買取価格比較サイト「ヒカカク!」―学生起業家の3年後。いま目指している高みとは―【起業インタビュー第30回】|起業サプリジャーナル

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買取価格比較サイト「ヒカカク!」―学生起業家の3年後。いま目指している高みとは―【起業インタビュー第30回】

公開日:2017.07.14

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「学生のうちに起業する」というトレンドは、近年増加にあるかと思います。起業に関するコミュニティーの可視化や起業支援をサービスとする企業が増え、数年前と比べ環境が整備されてきていることが理由として挙げられます。

そんな中、まだ学生起業が一般的ではない3年前、大学在学中に手探りで会社を興した麻生輝明さんに起業のきっかけや、目指しているサービスについてお話を伺いました。

 

麻生輝明氏

1992年生まれ。2014年、一橋大学在学中に株式会社ジラフを設立。スマホやパソコン、古本やフィギュアなどの買取価格比較サイト「ヒカカク!」のプロダクトマネージャーを務める。

 

中学生の頃から起業に興味を持ち、大学在学中に起業

起業を目指したきっかけは?

中学生の頃に、自分でHPをつくったことがきっかけです。試行錯誤しながら運営していくなかで、ユーザーと触れ合ったり、コミュニティーができたりとサービス作りに面白さを感じました。また当時はSNSやネットベンチャーが話題になっていたこともあり、将来、自分もHPを運営するサービスを仕事にしたいと思いました。

 

大学時代について教えてください

まず大学で商学部を選んだ理由は、経営について理論的に学びたいと考えたからです。また、経営について学ぶため、本を読んだり、インターンシップを活用したりとさまざまなことにチャレンジしました。就職活動も会社経営について分析し、試行錯誤することができつつ、自ら投資を行って成長企業を支援できるベンチャーキャピタルを受け、そして内定をいただきました。

 

その後に起業ですか?

大学4年生のときに就職まで時間があったので、知人や友人と実験的にサービスをつくろうということになりました。それが今の「ヒカカク!」の初期の話になります。

ビジネスとして構想が出てきたのは、個人的な体験がきっかけになるんですが、iPadを売ろうとしたときに情報が不足していたことに気づいたときです。売る方法としてネットオークションや買取店舗などがあるかと思いますが、どこが一番高く買い取ってくれるのかわからない。ひとつひとつ店を回って査定を出してもらえば良いのでしょうが、やはり大変でした。

そんなときに、買取店舗に詳しい友人がいたんです。しょっちゅう売り買いするから独自で査定価格を比較していまして、これは面白そうだと思ったのがきっかけですね。

情報不足という点では、「お店の評価が可視化されていない」、「査定してみないと売値がわからない」ということが挙げられます。また、査定してもらったら、買取をしてもらわないままでは心理的にお店を出づらかったり、反対にお店に入りづらい。こういった課題を解決するために今の「ヒカカク!」があります。

 

ヒトは覚悟を決めた人間にしかついてこない

ヒカカク!―2017年6月時点にて月間ユーザー数で120万。PV数で300万まで成長

 

サービス立ち上げのお話を教えてください

モノを売るというサービスは充実していますが、モノを売るサービスの比較というものはありませんでした。ですから仮説検証には時間を割きました。具体的にはお店側のニーズをヒアリング、買取の頻度、「ヒカカク!」への手数料はいくらが妥当か等です。

また、業界において「買取価格の相場を知られたくない」という常識があり、「ヒカカク!」に掲載するメリットを地道に訴えていくということをやりました。

 

創業初期の頃って大変だと思いますが、いかがでした?

初めの頃は、SEO対策などもしていなかったため、「ヒカカク!」のアクセス数も少なく大変でした。転機はリリースから半年後にWeb制作に詳しい投資家の方がアドバイスをくれるようになったときです。その後は一気に伸びました。

また、組織作りについても苦労しました。友人とサービスをはじめましたが、僕以外みんな企業へ就職しました。そのあと人の入れ替わりがありましたが、僕一人になったときは苦労しましたね。僕について来てくれる人がいないのは、中途半端にやっている僕にも責任があると思い直し、そのときに覚悟を決め、内定を辞退して本当の起業を決意しました。

 

売却特化型プラットフォームのメガサービスを目指す

今後のヒカカク!の展望について教えてください

まずは、「ヒカカク!」を軸に周辺サービス作りをしていきたいと考えています。その一つが「最安修理.com」です。僕たちのサービスがCtoCではなく、CtoBの中古流通の市場に展開するうえで、買取と修理サービスは相乗効果を生むような密接な関係を持っているんです。

さらに今は僕たちの強みである、多くの店舗とやり取りしていることを活かして、買取店舗が修理サービスを創業する、その反対に修理サービス業者が買取りを始める、というようにすぐに集客を必要とする方に向けて新しいシステムを提案したいと思っています。そして店舗のバリューに寄与できるようなサービスに挑戦したいですね。

最終的にはいろいろな周辺サービスを付け加えて売却に特化したプラットフォームを作りたいと考えています。

 

それは面白そうですね!

現在リユース市場は年10%程度で成長しているといわれています。そしてリユース業界では、まだまだテクノロジー化されていない領域がものすごく多いんです。

例えば、古本の買取に特化したテクノロジーサービスや、ブランド品の買取に特化したテクノロジーサービスといったように、それぞれの商品カテゴリーがテクノロジー化されているのが今の世の中で起きていることです。

それぞれの領域ごとに突き抜けた企業がどんどん現れています。そうすると、これからはさらに領域ごとにテクノロジーに塗りつぶされていくことになるでしょう。そういった未来は必然であり、我々のサービスはその未来に向けてスピードを加速させているに過ぎません。

 

3年間振り返っていかがでしたか

覚悟を決めて内定を辞退して起業するという選択が、当時の自分に正しかったということを証明したいと思ってやってきました。そして今後も当時の自分に証明し続けていきます。

また、ゼロからスタートという不確実性にあふれた自分の未来を応援してくれた投資家の方などに恩返ししたいと思っています。

 

今後の目標について教えてください

組織作りにも注力していきたいですね。今の経営陣のうち、僕含め、会社経営の経験者が4人おり、従業員は40名ほどなのでこれだけ密度が高い組織はなかなか無いと思います。みんなが面白い会社をつくろう、より良い事業を生み出そうという想いを持っていて、良いチームになりつつあります。

僕らの「ヒカカク!」は買取をしてほしいというユーザーのニーズを噛み砕いて、それに合うお店に送客するというサービスです。つまり、多様化するユーザーのニーズに柔軟に対応し、合ったお店を紹介していくことが売却に特化したプラットフォームに求められることだと思います。

「ヒカカク!」はまだまだ知名度が低く、利用者が少ないのが現状の課題です。また使い勝手の部分ではまだ完全に作りこめていません。しかし知名度、使い勝手を伸ばせばメガサービスになることを僕達は確信しています。

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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