会社名義の銀行口座をいつ作るのかお分かりでしょうか?
答えは「会社設立登記手続が完了してから」です。この手続が完了していなければ、会社は正式に設立されていないという扱いになるからです。
会社を設立して「さぁ事業を始めるぞ!」となった時に、現金決済の取引だけなら良いのですが、WEBビジネスなどを行う場合は、最低でも銀行口座がなければ事業を行うのは難しいのはご承知の通りです。
簡単には作れない法人銀行口座
そこで、銀行に口座を作りに行くことになるわけですが、法人は、実は簡単には銀行口座を作れないことをご存知でしょうか?
振込み詐欺などの影響や銀行側の管理上の問題もあり、簡単には銀行の法人口座を作らせてもらえないのが現状です。
以下は、私が起業した際、とある銀行で経験した実話です。
筆者:「会社を設立したので、口座を開設したいのですが」 銀行担当者:「では、会社の登記簿謄本、実印など記載の必要資料を準備してください」 筆者:「はい、準備してあります。これでよろしいですか?」 銀行担当者:「あと、事業を行っていることを証明できるものは何かありますか?」 筆者:「? 例えば、どのような書類でしょうか?」 銀行担当者:「取引のある企業との契約書や請求書などですね」 筆者:「??? いやまだ会社を設立したばかりで、そんな書類、普通ないですよね?」 銀行担当者:「いや、口座開設には必要な書類なので、ないと口座開設は難しくなります」
実は、筆者は自営業で先行して事業を行っており、自営業の取引先を設立会社に移行することを決めていました。そのため、その契約書や請求書を準備して事なきを得ましたが、かなりびっくりしたことを覚えています。
サラリーマンが起業した場合、法人口座の開設は大変難しいことが想像されます。実際、筆者の周りの起業した方たちの中でも、口座開設に苦労した経験を持つ方は少なくありません。
ただし、全ての銀行において上記事項を必要とされているわけではないとは思います。ですので、事前に口座を作りたい金融機関にご相談することをお勧めします。
紹介を活用する
では、どうすればスムーズに法人口座を開設できるのでしょうか?
方法としては
①知り合いの経営者や銀行や信用金庫など金融機関関係者に紹介をお願いする ②税理士などを通して銀行を紹介してもらう
ことをお勧めします。
信用があるので、法人口座開設もスムーズにいく可能性が高いですし、審査時間も短縮される可能性があります。
実際、筆者も①の方法で前述の銀行とは別で口座開設を行いましたが、何の問題もなく、スムーズに法人口座開設ができました。
時間がかかることにも注意
また、会社の設立登記を行ってから登記簿謄本取得に1~2週間程度、銀行の法人口座開設審査に同じく1~2週間程度かかることに注意が必要です。ですので、合わせて1ヶ月程度かかることを想定しておいてください。