フリーランスとして稼ぎ続ける人の「投資思考」とは?「フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法」著者山田竜也氏に聞きました【起業インタビュー69回目】|起業サプリジャーナル

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フリーランスとして稼ぎ続ける人の「投資思考」とは?「フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法」著者山田竜也氏に聞きました【起業インタビュー69回目】

公開日:2018.05.25

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起業をする前段階として、経験する方も多い「フリーランス」。実際に、そこで自分の力を試し・売上を拡大させてから、法人化といった先輩起業家も多いのではないでしょうか?これからの時代をフリーランスとして、サバイブしていくスキルや思考について話を伺いました。

 

 プロフィール(山田竜也氏)

同志社大学哲学科卒業後、3年半の会社員生活を経て、2007年にフリーランスとして独立。 フリーランスになった当初は900万円もの借り入れの返済に追われ自己破産寸前になったり、うつ病になって2年ほど実家で療養しながら仕事をしていたりしたこともあったが、 稼ぐための仕組みを身につけた結果、現在はずっと1000万円を超える収入を確保している。 専門分野は、Webマーケティング。成長スピードの激しいスタートアップや、NPO法人はとくに得意。 初期から支援している企業の数社は近々上場予定。 コンサルティング、広告運用、Web管理の他、自分の所有するメディアからの広告収入、セミナー講師、著書印税、イベント売上など複数軸の収入を持つポートフォリオワーカーでもある。 ペンネームの山田案稜としては、著書に、

『小さな会社のWeb担当者になったら読む本』(日本実業出版社)

『すぐに使えてガンガン集客! Webマーケティング111の技』(技術評論社)

『Googleアドワーズ&Yahoo!リスティング広告 最速集客術 ~SEMの極意』(技術評論社)他、共著に『世界一ラクにできる確定申告 』(技術評論社)などがある。

 

 著書「フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法」の紹介

単行本(ソフトカバー): 272ページ
出版社: 日本実業出版社 (2018/1/25)

 

“フリーランスは働く時間や場所が比較的自由な反面、「収入が不安定」「今は忙しくても、いつ仕事がこなくなるかわからない」「保障がない」など不安は尽きません。
それに、会社員と違って身近に相談できる人もいない、なんて人も少なくないでしょう。
そこで本書は、フリーランスが「職種問わずに共通の王道としてやるべきこと」をはじめ、次にあげるような「安定して稼ぎ続けるためのリアルな知恵」をわかりやすく解説します。
・仕事が途切れないフリーランス3つのタイプ(職人、相談役、城持ちポジション)
・営業せずに「売れる流れ」をつくる
・スマートな料金交渉術
・納期を延ばしてほしいときの上手なかけ引き
・感じが悪くならない催促のしかた
・「仕事のお金」と「プライベートのお金」は分けたほうが貯まる
・確定申告をラクにするコツ
・節税するとおトクはウソ”

Amazonより引用

 

「フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法」著者山田竜也氏とは何者なのか?

> 山田さんのお仕事についてお教えください。

 

はい、株式会社パワービジョンという会社を経営しています。メインの事業は、Webマーケティングのコンサルタント・実務をしており、受託で顧客のWebに関するマーケティング施策の立案から広告の運用といった実務までを数社担当しています。それ以外では、著者や執筆業としての活動や、講師業、個人Blogを含めたメディアの運用もしています。

 

> 今のお仕事の割合を10とした時、それぞれに割いている割合は、どうなりますか?

 

本業であるWebマーケティングの受託業務が全体の6-7割を占めていて、残りの3割で雑誌の連載や書籍の執筆活動、セミナーの講師、自社サービスの運営、アフィリエイトサイトの運用などをしています。

 

 「しようがないからフリーランスでもやるか」。消極的な起業からのスタート

 

> 現在に至るまでをお伺いしたいのですが、どんなキャリアからスタートされたのでしょうか?

 

大学を卒業してからシステムエンジニアとして3年半ほど企業に勤めました。エンジニアを選んだ理由は、(プログラマーとかエンジニアを経験しておけば、1人で何かを始める時に便利かな?)程度の理由でそんなに深くは考えてはいませんでした。

その後、知り合いの会社を手伝う(運営する)形での独立を選びます。ただ、色々とそこで揉めたり、トラブルに巻き込まれ、結果追い出されるといった経験を経て、また次の会社を手伝う・・といった経験を3回ほど繰り返しまして。

 

> スタートから過酷ですね(汗)

 

当時はそのタイミングで関西から東京に出てきたので、サラリーマンに戻ろうにも人の縁も繋がりも何も無く、気がついたら1人でした。ただ、独立したいといった志向は元々持っていたので、「とりあえず、しようがないからフリーランスでもやるか」といった、いわゆる消極的な起業から実はスタートしています(笑)

 

> Webマーケティングのスキルは、そのタイミングで身につけていたのでしょうか?

 

いや、それも仕事としての実績はほとんど無く。当時のスキルとしては、かなり脆弱なモノでした。趣味としてWebサイトが作れる、知り合いの会社のマーケティングを(少しだけ)手伝った程度の実績で、「コネなし・金なし・実績なし」という状態ですね。

それにプラスして、他社と差別化出来るエッジを持たなければいけないと思って当時流行っていた「セカンドライフ」という仮想空間を舞台にしたオンラインゲームの事業に並行して手をつけました。今では知らない方も多いと思いますが、当時は、そこに企業がPRや広報の観点で不動産を持ったり、土地を購入するなんてことをしていました。そこでセカンドライフを活用した、PRやヴァーチャル支援事業という名の下に事業計画を作成して、900万円の借入をしたのも、そのタイミングです。

ただ、借入当初からずっと利益が出なく倒産しかかりました。途中、事業を切り替えて何とか売上が立ちそう、もうちょっといけば黒字転換しそう、というタイミングで無理が重なり、うつ病になってしまい実家に搬送されました(笑)起業をしてから、1年半ほどのタイミングです。

 

毎月の返済は20万・うつ病をきっかけに1日2時間しか働けない状況の中で売上を立てなければいけない日々が転機に変わる

> 療養中期間の借入の返済などは、どうされていたのでしょうか?

 

幸いなことに療養中も仕事を継続してくれたお客さんが2社ほどいて、そこから何とか売上を立てていました。とはいえ、うつの状態もヒドかったので、1日の中で稼働が出来る2時間の状況下で、毎月の借入返済額20万円弱を返すという生活を過ごします。

 

> その生活から回復されて、現在に至った転機についてもお教えください。

 

転機になったのは、療養中のライフスタイルです。療養中の間は、とにかく「生活のリズム」を作っていました。これは自体は、うつの療法でもあるのですが、同じリズムで生活をするというのを継続していました。例えば、毎朝決まった時間にドトールにきちんとしたシャツを着ていって、ジャケットを羽織って、とりあえずニンテンドウDSをする、とか。

 

> 一同:笑

 

仕事も短い時間でしか出来なかったので、短い時間で成果を出す工夫をしたり、極力ストレスを溜めないような人とのコミュニケーションを工夫したりとか・・そういった小さな工夫をずっと重ねていった期間でした。

それまでは、無駄なことを沢山していたり、無理難題にもYESと回答していたのですが、強制的に「出来ない」となると色んなものを切っていく意思決定や効率を考える工夫、時間のコントロールなどが徐々に徐々に出来てきた時期でした。

 

> そこから体調も少しずつ戻られて復帰をされたのでしょうか?

 

はい。毎日2時間の業務時間で月20万を稼げる様になっていれば、今度はそれが8時間になった時、月80万円を稼げるように変化しているわけですよね?そんな形で、体調の回復と共に、収入も安定して増えていきました。それが出来る「効率(リズム)」を築き上げたのが療養中の時期でした。

 

【これからの時代を生きるフリーランスになるには?】起業前に身につけるべき個人としてのスキル

フリーランスとして独立、そして失敗。苦労を味わいながらも、現在では安定して年収1,000万円を超え続ける山田氏に「起業前に身につけるべき個人としてのスキル」について伺いました。

> 将来、フリーランスとしての独立や起業を考えている方に向けて、「起業前に身につけておいた方が良い」スキルなどあればお教えください。

 

書籍にも書いたことなのですが、自分が仕事として「得意なこと」「欲しいこと」を明確にしておくことは、とても重要です。

例えば、ライターという仕事だったら「私はライターなので仕事をください」という自己紹介じゃダメなんです。『地方創生に興味関心の高いライターです』とか『起業家の取材に強いライターです』といったセグメントを切った自己紹介が出来るかどうかが大切です。

 

> 自分の切り口を持つ、といった感じでしょうか?

 

はい。僕自身も仕事で何人もライターの方とはお会いしますが、やはり印象に残るのは自分の得意分野をちゃんと伝えてくれるライターさんで、そういう方には依頼する分野が違くても「こういった仕事も出来ますか?」や「周りに出来る人いないですか?」と敢えて相談をしたりもします。

自分のスキルを意識している方は、周りのスキルも意識しているので、同業者の良い紹介に繋がるケースが多いです。逆に「何でも出来ます」と言ってしまうのはNGです。例え、何でも出来たとしても。得意なことを明確に伝える時は、出来ることも敢えて「捨てる勇気」がいりますね。

 

> なるほど、他にはどうでしょうか?

 

受託のような仕事の取り方をする場合の「コミュニケーション能力の高さ」は必須だと思います。

 

> コミュニケーション能力の高さとは具体的にどんなことでしょう?

 

よく言われる、人当りの良さ的な意味合いを示すコミュニケーション能力の高さとは別で、『自分が稼ぎを取ってくる世界でのコミュニケーション能力の高さ』という表現が正しいかもしれません。例えば、会社員としてのコミュニケーション能力、受託開発の世界でのコミュニケーション能力、Twitterの世界でのコミュニケーション能力、この3つのコミュニケーション能力は全て違うと思っていて、それを「自分が稼ぎを取ってくる世界」に置き換えて、事前に研究する必要はあると思います。

 

> なるほど。例えば、山田さんが属するWebマーケティングの世界ではどんなコミュニケーション能力が求められるのでしょうか?

 

僕のスキルが活きるWebマーケティングの領域では「課題解決能力」が求められます。今、事業をやっている方の課題をどれだけ理解が出来るか?というのが重要で、特にWebマーケの領域では「集客」に関する課題のニーズが大きいのですが、そこをどう分解してあげたり、相手から課題を聞き出すか?相談したいと思って貰えるか?そういった点におけるコミュニケーション能力の高さが重要になってきます。ただ受託系のフリーランスに関して言えることとしては、総じて顧客の課題解決することによってお金を頂くので、Webマーケティングの領域に限らず共通して、「発注者側の悩みに寄り添う、課題解決能力」は求められてきます。

そういった自身の仕事領域で必要となる「コミュニケーション能力」は独立前に、既にその領域で仕事をしている先輩起業家・フリーランスの方に事前に聞く機会は設けておくのが良いと思いますね。

 

【これからの時代を生きるフリーランスになるには?】売れるフリーランスに共通する「投資思考」

>独立後の話も伺いたいです。売れるフリーランスに共通している考え方などあればお教えください。

 

折角なので、本に書いていない話をすると、自分の仕事や自分の行動時間に「投資」の思考を持てるか?といった「投資思考」が大事だと思います。逆に、「この労働時間は××円だ」といった時給思考で仕事をし続けてしまうのは辞めた方が良いと思います。

 

>投資思考?もう少し詳しく教えてください。

 

端的に言うと、「この仕事が(いつか)自分にプラスとなって返ってくるか?」といった考えです。それが、時給思考になると息詰まるんですよね、今の自分のスキルにとって効率の良い仕事だけを受けるようになるので、段々と時代の流れから遅れていってしまう。お金はすぐに入ってくるんですが、今の自分の能力をそのまま切り売りする感じ。馴染みのある、付き合いやすい人ばかりから仕事をもらい続けたり、リスクを取らないことで、いつのまにか出がらしの様になってしまいます。大抵の場合は、新しいスキルを開拓したり・実績のないものに挑戦する場合、単価が安くなりがちです。例えば、何年か前のWebライターがそうで。あの時、めちゃめちゃ単価が安かったものに対して、紙のライターが投資思考を持って、安い仕事ながらも、特定の領域で成果と実績を積んでおけば、単価の高いライターとしてのポジションが築けているハズです。

そういった未来を見据えた、仕事の組み方が出来るフリーランスに、早い段階でなれるかどうか?が「投資思考」だと思っています。勿論、投資は読みを外すこともあると思いますが、普段から考えているか?はもの凄い重要です。そのため、「売上にもならない・知識もスキルも身につかない」文字通り投資にならない仕事を僕は避けています。また、「売上になっても新しい知識の習得が少ない仕事」は、ある程度のところで、それ以上受けないようにコントロールしています。

 

  【これからの時代を生きるフリーランスになりたい!】山田竜也さんに聞きました。

目から鱗なアドバイスが溢れてくる山田氏の話に「なるほど!」を連呼する編集部。最後に、これからフリーランスとしての独立を志す方が気になるであろうことを一問一答で聞きました。

>独立するのに適した年齢ってありますか?

ないです。年齢ではなくて、独立するまでにどう生きたか?だと思っています。

若ければ出来るチャンスは沢山あるし、今の時代高齢化が進んでいるので、歳をとってもフリーランスとしてやっていける可能性は拡がっていますよね。フリーランスのリスクって、仕事を発注してくれる方が出世をしてしまって、仕事が来なくなるパターンというのが結構あるのですが、今後は年齢を重ねても、そこそこの役職で留まっている方も増えていくのではないかと考えています。そういった意味でも、年齢問わず仕事がある環境になってくるのはないか、と。あくまでも大事なのは、そこまでの生き方(過程)です。

 

>「法人化」を前提で独立は考えた方が良いのでしょうか?

 

これはキッパリ考える必要はありません。理由は、個人事業主だからといって、特段デメリットがあるわけでもないからです。敢えて言うなら、取引先によっては、「法人でないと取引しない」といった業界もあるので、そこは事前に調べておきましょう。あくまでも仕事の取り先によった手段だと考えています。

 

>どのタイミングで「法人化」すべきでしょうか?

個人事業主からのステップアップでいえば、売上が800から1,000万円を超えたくらいで節税的なメリットが出てくるので検討をした方が良いです。また、最近はあまりなくなってきましたが、取引先の文化などで個人事業主ということで、信用を低く見られているように感じたら売上のタイミングと関係なく法人化を考えて良いでしょう。

税務上のメリットなど、制度的なものは、関連する書籍を読むか、税理士の方に聞くのをオススメします。

 

>「失敗するのが不安で踏み切れない」という方もいると思います。そんな時はどんな思考に切り替えれば良いでしょうか?

 

人の思考というのは、そんな簡単に変えられないと思っています。特に自分一人では絶対変えられないので「付き合う人を変える」のが1番良いですね。例えば、独立したいことを相談する時に、「辞めたほうが良いよ」というネガティブに返す人と、「絶対やったほうが良い!応援するよ!」とポジティブに返す人、どちらかと付き合うかによっても大分変わってくると思います。独立を止めようとする人からは距離を置いて、背中を押す人と付き合うようにしましょう。

後は、フリーランスで既に仕事を始めている人と積極的に会うとか、付き合う人の中で思考を変化させていくのをオススメします。

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