こんにちは。A.I行政法務事務所代表の大野真由美です。
今回は、外国人の会社設立についてお話します。
外国人でも、日本で起業することは可能です。
しかし、日本人と異なり、起業をするためには適切な在留資格が必要となります。
在留資格とは
在留資格とは、出入国管理及び難民認定法により定められている、外国人が日本に在留する間、日本において一定の活動をすることができる資格、もしくは一定の身分・地位を有する者として日本に在留することができる法的地位のことです。
在留資格は、現在二十七種類ありますが、そのうち、日本において起業が可能な在留資格は、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」、そして、「経営・管理」です。
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」は、いずれも日本においての身分・地位を定める在留資格であり、起業に限らず日本で自由に就労することが認められています。
以上の四つの在留資格でない場合は、「経営・管理」の在留資格を取得しなければ、会社を設立することはできません。
在留資格「経営・管理」とは
在留資格「経営・管理」とは、「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動」です。
この「経営・管理」の在留資格を得るための基準は、
一 申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること。
二 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること。
イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。
ロ 資本金の額又は出資の総額が五百万円以上であること。
ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること。
三 申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、事業の経営又は管理について三年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
と、されています。(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準より抜粋)。
補足
現行の会社法では、資本金1円でも株式会社の設立は可能となっています。
しかし、在留資格「経営・管理」の要件から、外国人の会社設立には、五百万円以上の資本金の用意が必要となる場合が多いです。