業種によっては高校生をアルバイトとして募集するような会社・店舗もあるのではないかと思います。ただ、気を付けたいのは未成年者を雇う場合は気を付けなければならないルールがいくつか存在するということです。
そこで、今回の記事では高校生をアルバイトとして雇う際の注意点について解説いたします。
大人と高校生の労働法上の違い
法律上、満20歳未満は「未成年者」に該当することはご存知だと思います。労働法では、これに加えて満18歳未満を「年少者」という扱いにして、特別の保護を設けています。そのため、ほとんどの高校生とは労働法上「年少者」という身分で雇用契約を交わして働いてもらうことになるのですね。
では、ここからは大人と高校生(年少者)との具体的な労働基準の違いについて確認していきましょう。
まず、労働時間については大人も年少者もルールは共通です。つまり大人も年少者も法定労働時間は1日に8時間まで、1週間に40時間までということになります。
ただし、大人と年少者とでは大きく違う点が2つあります。
年少者は深夜労働ができない
まず1点目は年少者を深夜に労働させてはならないという点です。なお、深夜とは22時から5時までを指しますが、恐らくこの時間帯に年少者が働くことは教育上良くないとされているため、このような規定が年少者に対して設けられています。
年少者には基本的に残業をさせられない
2点目は、年少者には原則として残業を命じることができないということです。そもそも年少者のアルバイトは学業の合間に行うものですから、働かされすぎることのないようこのような特別な保護が設けられています。
年少者にアルバイトをさせる際の特別な手続き
親の同意書を取得する必要がある
高校生は未成年になるため、そもそも自分だけで雇用契約を交わすことができません。そのため、アルバイトとして高校生に働いてもらうためには保護者である親が署名捺印した同意書が必要になります。
なお、雇用する高校生が通っている学校の同意書は必ずしも必要ではありませんが、その学校が校則でアルバイトを禁じている場合は校則違反になってしまいます。雇用主からすれば校則違反かどうかはあまり関係ないように思えますが、校則違反が発覚した場合、学校が間に介入してきて即日でアルバイトを辞めさせようとしてくる可能性もありますから、高校生を雇う際にはアルバイトをすることが学校の校則に違反しないのかどうかを事前確認しておくことをお勧めします。
職場に「年齢証明書」を備え付ける必要がある
労働基準法において、年少者が働く職場にはその年少者の年齢が証明できる書類を備え付けなければならないと定められています。そのため、年少者を雇用することが決まったら、年齢証明書として「戸籍謄本」や「住民票記載事項証明書」など、公的に年齢が証明できる書類の発行を依頼することを忘れないようにしておきましょう。