電力需給のインフラにスタートアップが挑む!初期費用0円で太陽光発電システムを設置、お得に電気代が使えるサービス「シェアでんき」株式会社シェアリングエネルギー上村一行【起業インタビュー198回目】|起業サプリジャーナル

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電力需給のインフラにスタートアップが挑む!初期費用0円で太陽光発電システムを設置、お得に電気代が使えるサービス「シェアでんき」株式会社シェアリングエネルギー上村一行【起業インタビュー198回目】

公開日:2022.09.29

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設置するのに数十〜数百万かかると言われる家庭用ソーラーパネルが初期費用無料で、屋根のある家庭ならどこでも設置が出来る「シェアでんき」。そんなに虫のいい話があるのか?と懐疑的な姿勢をもちつつ挑んだ今回の取材でしたが、そんな虫のいい話がありました!世界的な生活インフラの高騰を背景に今後益々需要を高めていくであろう、生活インフラの自家生産・自家消費。電力需給のインフラに挑むスタートアップのお話を起業家 上村氏に伺いました。

 

 プロフィール(株式会社シェアリングエネルギー 代表取締役 上村一行氏)

デロイトトーマツコンサルティング株式会社(現アビームコンサルティング)にて大手総合商社の経営改革プロジェクト等に従事した後、2008年、株式会社アイアンドシー・クルーズを設立、代表取締役に就任。トーマツ日本テクノロジーFast50で3年連続Top5を受賞。2018年1月に株式会社シェアリングエネルギーを設立。2020年2月、株式会社アイアンドシー・クルーズを株式会社じげん(東証一部)に譲渡、当社取締役ファウンダーに就任。2021年3月、当社代表取締役に就任。

 

 株式会社シェアリングエネルギーについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

「分散電源の創出により、エネルギーシステムを変革する」をミッションに掲げ、「シェアでんき」を始めとする分散電源の提供、及びエネルギーマネジメントサービス企画開発を展開しています。

 

昨今、電気代の高騰やSDGsをはじめ、脱炭素に向けた取り組みが叫ばれている中、日本という国土に制限がある土地では、山を切り開いて大がかりな太陽光発電システムをつくるというより、我々は電力需要と直結する各家庭の屋根にソーラーパネルを設置し、それらを解決する仕組みをサービスとして提供しております。

 

ー 「シェアでんき」とは、どんなサービスなのでしょうか?

シェアでんき」は初期費用無料で、太陽光発電システムを設置し、 通常よりおトクな料金で電気を利用頂けるサービスです。主なサービスの特徴としましては、パネルを設置できる屋根さえあれば、初期費用も月額費用もかからず、太陽光パネルを設置できるというサービスになっています。更に、屋根の上で発電した電気は、通常電気料金よりも4割ほど安い単価で電気を使用することが出来ます。

 

ー なるほど!設置した太陽光パネルは、ユーザーの所有になるのでしょうか?

設置後、15年間は弊社の所有となっていますが、15年後には無償で一式譲渡というカタチを取っています。譲渡した後については、昼間発電した電気は全て無料で使えるようになるのに加え、余剰電力は当社に売電することも出来ます。弊社の試算ですが、仮にこれ以上電気代が上がらなかったとして、20年後をみた時には100万円近く家庭に経済的なメリットが出るサービスとなっています。

 

ー 譲渡後の保証などはあるのでしょうか?

はい。25年間のメーカー保証を付帯しておりますので、最低でも譲渡後10年間はしっかりと発電出来るものにはなっています。

 

ー え、そんな長い年数までアフターサポートが充実しているんですね!率直な疑問として、高価なイメージのある太陽光発電システムが、どうして無料で設置できるのでしょうか?

そこについては、シェアでんきのビジネスモデルを説明させてもらった方がいいかなと思います。

シェアでんきの収益源は2つあります。一つは、先ほども説明をした自宅で発電した電力を弊社から購入頂く上での【利用料金】。そして、二つ目は各家庭で余剰した電力を購入させてもらい、それを外部の事業者に提供することで得る【売電収入】。この2つの収入をもとに、ゆるやかに初期投資分を回収するというビジネスモデルになっています。社内の試算ですが、おおよそ10年以内には各家庭に設置した初期投資分を回収できる想定で考えています。

 

また、営業的な戦略や施工費を抑える為の工夫も、各事業者様とウィンウィンになるような提携をしながら、従来かかっていた中間コストを限りなく削減することで設置にかかるコストを極力抑える工夫もしています。

 

ー ユーザーにとって、確実にメリットがでる設計になっているのが本当に素晴らしいですね。

 

 インフラにスタートアップとして挑戦していく中での苦悩。

ー 起業することの意識は、いつ頃から持っていたのでしょう?

実は今回で、起業自体は3度目の経験となります。初めは、学生起業的なノリで立ち上げを経験したことからスタートし、そこから当時の自分の足りない部分を埋めるという意味でコンサルティングファームに就職をし、2008年に前身となる株式会社アイアンドシー・クルーズを立ち上げています。

 

ー 2008年のタイミングの起業は、どんなビジネスを立ち上げていたのでしょうか?

現在もですが、事業の軸としては変わっておらず、「次世代に繋げていく事業」をやりたいと思っています。そこで最初にはじめたのが太陽光発電の比較ポータルサイトでした。当時、社会的な追い風もあって、再生可能エネルギーに注目が集まっていたものの、同じ太陽光パネルでもA社とB社で値段が全く違うといった価格の不透明さもあり、正しい情報を流通させる仕組みとしてのプラットフォーム事業からビジネスをスタートさせました。なので、立場は変わりましたが、実は2008年からこの領域で事業を運営はしています。

 

ー そうだったんですね!そこから「シェアでんき」が生まれた経緯についても教えてください。

プラットフォーマーの立場をしながら、太陽光発電の市場の成長を見守る中で一番の大きな変化として、システムにかかるコストが大幅に下がってきたという点は非常に大きかったです。また、様々なプレーヤーが出現する中でもバリューチェーンが様変わりする様子も横目に見ながら、我々自身が仕組みの中でシステムを提供する側にまわることが、これからの太陽光発電の普及においても、最短のアプローチなのではないか?と考える様になり、事業者として参入することを決めました。そこから2018年に株式会社シェアリングエネルギーを立ち上げていますが、当時はアイアンドシー・クルーズの新規事業という位置付けでスタートをさせています。

 

ー 電気・水道・ガス等のインフラにスタートアップとして、挑戦していく姿勢がとても面白いと思う反面、そこに参入する上での苦悩はあったのでしょうか?

そうですね。このビジネスを始めるにあたっては資本と裏側のプロジェクトファイナンスの必要性など、様々な参入障壁の高さから「本当にスタートアップがやるべき事業なのか?」と、多方面から言われました。実際、参入後も東京の一会社がはじめたサービスにユーザーがどういう反応をするのか?は我々自身も未知数でした。「タダほど怖いものはない」という日本人心理も分かるので、実際に蓋を開けるまで分からない状況でしたが、それ以上にユーザーにとって明確なメリットを提供できるサービスがつくれた自負もあったので、立ち上げ時こそ苦労した部分はありましたが、その後は順調に伸びていき、その裏側で集まってくるトラッキングデータも銀行に開示しながら、1年をかけてプロジェクトファイナンスを組み、最初のハードルを超えたというのが実際のところです。

 

 今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

まずは無料で太陽光発電システムが自宅の屋根の上に設置できるといったところから事業をスタートをしていますが、現在はそれに加え、テスラ社製蓄電池「Powerwall」の導入も合わせて初期費用0円で可能となるモデルもはじめています。これによって、家庭で発電した電気を貯めて使うことも可能にし、自家消費率を上げていく動きも推進していきたいです。また今後、普及していくであろう電気自動車と太陽光・蓄電池をかけ合わせたサービスも展開していくべく現在準備を進めています。弊社のサービスを導入してもらうことで、ユーザーの生活の利便性が向上すること、そしてそれが家庭の経済メリットにも大きく直結するんだという分かりやすさを加え、結果的にそれが環境問題(脱炭素)に対しても寄与しているという世界観を我々はつくっていきたいと思っています。

また、私たちのエネルギー事業者としての側面では、家庭一つで見れば小さい発電量でも、それらを全て束ねた時は大きなものとなります。我々はそれらを有機的にネットワークし、束ねている立場でもありますので、1つの発電所(仮想発電所)的な動きも機能させる仕組み、VPP(Vitual Power Plant)事業への参入も粛々と準備を進めていっております。

 

ー すごい構想ですね!最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などもあれば教えて下さい。

自社採用とアライアンスパートナーの獲得、2つを絶賛強化中です!

この記事をみて、弊社・サービスに興味を持って頂いた方は是非お問い合わせください。

 

シェアでんきを運営するシェアリングエネルギーが小売電気事業者/ガス事業者とのアライアンスを開始

 

ー はじめは「タダほど怖いものはない」と疑いの目でかかってしまいましたが(笑)改めて、素晴らしい事業を展開する御社をメディアとしても、引き続き応援したいです!今日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございます!

 

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