いつか起業したい。でも、起業する前に何をしておくべきかについては具体的なイメージが湧きづらい、という方もいらっしゃると思います。
今回は、実際起業した経験から、起業する前に準備すべき事項についてお話をします。
人脈を金脈に変える!
通常、起業直後は、働いていた時の企業の看板がなくなりますので、なかなか営業活動が上手くいきません。これに深いショックを受ける方もいらっしゃいます。特に、相応の役職についていた方であればあるほどショックを受けているケースが経験上多いです。
一方、起業したばかりですから生活費も稼がなくてはなりません(退職金が沢山あれば別ですが…)。
そんな際に、役立つのがサラリーマン時代に培った人脈です。ある程度自分を知っている方であれば、独立のお祝いに取引を行ってくれるかもしれませんし、コンサルタントなら顧問契約してくれるかもしれません。起業当初は、とにかく人脈を金脈とする方法を視野に入れて人脈作りに励んでください。
「今まで世話になった方には頼らないで、自力で立ち上げる!」など変なプライドはお捨てになることをお勧めします。起業(経営)はそんなに甘いものではありません。お金は口を開けていれば降って来てくれるものではありません。明日のお金を自分で稼がなくてはならないのです。
差別化要素を培う!
起業後に営業活動をする際は、前職企業の差別化要素は当然使えません。つまり、企業の看板に関係しない相当な差別化商品を有していない限り、自分自身が差別化する唯一の要素です。就業中に、とにかく差別化できる点を明確にしておいてください。『私は、○○では他に負けません!』という内容です。
なお、「何でもできます!」は何にもできませんと同義語になりやすい点は注意してください。
余裕を持った資金計画を作る!
最後に、企業の血液というべき、資金面についてです。
経験上、通常は想定以上に資金がかかります。具体的には、赤字の期間の長期化、販促費や人財採用の経費、運転資金などが想定を上回ります。ですので、最悪の事態を想定して資金計画を作ることが大事です。
せっかく素晴らしい事業でも、最低限事業が立ち上がる見込みがないと、資金の出し手も見つかりづらいものです。当然ですが、資金が続かなければ事業は頓挫します。
さらに、資金繰りに四苦八苦する状況に陥ると、頭の大部分が資金繰りにまわり、事業どころではなくなる可能性も十分にありますので、慎重な資金計画を必ず作成し、余裕ある資金を準備することをお勧めします。