【起業インタビュー第25回】妊娠コンサルティング・不妊カウンセリングの最前線~とある鍼灸師の奮闘記|起業サプリジャーナル

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【起業インタビュー第25回】妊娠コンサルティング・不妊カウンセリングの最前線~とある鍼灸師の奮闘記

公開日:2017.05.31

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くにい治療院 患者様体験談(別ウィンドウで動画が開きます)

 

「サクラなんじゃないか」と誤解を招きかねないくらい、皆さん良いことをおっしゃって下さっていますが、もちろん皆さんは当院で実際に施術を受けられた方々です。

若き院長は、少し面映ゆそうにそう言った。

 

國井 正輝(くにい まさき)氏

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師。鍼灸学校教員免許も持つ不妊カウンセラー。2010年に鍼灸院「くにい治療院」開院。2013年に代々木上原東口に拡大移転し、月間800件以上の治療を行う。

 

不妊鍼灸という分野

國井氏にお会いすることが決まるまで、不勉強ながら私は、不妊鍼灸というものを知らなかった。よく考えれば、西洋医学で不妊治療があるのだから、東洋医学で同じものがあっても何ら不思議はないのだが。

とはいえ、不妊鍼灸は、「血行を良くし、肩こり、腰痛、冷え症などに効果がある」という一般的な鍼灸のイメージとは少し異質なもののようにも思える。國井氏が不妊鍼灸を専門としたきっかけは何だったのか。

鍼灸学校卒業後、鍼灸院でアルバイトをしながら鍼灸教員免許取得のための学校に通っていました。
その鍼灸院で、不妊治療を受けている患者さんが妊娠されたケースに巡り合い、命の誕生に関われるということに魅力を感じました。
そこから不妊治療に関して自分なりに勉強を重ね、専門とするに至りました。

 

宣伝広告戦略

専門を定め、代々木上原に物件を借り、晴れて鍼灸院を開設した國井氏。
しかしながら、「特別な人脈も、土地への縁もない」状態でどのように認知度を高めていったのか。

最初は友人に作ってもらったホームページで告知を始めました。需要のある方に知っていただく、院に足を運んでいただく、という費用対効果を考えた場合、ネットに頼ることが最適だと判断し、Webでの宣伝広告に注力しています。
私が開業した7年前は、整ったホームページを有している鍼灸院自体が少なかったですが、スマホの普及等に伴い、Webでの宣伝広告を行う競合も増えてきましたね。
いまでこそ紹介でいらっしゃる患者様も増えましたが、ゼロからのスタートだった開業当初にWebがなかったらたちまち潰れていたと思います(笑)
もしインターネットが普及していない20年前に私が開業していたとすれば、どうやって宣伝告知を図っていたか想像がつきません。

最近まで自己流でリスティング広告も作成していたという國井氏。「興味がある人にピンポイントで情報が届くWebを使わない手はない」と語る。

 

「くにい治療院」の特徴

鍼灸院であれクリニックであれ、経営戦略という観点からは、同業者との差異化・差別化は必要である。
「くにい治療院」の特徴は以下の通りだ。

妊娠コンサルティング

2014年の統計によると、国内で出生した子どものうち、21人に1人が体外受精児です。晩婚化が顕著な都内ですとこの割合はもっと高くなるはずです。
もっとも、体外受精を成功させるためには、クリニック選びが非常に重要となります。クリニックによって技術にバラつきがありますから、どこを選ぶかによってご自身の未来が変わってしまうのです。
そこで、当院では、多くの患者様からお寄せいただいたさまざまなクリニックに関する情報を集積し、患者様一人ひとりに合ったクリニックが見つかるよう、その情報をご提供しています。

不妊カウンセリング

周囲に相談しづらいという不妊の悩みの特性上、患者様はそのストレスを独りで抱え込んでいらっしゃることが少なくありません。患者様が多いクリニックでは1人あたりの診療時間も短いため、医師に相談するというのもなかなか難しいのが現状です。
そこで、当院では、初診時に詳細な問診票にご記入いただき、それをもとに約1時間をかけてじっくりとカウンセリングを行っております。また、初診を受け終わったあとに当院の施術が合わないと感じられた患者様には、アンケート用紙のご記入を条件に、全額返金させていただいております。

患者様に誠実であること

今回の取材で私が最も印象に残ったお話をそのまま文字にする。

世の中には「妊娠率70%」と謳っている鍼灸院の広告もあります。しかし、その数値は、実際に不妊鍼灸を重ねれば重ねるほどあり得ないというのが私の実感です。
当院が公表させていただいている数値はインパクトには欠けるかもしれませんが、実測した正直な値です。そこで嘘をつきたくはないですね。

 

「くにい治療院」のこれから

現在、初診の方を含め、1月で延べ約800件の施術を行っているという「くにい治療院」。今後の展望について、國井氏はこう語る。

鍼灸には不適応症状はありませんし、実際に私も開業前は様々な症状を持った患者様が来院する鍼灸院に勤めておりました。ただ、集客を考えた場合、専門性を持たせた方が潜在患者様に刺さりやすくなるのも事実です。
ですから、現在のノウハウを活かしつつ、新たな専門分野に特化した院を将来的には展開していくことも考えています。現在の目標は2020年までに5院を運営すること。不妊に限らず、鍼灸の素晴らしさをもっともっとたくさんの人に知ってほしいですね。

 

編集後記

国の経済規模の維持・拡大を命題とする限り、少子化問題は解決必須の項目であろう。
この問題を解決するために晩婚化の波を止められないのであれば、晩婚でも子どもができる確率を高めていくしかない。それが体外受精であり不妊治療という手段だ。

この国の盛衰の鍵を握っているのは、実は國井氏のように、不妊治療・鍼灸の最前線で活躍されている方なのかもしれない。

【編集部脚注】
本記事における「治療」とは、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第12条の「医業類似行為」を指すものであり、医師法上にいう「治療」とは異なる意義で用いています。

Special thanks to EIZOYA様

記事冒頭の動画は、中小企業向けの映像制作・IT構築を通じた経営支援活動をされているEIZOYA様(合同会社フロントビジョンコンサルティング様)からご提供いただきました。ここに深く御礼申し上げます。

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投稿者について
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綴木 晴彦

1982年生まれ。中央大学法学部卒、中央大学大学院卒。教育系の企業にて執行役員として新サービス開発などを統括。ビジネスマンのキャリア開発、資格取得の支援などを行う。その後、人材系のベンチャー企業である株式会社ネオキャリアに参画し、事業部長として新規事業開発に従事。社内起業として行政書士法人jinjerを設立。外国人の就業支援・ビザ取得支援、会社設立支援、企業の資金調達支援、補助金取得支援などを行う。

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