「高度プロフェッショナル制度に活用できるトヨタ流ノウハウ(自工程完結)」|起業サプリジャーナル

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「高度プロフェッショナル制度に活用できるトヨタ流ノウハウ(自工程完結)」

公開日:2018.06.26

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高度プロフェッショナル制度創設によるホワイトカラーへの影響

働き方改革法案が国会を通過したことで、高度プロフェッショナル制度が来年4月から創設されることになりました。
高度プロフェッショナル制度は労働時間規制を外す脱時間給制度であり、年収が1,075万円以上の高度専門人材を対象に適用されます。適用対象の職種の例には金融ディーラーやコンサルタントなどが挙げられています。
しかしアメリカでは脱時間給制度が年収300万円程度の人材にも適用されていることから、日本においても適用対象が拡大することが予想されており、ホワイトカラー全体に幅広く適用される可能性もあります。そのため野党などは、多くの人達が無制限的な長い勤務時間を強いられることを懸念しています。

しかし、一定以上の成果をあげるためにどの程度の勤務時間を要するかは一人一人の能力や仕事の進め方によって決まります。高い能力を持った人材が、高い生産性で仕事を進めれば、勤務時間は妥当な水準にとどまります。つまり高度プロフェッショナル制度における勤務時間はホワイトカラーの生産性次第になるはずです。
日本は他の先進国よりもホワイトカラーの生産性が低いとといわれていますが、日本企業のホワイトカラーの生産性向上に貢献するノウハウをトヨタ自動車が開発しています。

トヨタが開発した自工程完結

トヨタが開発したノウハウは自工程完結と呼ばれています。自工程完結という名称から想像できるように、このノウハウは生産部門で開発されました。
トヨタには1960年代から「品質は工程で造り込む」という考え方があります。高い品質を実現するためのノウハウの1つが自工程完結です。
自工程完結への取り組みは1990年代から生産部門で始まり、2007年以降は本社を始めとする事務や開発といったホワイトカラーにも適用され、生産性の向上に貢献しています。

自工程完結とは、働いている人が職場で自信を持って的確な判断を行いながら仕事を進めることを目指しています。自工程完結が、各組織で実現できると仕事の品質と納期を両立できることで組織全体の生産性を高めることができます。

自工程完結の基本は次の工程を顧客とみなして、6つの阻害要因を解消することです。
阻害要因の1つ目は曖昧な目的です。2つ目の阻害要因は成果物イメージの曖昧さです。3つは仕事の手順が決まっていないこと、4つ目は次の手順に進むための判断基準が決まっていないこと、5つ目は情報などの必要事項が揃っていないこと、6つ目は仕事の振り返りが適切に行われないことです。
阻害要因が放置されていると、仕事のやり直しが発生して、結果として仕事の生産性は上がりません。反対に6つの阻害要因を解消することでできれば、仕事のやり直しを発生させることなく、高い生産性を実現することができます。

自工程完結によるホワイトカラーの生産性向上

トヨタが6つの阻害要因を解消することを重視し始めたのは、自工程完結をホワイトカラーに展開する段階になってからです。
生産部門と異なり、事務や開発といったホワイトカラーの仕事は成果物イメージと手順を明確することが難しいという特徴があります。仕事の成果物イメージと手順を明確にするためには、その前提となる目的に立ち戻ることが必要です。顧客の立場から的確な目的を設定することで、成果物イメージや手順を決めることができます。

トヨタは目的や成果物イメージ、手順、次の手順に進むための判断基準、必要事項を明確しつつ、適切な振り返りを行うことで、ホワイトカラーの生産性向上に成功しています。ホワイトカラーの生産性を高めるための取り組みにおいて、目的を明確にすることから適切な振り返りを行うまでの流れを10項目にまとめ直し、各項目別の確認内容を具体化することで「PDCAレベルアップシート」というツールを開発して、活用しています。

来年4月以降、高度プロフェッショナル制度が各社で導入されることから、ホワイトカラーの生産性向上が期待されます。多くの企業が「PDCAレベルアップシート」を含む自工程完結のノウハウを活用することで、ホワイトカラーの生産性を高めてもらいたいものです。

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山田 豊文

山田 豊文

1960年生まれ、東京都出身。1985年以降は経営コンサルティング会社、事業会社系ベンチャーキャピタル、金融系シンクタンクなどで経営コンサルティングと人材育成に従事。2012年に独立。現在は株式会社プロセスイノベーションの代表取締役。得意なテーマは営業力革新、事業計画立案、コーチング。中小企業診断士、キャリアコンサルタント。

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