こんにちは。行政書士の佐久間翔一です。
今回は株式会社の誕生日について考えてみましょう。
皆様は『六曜』という言葉はご存知でしょうか。
宝くじ売り場の前を通れば、『大安吉日』などと書かれ、縁起が良い日ということを殊更にアピールしています。そう、この『大安』が六曜の一つなのです。『大安』は六曜の中で最も縁起が良い日とされており、何かを始める日や結婚式などに最適な日と言われています。
また、『天赦日』という一年に5~6回しかないレアな日で、とても縁起が良い日が『六曜』以外にもあります。カレンダーの下にある暦を読んでみると面白いかもしれませんね。
お客様のご要望
さて本題ですが、先日お客様からこのような依頼をいただきました。
「大安と天赦日が重なる○月〇日に会社を設立したい!」というものです。確かに大安と天赦日が重なる日というのは間違いなく珍しく、信じるか信じないかは個人次第ですが、その日に会社を設立することができれば売り上げも利益もうなぎ上りの会社が設立することができそうです。このように何かを新しく始める際には、なんでもない日よりも縁起が良いと言われる日に始めたいものです。
会社の誕生日を特定の日にできる!?
そこで、会社を設立する際にはその会社の誕生日を計算して設立することはできるのでしょうか。
ずばり、会社の誕生日は登記申請書を法務局に提出した日になります。
ここで注意したいのは設立日を指定したうえで、事前に申請書類を提出することができないという点です。大安と天赦日が重なるような縁起が良い日に会社を設立するのならば、法務局へ行けるようあらかじめその日を空けておく、または登記申請書提出代行ができる司法書士に頼むしかありません。
しかし、ここで一つ疑問が出てきます。定款などの添付書類作成を行政書士に依頼したり、登記申請書作成を司法書士に依頼した場合は心配ありませんが、心配なのがご自身単独でシステムを使用したりせず専門家への質問などもしないまま登記申請書類や添付書類を作成した際です。例えば、会社の設立日として狙っていた日に法務局へ申請書類一式を提出できたとしても、その書類に不備があった場合はどうでしょうか。せっかく縁起のいい日に会社設立を考えていたにも関わらず、書類に不備があったことを理由に差し戻しされ、再提出した日が会社の誕生日となってしまうのでしょうか。
補正日
この疑問に答える際に重要となるのが「補正日」というものです。
登記申請書類一式を法務局へ提出した際に「書類に不備があった際には〇日までにご連絡差し上げます」と言われます。この○日が補正日というもので、登記申請書一式に不備がないか登記官が調査する期間の最終日を指します。専門家に依頼すればほとんど補正の連絡はきませんが、ご自身で初めて会社設立手続きを進める際には補正の連絡がくるものだと覚悟しておいたほうがよいと思います。補正の連絡が来た際、速やかに補正の対応を行えば、申請書類に不備があったとしても書類提出日が会社設立日となります。この補正の連絡を無視してしまうと、申請が取り下げられてしまうので要注意です。
最後に
おそらくこの記事を読んでいらっしゃる方は現在会社設立を考えていらっしゃる方だと思います。会社設立する際に、会社の誕生日にこだわってみるのはどうでしょうか。