大企業神話」の崩壊
「大企業は潰れない」、「銀行に入れば一生安泰」。
一昔前までこんな定説があたりまえのように囁かれ、皆その言葉を鵜呑みにしていました。
しかし昨今の大手メーカーの粉飾決算疑惑に端を発する経営危機を見ても明らかなように「大企業は安心」であるとか「終身雇用で一生安泰」ということはありえないのだということがよく分かります。実際1990年代前半から上場企業の倒産も毎年起こるようになり2008年には33件の上場企業が倒産しています。大企業は安心という神話は20年以上前に既に崩壊しているのです。大企業がこのような状況であれば、中小企業はいわずもがななわけです。
にもかかわらず多くの新卒生はこぞって就職、特に大企業を目指し、そこから内定を勝ち取ることこそが、いわゆる「勝ち組」の仲間入りをすることだといまだに信じているわけです。
もちろん出世して給与も順調に伸び会社が定年まで潰れなかったという理想的なケースであれば、問題ありません。しかし一昔前までと異なり必ずしもそのようなコースを歩めるという保証はどこにもないわけです。「成功」のモデルが一つではなくなったのです。
自ら起業するのも現実的な選択肢
「成功」のモデルが一つではなくなり多様化した現在においては、会社員にならず自ら起業するというのも一つの選択肢なのです。2006年に会社法が改正され資本金が1円でも会社を設立することができるようになりました。
法律の改正により会社設立の要件が緩和されただけではなく、ネット上のプラットフォームの発展に伴い個人がブログで情報発信をしたり、楽天やAmazonなどのECサイト上で自分の店を持ったりすることが一層簡単になりました。
私自身学生時代に外国から輸入したものを販売するいわゆる輸入転売をしておりました。友人と2人で共同運営していたのですが、彼は残念ながら就職活動が上手くいかず、そのまま起業しました。大学生の小遣い稼ぎを事業化したという方が正しいかもしれません。そんな彼も今では年商1億を超え事務所を借り社員も雇う立派な会社の社長になっています。
事業内容は輸入販売で東南アジアなどの工場に請託したりもしていますが学生時代にやっていたことの延長線上であることには変わりありません。
このように起業の最初の段階からいきなりリスクを冒すのではなくまず、自分のブログで情報発信をしてどれくらいの需要があるか市場調査したうえでサービスを開始するという方法はリスクを最小化することができますし、ECサイトに出店した店舗で商品を売って、売れ行きがよかったものを本格的に展開するなどという方法を取ることもできます。
最初の一歩を踏み出そう
起業するには莫大な借金をしなければならないから怖いなどと思っている人もいるかもしれません。しかし必ずしもそのようなイメージは当てはまりません。まずは自分のブログで自分の好きなことに関する情報発信をしてリストを取りそこから展開すれば初期投資はほぼ必要ないですし、ECサイトへの出店にしても無在庫販売など実質元手なしでやる方法もあるのです。そして何も会社を辞めたりせずともまず副業として「起業」することもできるのです。
就活で悩んでいる人やサラリーマンとして働いてはいるものの、何か自分でビジネスをやって一国一城の主になりたいと考えているが一歩踏み出すことができずに悩んでいる方々は、まず社業や学業の合間の副業でも良いので、まず第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。あのスティーブジョブズも最初は庭先のガレージからスタートしたといわれています。もしかしたら皆さんの一歩が10年後大きな会社の社長になる第一歩になるかもしれません。