こんにちは。株式会社港国際ワークスタイル研究所 代表の近藤由香です。どの会社に行っても、人への悩みがないという企業はありません。今回は人が採れる、辞めない会社に共通する採用のポイントをお伝えします。
どの会社も悩んでいる?!人材不足の現在
多くの企業の経営者や人事担当者から聞くのは
「いい人材が採れない」「人が定着しない」という悩みです。どうしたら求める人材が採用でき、現在いる社員も定着するのかということは多くの企業にとって、避けられない課題となっています。
若手とミドルで会社を選ぶ基準が違う!
20代30代の若手と、40代以上のミドル層で、会社を選ぶ基準が異なることをご存知でしょうか。ビジネスオンラインの記事によると、若手(20代30代)が会社を選ぶ基準としては、1位 給与 2位休日・休暇3位 職種 4位 勤務地 5位 勤務時間 6位 業務内容となっています。一方40代以上のミドルでは1位給与 2位 職種 3位 勤務地 4位 業務内容 5位 休日休暇 5位(同率) 勤務時間となっています。
特筆すべきなのは、若手は休日休暇が2位、勤務時間が5位ですが、ミドル層では休日休暇は5位、勤務時間も同様に5位となっています。
つまり、若手は休日・休暇や勤務時間というワークライフバランスを重視して仕事を選んでいることが分かります。
「採用での失敗は教育では取り戻せない」のは本当か?
成長企業でよく聞くのは、業務が急激に多くなったため人手を「とりあえず」で採用したという話です。そして「とりあえず」採用したのはいいけれど、その社員は会社の理念やビジョンと合致した人物ではないため、社長や経営陣に反抗的だったり、自分の仕事はこなすけれどそれ以上のことはやらない、またさらに悪いことには、反社長の派閥を作るなど、社長にとっては痛い存在になるという話もよく聞きます。
そしてそうなってから初めて「採用での失敗は、教育では取り戻せない」と気づくのです。
こうなってからでは遅いため、採用をする前からどうしたら「いい人材」が採用でき、その人材が長く活躍してもらうことが出来るのか、考えておくことが必要です。
人が採れる!辞めない会社の採用のポイント
(1)期待人物像を明確化する
上記のような失敗例には枚挙にいとまがありません。この原因は「人手がないから、とりあえず採用した」ということです。会社にはそれぞれの雰囲気、特色があります。人で言う所の個性や性格のようなものです。これは会社の理念・ビジョン、会社が大切にしている価値観によって決まります。
採用する際には、事前に「どのような人物が自社にふさわしいか」という期待人材像を明確にしておきます。期待人材像とは、2つに分かれます。一つは仕事をする上で必要な能力・技術です。もう一つは人物像、性格、価値観です。
採用の前に、①どのような技術・能力を持った人材が必要なのか ②どのような性格、価値観を持った人材が必要なのか この2点を必ず明確にしておきましょう。採用での失敗は教育では取り戻せません。逆に、採用で「成功」すれば、ある程度は教育することが出来るのです。会社を成長させるカギは、採用にあるのです。
(2)理念・ビジョンがあって浸透させている
期待人材像を明確にしましょうと上記でお伝えしましたが、期待人材像といっても突然には出てこないかもしれません。それには、会社の理念やビジョンが明確になっている必要があります。理念・ビジョンとは会社が目指すべき方向性、実現したい未来のことです。
よく、「会社の理念があります」という会社でも、それが額縁に入っているままで誰も見ない、という会社も少なくありません。理念・ビジョンは一度作ったら終わりではありません。毎年更新していってもよいものです。理念・ビジョンを作り、それを社員に浸透させていて初めて、意味のある理念・ビジョンであると言えるでしょう。
そして採用をする際には、この理念・ビジョンを実現できる人材とは何か?を具体的に考えていけばよいのです。理念・ビジョンを一緒に実現できる人材こそが、採用すべき人物像となります。
(3)「従業員は一番の財産」
成長していく企業に共通するのは、「従業員は一番の財産です」と社長が公言している点です。もっと言うとお客様や取引先よりも大事です、と言い切る社長もいます。
そしてそのような企業では、どんなに社長が厳しい事を言っても、社員は社長についていきます。つまり人材が定着しているのです。「従業員は一番の財産です」と言い切れる、そして行動もそれに合う行動をする、これこそ人が定着する企業の共通点です。
採用、定着は企業にとって共通の悩みと言えるでしょう。よい人材を採用し定着させるには、自社の理念・ビジョンを明確にして社員に浸透させること、そしてそれを一緒に実現できす人材とはどのような人材なのかを明確にすること、そして従業員は一番の財産であるという考えであること、これが人が採れる、辞めない企業の共通点です。