と戦略も整った上での世代交代と考えることができます。

 

4年後に向けた世代交代

 芸能界以外にスポーツ界でも世代交代の実例があります。ジャニーズ事務所が世代交代を発表した前日である9月11日にサッカー男子日本代表が大阪のパナソニックスタジアムで3対0のスコアでコスタリカ代表に勝利しました。

 予選を突破したロシアW杯後に西野前監督の後継者に選ばれた森保監督は23歳以下の東京五輪監督を兼務していることから、4年後のカタールW杯に向けて若手選手を積極的に起用して世代交代を進める役割が期待されています。

 コスタリカ戦に招集されたメンバーの平均年齢は、25.3歳とロシアW杯招集メンバーよりも5歳程度若くなっています。肝心の試合内容においては、24歳のMF中島と23歳のFW南野の活躍が目立ちました。中島は前半16分に1点目のオウンゴールを誘発するコーナーキックを蹴り、南野は後半21分に2点目のゴールを決めました。新生森保ジャパンにとっては3対0という試合のスコアのみならず、メンバーの若返りと世代交代に手応えを感じることができる試合になりました。

 

企業における世代交代成功の条件

 ビジネス界では後継者選びと世代交代の難しさが確認されています。日本の倒産企業数が2009年以降は減少していますが、休廃業や解散する企業が増加しています。昨年の倒産企業数が8,405社であったのに対して、休廃業・解散企業数は28,142社と倒産企業の3倍以上になっています。

 日本経済新聞の調査によると70歳以上の中小企業の経営者は245万人以上いますが、その半数は後継者が決まっていません。

 ここで1つの事例をご紹介します。1872年創業、滋賀県近江八幡市に本社を置く菓子製造販売企業「たねや」の事例です。

 現社長・山本昌仁氏は1989年にたねやに入社しましたが、最初は役職無しで和菓子作りの修業に没頭しました。その後、洋菓子部門の責任者としてバームクーヘンを成功させるなどの実績を積み上げ、2000年の専務昇格時、初めて後継者となることを意識したそうです。

 その後、自らの側近として貢献してくれる人材の育成に約10年掛けて取り組み、実父(先代)の体調悪化などが生じたこともあり、経営のバトンを受け取りました。

 先代からの番頭に依存している状態では、本当の意味での世代交代にはなりません。後継者を選んで世代交代に成功する為には一定の準備期間が必要であることを、この事例から学ぶことができます。

 

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