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エンジェル税制について

公開日:2017.05.10

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今回は、起業後の資金調達のときに知っておくべきお話になります。

これから起業を検討されている方も、将来どのように資金調達をするかの選択肢の一つとして検討ください。

エンジェル税制とは

起業後、新たに資金を調達する際にベンチャー企業に投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。

これは、民法組合・投資事業有限責任組合を通じた投資についても直接投資と同様です。
簡単に説明しますと、投資時点と売却時点で税制上の優遇措置を受けることができます。

 

投資時点での優遇措置

投資した年に受けられる所得税の優遇措置は下記のどちらかになります。

① 設立3年未満の企業が対象

(対象企業への投資額-2,000円)を、その年の総所得金額から控除
※控除対象となる投資額の上限は、総所得金額×40%と、1,000万円のいずれか低い方

② 設立10年未満の企業が対象

対象企業への投資額全額を、その年のほかの株式譲渡益から控除
※控除対象となる投資額の上限なし

 

どちらのメリットが大きいかによって選択可能です。

 

売却時点での優遇措置

対象企業の株式売却により生じた損失を、その年の他の株式譲渡益と通算(相殺)できるだけでなく、その年に通算(相殺)しきれなかった損失については、翌年以降3年にわたって、順次株式譲渡益と通算(相殺)が可能

 

対象企業の要件

上記の投資時点での優遇措置によって要件が異なります。

① を選択した場合

・設立3年未満の中小企業者

・下記要件を満たすこと

設立経過年数

(事業年度)

要件

1年未満かつ最初の事業年度を未経過

研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。

1年未満かつ最初の事業年度を経過

研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上で、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。

1年以上~2年未満

試験研究等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超で直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。

または、新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上で、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。

2年以上~3年未満

試験研究等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超で直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。

または、売上高成長が25%超で直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。

※研究者…特定の研究テーマを持って研究を行っており社内で研究を主として行う方で試験研究等に含まれる支出がなされる方。

※新事業活動従事者…新規製品やサービスの企画・開発に従事する方や、新規製品やサービスが市場において任地されるために必要となる広告宣伝や市場調査の企画を行う方。

 

・特定の株主グループからの投資の合計が5/6(約83%)を超えない会社であること

・大規模法人(資本金1億円超等)及び当該大規模法人と特殊の関係(子会社等)にある法人の所有に属さないこと

・未登録・未上場の株式会社で、風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと

 

 ② を選択した場合

・設立10年未満の中小企業者

・下記要件を満たすこと

設立経過年数

要件

1年未満

研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。

1年以上~2年未満

試験研究等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超。

または、新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。

2年以上~5年未満

試験研究等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超。

または、売上高成長率が25%超。

5年以上~10年未満

試験研究等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の5%超。

※研究者…特定の研究テーマを持って研究を行っており社内で研究を主として行う方で試験研究等に含まれる支出がなされる方。

※新事業活動従事者…新規製品やサービスの企画・開発に従事する方や、新規製品やサービスが市場において認知されるために必要となる広告宣伝や市場調査の企画を行う方。

 

・特定の株主グループからの投資の合計が5/6(約83%)を超えない会社であること

・大規模法人(資本金1億円超等)及び当該大規模法人と特殊の関係(子会社等)にある法人の所有に属さないこと

・未登録・未上場の株式会社で、風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと

 

また売却時点での優遇措置は上記どちらかの要件を満たせば適用されます。

 

投資家の方へ

事前確認制度という制度により投資を検討している企業がエンジェル税制対象か否かについて確認を受けることができます。こちらの詳細については経済産業省のHPでご確認ください。

 

おわりに

エンジェル税制を活用し資金調達に成功される企業が増えているとのことです。選択肢のひとつとして、こういった資金調達の方法もあるということですね。

 

参考

経済産業省HP

関東経済産業局

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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