【イベントレポート】CHANGE THE RULES eiicon meet up!! vol.15 「100年後の食卓はどうなる?先駆者が考える未来と挑戦を続けるスタートアップ」|起業サプリジャーナル

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【イベントレポート】CHANGE THE RULES eiicon meet up!! vol.15 「100年後の食卓はどうなる?先駆者が考える未来と挑戦を続けるスタートアップ」

公開日:2018.06.14

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『価値ある出会いが未来を創る』をコンセプトに掲げるオープンイノベーションプラットフォームeiicon(エイコン)が主催する大手企業とスタートアップのミートアップイベントCHANGE THE RULES eiicon meet up!!。今回は「食」をテーマに、新たなイノベーションを試みる大企業の取り組みから、新進気鋭のベンチャーピッチまで盛り沢山なイベントレポートをお届けします!

 

CHANGE THE RULES eiicon meet up!! とは?

全国各地・あらゆる業界の法人(企業・大学・地方自治体など)の提携パートナーを無料で探せるオープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」が毎月主催する大手企業とスタートアップのミートアップイベント。イベントの前半では、大企業からのノウハウを学び、後半ではスタートアップのピッチを実施し、参加者との新たな出会いを創出する場となっている。

 

イベント一部「大手企業からのイノベーションノウハウ

一部では、クックパッド(株)からCookpad Venturesグループリーダー/Cookpad Accelerator責任者である住氏を迎えて、大企業となったクックパッドがオープンイノベーションとして始めたアクセラレータープログラムの開始経緯や、これから進むであろう大企業とベンチャーが協業する上で重要となるポイントを話してくれました。

 

登壇者の紹介

クックパッド(株) 

事業開発部 Cookpad Venturesグループリーダー/Cookpad Accelerator責任者 住 朋享氏


人々の様々な食の課題を新しいテクノロジや新規事業によって解決し「誰もが料理を楽しんで幸せになる未来」を創出するため、社内新規事業推進やオープンイノベーション推進、スマートキッチン事業の立ち上げを行っている。前職のニフティではスマートフォンアプリのプロデュース、2014年にIoT/ヘルスケアをテーマにシリコンバレー駐在などを経て、2015年クックパッドに入社。その他、東京都が運営するインキュベーションスペースASAC及び日本土地建物が運営するSENQにてベンチャーメンタリングを担当。ASAC第三期ベストコミットメントメンター賞受賞。

 

>クックパッドでオープンイノベーションを始めるまで

 

住氏:始まりは私が丁度前職を辞めようと思っていた2-3年前のタイミングで、当時のCTOとCFOと知り合うきっかけがありまして、その時に「これからのクックパッドは安泰なのか?」という話をしました。

元々は、紙のレシピを探して料理を作っていたところに、インターネットやスマートフォンを活用して、料理をする行為を「簡単に・楽しく」させたクックパッドはとても素晴らしいサービスですが、レシピを探す手段や、人が料理を作る手法というのは、技術の進化とそれに伴う生活の変化によって、時代と共にどんどん変わっていきます。既存のサービス形態に安心をするのではなく、会社も変化していく必要がある。だから、会社の中でイノベーションを起さなければいけないと思っている、といった内容の話ですね。

当時は、お2人もそれに対して明確な答えを持っているわけではなかったですが、そういった今後の危機感に関しては似たようなものを共有していたので「なにか一緒にやってみないか?」ということでクックパッドへ入社する機会を頂きました。

そして、2015年11月に同社に入社をするのですが、皆さんもご存知の社内問題もありまして(笑)。当時の役員全員が入れ替わってしまうという事態もあり、私を誘ってくれたCTO・CFOの方もいなくなってしまいました。ここから、1人でオープンイノベーションを組織に取り入れるということを始めます。

初めは、「オープンイノベーション的なことをすると何が起こるのか?」ということを証明することからスタートをしました。具体的には、社内外を巻き込んだハッカソンやキッチンメーカーと将来のスマートキッチンのプロトタイプをつくってみたり、自分で色んなベンチャーをリサーチしながら、ベンチャーの投資案件を会社に紹介してもらう、なんてことをしていました。提案をしては→断られる、を繰り返していましたが、会社の中では(なんかコイツ色々とやっているぞ)という風に認識される様になりました。

(中略)

私が考える新規事業やイノベーションというのは、社会課題や個人の課題を解決するものだと思っているので、「クックパッドとは何なのか?料理って何なのか?」を明確に出来ていないという組織の状態は「解決すべき課題が分かっていない状態」だと思ったので、入社して1年が経過した2016年に、社長・役員を巻き込んで、そこを明確にする2日間のワークショップを開催しました。

その中で当時の社長から「クックパッドというのは、料理にまつわる色んな課題を解決することによって世界を変えていくんだ。今はその真ん中(レシピ事業)でスタートをしているが、もっと料理にまつわる様々な課題をこれから解決していくんだ」というビジョンを聞けたので、『じゃあ、(自分は)未来のクックパッドをつくる新規事業をしよう』と思い、そこから料理にまつわる様々な課題を共に解決していくプログラム「クックパッドアクセラレータ」がスタートしました。

 

>大企業がベンチャーと協業するにおいて重要だと思うポイント

 

住氏:折角なので一般的ではないポイントをお伝えすると、クックパッドアクセラレータによって採択したベンチャー企業には、私と同じ空間にオフィスを置いてもらい、「一緒にいる」ことを心がけています。あとは「一緒に創っていく」こともとても大事だと思っていて、一般的な大企業のアクセラレーターって週次定例をして「進捗どお?」みたいなコミュニケーションをとるのですが、私の場合は毎週金曜日に一緒にユーザーインタビューをしたり、ワークショップを一緒にやったりだとか、ユーザーのリサーチをしたり、ハンズオンで採択したベンチャーと一緒にサービスを創ることを意識しています。

 

>オープンイノベーションを考える大企業に向けて〜住氏が今の立場において、大事にしている3つのポイント〜

 

住氏:1つ目は、「ベンチャーとは何なのか?」を理解して、役に立てる自分でいること。自分がベンチャーをメンタリングしようとか、ベンチャーの成長をサブマネジメントした時に(どれだけ、自分が役に立てるんだ?)を自問自答しながら、切磋琢磨していかないと本当に付いてもらうベンチャーに対しても申し訳ないな、という気持ちでいます。

 

2つ目は、「誰よりも会社の存在価値を考えて発信する」こと。クックパッド自体は、あまり外向けの発信をしていないんですね。ただ、私は個人として、料理って何なのか?・スマートキッチンの話・自分が担当している事業の話を広報に怒られながらもずっと喋ってるんですけど(笑)

今日のイベントの様に、社外で話をしてそれを記事にしてもらうとか、そこで共感のムーブメントをつくったりすると、そこで初めて(あ、なんかコイツ出来るんじゃないの?)と思ってもらえるので外に向けて発信していくことは大事だと思っています。

 

最後は、私の原体験でもあるのですが、それがもしたった1人でも「諦めない」こと。初めの1年はずっと1人でしたが、そこで仕込んでいた案件が現在のプログラムに繋がったり、芽を出しているので、1人でも諦めないであがき続けていくことも大事かな、と思っています。

 

イベント二部 スタートアップピッチ〜「食」の領域に新たな価値を見出すベンチャー企業の紹介〜

二部では、今回のイベントテーマである「食」に関連するスタートアップ企業2社からのピッチ。ピットを経て、参加者からの質問をオープンスライドで公開・その場で回答をする、というLIVE感のあるピッチイベントとなった。登壇した2社と当日でた質問内容を一部書き起こしにて紹介します。モデレーターは、三井不動産(株)ベンチャー共創事業部事業グループ主事の光村氏が務めた。

 

登壇企業の紹介

株式会社シェアダイン

子育て世帯向けのプロの料理家による出張つくりおきサービス「SHARE DINE」。子育て中や共働き世帯向けに、登録をする調理師や栄養士などのプロの料理家が、個々の家庭の悩みやニーズに合わせた献立を提案、食材の買いつけから調理までをワンストップで提供してくれる。同社からは、代表取締役の飯田氏が当日のピッチに臨みました。

 

株式会社テーブルクロス

飲食店を予約するだけで、途上国のこどもたちに給食が届く社会貢献ができるグルメアプリ「テーブルクロス」。社会貢献と言うと、どうしてもカタくなりがちになってしまうが、飲食店予約という普段何気なく行っている日常行為に、社会貢献性を取り入れた新しいビジネスを展開している。同社からは、マーケティング部エンジェル倶楽部室室長の黒田氏が当日のピッチに臨みました。

 

参加者からの質問(株式会社シェアダインについて)

Q ユーザーは、子育て世代が中心になるのでしょうか?

 

飯田氏:はい、私自身の創業背景にも繋がりますが、やはり「子育て世帯の食を豊かにしていきたい」という想いがあるのでコアターゲットは、子育て世代になります。一方で、子育てと介護の手前を同時にやっている家庭も実は多くて、そういった家庭からは「両親に使って欲しい」といった声も頂くようになりました。あとは、これから出産や子育てを控えるプレママの方も使って頂くなど、子育て世代を中心に、その前後範囲の層にサービスを活用頂いています。

 

Q ユーザーは、どうやってこのサービスを知るでしょうか?

 

飯田氏:実はまだローンチしてから1ヶ月弱なので、流入経路としては「シェアダイン」のオーガニック検索がほとんどです。ただ、弊社として今後やっていこうとしているのは、食の悩み(例:3歳 アレルギー 食、など)を検索した時に出てくるサービスにしていきたいと思っています。

 

Q ユーザーが料理家を選ぶ決め手になる情報は何でしょうか?

 

飯田氏:現在は料理家がプロフィールに入れる「写真」が決め手です。作る料理や、料理家さんの雰囲気が見える写真でユーザーがそれぞれ判断しています。

 

参加者からの質問(株式会社テーブルクロスについて)

Q なぜ、このサービスを始めたのか?

 

黒田氏:弊社代表である城宝(ジョウホウ)の小学生時代の体験が元になります。彼女が小学生の時に見たインドネシアのストリートチルドレンの生活(当時、自分と同世代の子どもがゴミの中から食べるものを探したり、生きるために働かなければいけなかったりする姿)に衝撃を受けて、貧困というものが自分ゴトになりました。そして、そこから月日は流れますが米国のNPOで働く経験をした時に「一回の寄付やボランティアではなく、継続した仕組みをつくることが何より大事だ」と気づきます。その後、飲食店向けの広告会社の営業としてアルバイトをした際、利益の創造と社会貢献の両面を達成できるテーブルクロスのビジネスアイデアを想いつき、現在に至ります。

 

Q 飲食店が支払う1人当たり180円の成果型広告って一般的には高いの?安いの?

 

黒田氏:一般的に飲食店が支払っている月間広告費の平均は50,000円とされております。それと比較するとテーブルクロスのモデルは、集客が出来たタイミングで支払う成果報酬型の広告となっており、その値段も1人180円と格安となっております。

※同社のビジネスモデルを説明したスライド

 

Q 途上国は給食に困っているの?

 

黒田氏:途上国への貢献の一つとしては、学校建設も挙げられると思いますが、現地の現状として、学校が出来ただけでは子どもたちは来ません。彼らは、毎日食べないと生きられない・働かないと生きられない状況の中で生活をしているので、学校に行く理由が必要となってきます。そこで、学校にいけば「給食がタダで食べられる」となれば皆んな集まってきます。親からしても、ご飯が食べられるなら行ってきなさい、と送り出されるわけですね。

 

Q 企業とどんな提携をしたいか?

 

黒田氏:サービスの中に、自分が予約した数と、それによって届けた給食の数を確認できる「エンジェルカウンター」という機能があるのですが、このカウンターを法人企業様に導入したいと思っています。例えば、部署ごとにカウンターを設置して、それを自社のHPに載せて数値の見える化をするなど、企業とその社員個々のCSRとしてコラボレーションが出来たら嬉しいなと思っています。

 

イベント会場:BASE Q

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