近年はどの会社でも1人はいるんじゃないかと言われるほど、メンタル不調者が増加しています。従業員がうつ病などのメンタル不調に陥ってしまうと、本人のキャリアに傷がつくことはもちろんのこと、会社にとっても業務や人員に穴が開いてしまうなど大きな損害が生じてしまいます。
そこで、企業としては「うつ」になりにくい社員をなるべく採用したいと思うのが本音だと思いますが、そもそもどうやったら判別することが出来るのでしょうか。
市販のストレステストを利用する
実は現在、そのような会社のニーズに応えるために「メンタルヘルス不調」になりやすい傾向にあるかどうかをチェックするテストツールが各社から販売されています。書類選考の一環としてこのようなツールを活用することでもともと「うつ傾向」にある応募者をある程度スクリーニングことが可能になります。
ただ、これを実施したからといって「うつ」になる社員がゼロの職場作りをすることはできません。なぜなら、このようなテストはあくまでもうつに「なりやすい」傾向を把握するだけに過ぎず、本来うつ病というのは誰しもがなり得る病気であるからです。
そのため、採用した社員や既存の社員がメンタルヘルス不調に陥らないためには職場にある「ストレス源」を減らす必要があると言えるでしょう。具体的には、以下の2つの対策を併せて実施する必要があります。
長時間労働を減らす
職場内で長時間労働が常態化しているようであれば、まずはこの状況を打開することがうつ予防に役立ちます。実際、メンタルヘルス不調と長時間労働には明確な関連性があると言われており、また月間の残業時間が45時間を超えるようであれば、メンタルヘルス不調どころか過労死する危険性すらあるのです。
週に1回「ノー残業デー」を設ける、有給休暇の取得を促進するなどして経営者自ら意識的に残業時間を減らすという仕組み作りが非常に重要になります。
人間関係の悪化を減らす
職場内の人間関係が悪化していないかどうか常にチェックしておくこともメンタルヘルス不調を予防するためには非常に重要と言えます。従業員にとっては1日の半分近くを会社で過ごすことが多いですから、仲の悪いメンバー同士で働いていたり、パワハラ気味の上司の下で働いていたりするとそれだけでストレスはどんどん増加していきます。合わない人達が集まって仕事をしていてもストレスになるだけでパフォーマンスも決して上がらないはずですから、人間関係が良くないなと気づいたら話し合いの機会を設けるなりメンバーを異動させるなりして人間関係によるストレスが最小限になるよう気配りをする必要があると言えるでしょう。