『価値ある出会いが未来を創る』をコンセプトに掲げるオープンイノベーションプラットフォームeiicon(エイコン)が主催するイベント JAPAN OPEN INNOVATION FES2018 in summer。今回で二度目の開催ながら総来場者数は450名超え、会場には、このイベントから新しいビジネスのきっかけを得ようとする参加者の熱気で溢れていた。今回は、そのイベントから一部トークイベントの内容を書き起こしで紹介します。二部トークテーマは、日本郵便が仕掛けたPOST LOGITECH INNOVATION 2017の裏側です。
はじめに〜JAPAN OPEN INNOVATION FESとは・・〜
全国各地・あらゆる業界の法人(企業・大学・地方自治体など)の提携パートナーを無料で探せるオープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」が主催をする。米国でもなく欧州でもない、 日本ならではのオリジナルオープンイノベーションの形を創造・実現し、モノづくり大国日本を再興させるためのヒントを提供するイベント。イベントコンセプトは「Re made in Japanの実現」。この場所をきっかけに集う大企業・ベンチャーから起こるイノベーションによって、元気な日本を再興したいという想いが込められている。
JAPAN OPEN INNOVATION FES2018 in summer
https://eiicon.net/about/event/JOIF2018-summer/
イベント二部 オープンイノベーションプログラム実談 ~日本郵便が仕掛けたPOST LOGITECH INNOVATION 2017の裏側~
二部では、2017年に日本郵便が手がけた郵便・物流イノベーションを巻き起こす、共創による新規事業等創出プログラム「POST LOGITECH INNOVATION 」の開催秘話に迫るトークセッション。登壇者には、このプログラムの全体ディレクションを手がけた(株)サムライインキュベートから長野英章氏、プログラムの主催である日本郵便(株)から福井崇博氏、そして、本プログラムで見事最優秀賞を獲得した(株)オプティマインド松下健氏の三名が今回のプログラムをクロストークで振り返った。
登壇者紹介
株式会社サムライインキュベート共同経営パートナー & Chief Strategy Officer 長野英章氏
日本郵便株式会社 事業開発推進室 主任 福井崇博氏
株式会社オプティマインド代表取締役 松下健氏
アクセラレータープログラムをする中で一番大変だったこととは?
長野英章氏(以下、長野氏):最初の質問は、会場の皆さんも気になっているかと思いますが、「アクセラレータープログラムをする中で一番大変だったこと」とは何でしょうか?やる前・やっている最中・やった後、3つの時間軸があると思いますが、それぞれの中で、どう苦労が変化したか等もお聞かせ頂ければと思います。まずは福井さん、いかがでしょうか?
福井崇博氏(以下、福井氏):やっている最中は、本当に忙しくて死にそうになるので。。今年2回目を開催しますが、今年のテーマは”働き方改革”にしようと思っています(笑)
一番苦労した点でいうと、実施出来るまで(プログラム実施前)が一番大変だったかなと思います。
長野氏:やった後の苦労は、どんな感じでしたか?
福井氏:やった後は、時間的に大変だったというより、デモデイの盛り上がりを盛り上がりで終わらせない様な活動が大変でした。採択企業との継続したコミュニケーションであったり、実行段階でスピードが落ちない様な工夫をしたりなどが大変でしたかね。
長野氏:そもそも、今回のアクセラレーションプログラムは、日本郵便として初の取り組みだと思いますが、どんな経緯でスタートすることになったのでしょうか?
福井氏:僕が出向していたローソンから戻ってきたのが3年前で、そのタイミングでオープンイノベーションをテーマにしたイベントに日本郵便として出展する機会もありました。実際にそこで繋がった企業と案件化をしよう!となった時にボトムアップだと社内調整を含め、カタチにするのに時間がかかるな、と感じたんですね。なので、実行までの効率化や、ある程度会社としてもコミットした状態で話が進められる様に「アクセラレーションプログラムとして実行しよう!」と思ったのがきっかけです。
長野氏:松下さんは、スタートアップとして採択された側ですけど「苦労しているな」と思って見ていた部分ってあります?
松下健氏(以下、松下氏):そうですね。デモデイが近づくにつれてサムライインキュベートの担当スタッフさんの目のクマがひどくなっていく姿が気になってました(笑)
福井氏:いや、僕らもクマつくってましたから!(笑)
松下氏:失礼しました(笑)今回プログラムでご一緒した日本郵便さんのチームは、会社の中でも本当にエース級の方々を揃えて頂き、日々の業務に加えて、自ら時間をつくってこのプログラムをやってくださっていたと思うので、そういった部分での大変さを客観的に見ていて感じました。
アクセラレータープログラムをやってよかったこと・次回気をつけたいポイント
長野氏:プログラムをやってよかったこと・次回気をつけたいポイントという質問ですが、次回プログラムの開催含めて、仕込んでいるモノの宣伝もあればそれも兼ねて、福井さんいかがでしょうか?
福井氏:次回は、プログラムの期間やテーマ設定を含めて、より進化していかないといけないな、と思っていますが。2回目で、このプログラムを国内オープンイノベーションの流れの中でどう定着させるか?というのは目標にしてやっていきたいです。同じことをやっていたら、それは失敗だと思うので、次(2回目)が本当に勝負だと思って、マイナーチェンジを沢山していきます。来月くらい(※)には、記者会見が出来るかなと思っています(2018年6月8日時点)
※7月5日に第2弾となる「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2018」の記者会見を実施。詳細は次のURLをご覧ください。http://event.samurai-incubate.asia/jp-logitech/
長野氏:松下さんは、今回のプログラムを通して、やってよかったこと・もし次回も参加するなら、こうして欲しいなどの希望・要望など、ありますか?
松下氏:まず最初のやってよかった点で言うと、実証実験をする場が無かった我々スタートアップにとって日本郵便さんという大きなリソースを活かせた点は非常に良かったかなと思っています。今後、参加をするとすれば、「協業」ですね。今回のプログラムは課題解決型だったので、どちらかと言えば「一緒に配送車をつくろうぜ」や「一緒にデータを集めよう」といったプログラムに参加したいと思っているのが一つ。もう一つは、(プログラムの中で)KPI・KGIを設定するのは良くあることだと思うんですけど、4つ5つ先のKPI・KGIを設定して、『じゃあ、今回のプログラムではココを目指そう』といった近視眼的なKPIを設定したら、もっと加速したかな?というのは今回感じた点でもあるので、次回それをやってみたいなと感じています。
フォトレポート
最後にトークイベントだけではないJAPAN OPEN INNOVATION FESの会場をフォトレポートでお届け!会場では、大企業・スタートアップ、そして行政と様々な交流が生まれ、ここからまた新たなオープンイノベーションのタネが生まれていました。そんな熱気ある空間の一部をご覧下さい。
トークイベント会場となりには出展企業のブースがずらり。沢山の企業と参加者の交流が行われていた。
スタートアップ・自治体・VC/パートナーと分かりやすい3つのカテゴリで、それぞれブースが分かれる。
イベント時、それぞれ交流の様子。
盛り上がった参加者同士、その場で打ち合わせが出来る様なブースも完備されており、ブース内は常に数組が打ち合わせをしており、会場の熱量の高さを感じる。
→現代オープンイノベーションの成否を問う!?白熱した議論が繰り広げられたトークイベント一部の内容はこちらから。