業界全体の約8割の事務所が10名以下のメンバーで構成されているといわれる、士業業界。「多くの事務所では、代表を含めて全員がプレイヤーであることが多く、組織全体としてマーケティングに時間を割くことがリテラシーを含めて、事務所の経営課題になっている」と今回取材をした起業家 岡田氏は話す。士業業界の情報発信という経営課題を支援するツール「L-MagaZine」について取材をしました。
プロフィール(株式会社iDOOR 代表取締役CEO岡田湧真氏)
大学卒業後マニラのベンチャー企業を経て、都内の士業向けコンサルティング会社で5年間、マーケティング・業務効率化に携わり、名古屋支社長を務める。 国・専門家・企業間の情報の壁を無くす為のプラットフォーム構築を目指し、 現取締役COO/CFOの児玉洋貴と共に創業を決意。2020年8月に株式会社iDOORを立ち上げ、2021年5月に専門家向けのLINE・チャットワークと連携した動画配信システム「L-MagaZine」をリリース。
株式会社iDOORについて
ー 事業内容について、教えて下さい。
士業業界に向けた動画配信システム「L-MagaZine」の企画・開発をしています。主に使っていただいているのは税理士、社労士、司法書士、行政書士、弁護士など多岐にわたっています。
ー 士業業界に向けた動画配信システム「L-MagaZine」とは、どんなサービスなのでしょうか?
L-MagaZineは「顧客・見込客への配信用動画」と「LINE・チャットワークの配信システム」がひとつになった専門家向け次世代型情報配信システムです。税理士・会計士・司法書士などの士業・専門家の方は顧問先や潜在顧客などのユーザーを公式LINEやチャットワークに登録いただくだけで、専門情報を動画で配信することが可能になります。実務で忙しい専門家の方が自分で配信用動画を作る必要はなく、誰でも簡単に配信することが可能です。
行政から出る最新法改正に関する内容や、その他経営に関する情報の編集と配信用動画の制作を我々が行いますので、彼らのクライアントとして抱える中小企業・個人に向けて情報をタイムリーに届けることによって、士業事務所とその先にいる方々の事業活動が、より加速していく様なツールになればいいと思っています。
ー 実際、士業事務所はどんな時にこのサービスを使うのでしょうか?
大きくは、3つございます。
1.顧問契約業務内のサービス一環としてのコミュニケーションツールとしての利用
2.情報提供による、アップセル目的の利用
3.新規・見込み顧客とのリレーション構築のための利用
元々、士業の方々は専門的な知識を扱う仕事な為、「(クライアントに対して)情報を提供する」という行為自体が、彼らの機関業務として備わっている職種です。一方で、業界全体の約8割が10名以下の組織で構成されていると言われる様に、少数精鋭でやっている事務所がほとんどであり、代表自らもプレイヤーであることが往々にしてある業界の中では、定常的なクライアントとのコミュニケーションや新規顧客獲得の為のマーケティング活動へリソースを割くことに課題感を持っている事務所が多いです。また業界全体のITリテラシーの側面もあってか、世の中にトレンドに合った最適な情報発信をすることにも苦手意識を持つ中で、L-MagaZineが最適化されたやり方で情報を編集・配信できるツールを提供しているといった図式です。
ー 情報提供が機関業務である、という話がありましたが、これまで士業事務所はクライアントとどういったコミュニケーションを取っていたのでしょう?
一般的には、外注で事務所通信を依頼したり、テキストベースのメルマガといったところが、ほとんどでいずれも現代のユーザーコミュニケーションとしては最適化されていない手法でやっている先がまだまだ多いと思います。
ー なるほど!士業といっても色々ありますが、対応している動画のカテゴリーについても教えて下さい。
現在は、「税務・財務・会計」「相続・生前対策」「人事・労務」「資産形成」の計4カテゴリーの動画を制作しており、毎月8本以上が新規で公開されていきます。
前職時代から感じていた士業業界に関する情報発信の課題を、起業によって実現・サービス化
ー 起業することの意識は、いつ頃から持っていたのでしょう?
父親が自営業をしていたことが、影響として大きかったと思います。高校生の時に進路を決める時には、漠然とそれを意識する様にはなっていました。
ー そこから、実際に起業をされた経緯についても教えて下さい。
前職で入社した会社では士業向けのコンサルティングをやっていたのですが、その会社にも「30歳までには辞めます」と伝えた上で入社をしました。実際に30歳になる前に起業をしているのですが、キッカケになったのは、当時コンサルタントの立場で扱っていた士業向けの情報配信システムでした。そのシステム自体もレガシーなもので、時代に合っていない情報配信のやり方にクライアントから辛辣なフィードバックを頂くことも多く、少なからずその部分に関する課題感は会社員の時から感じていました。その後、前職時代の上司が立ち上げた会社に創業メンバーとして入り、士業のサービスを受ける側になって、「何でこの融資制度を教えてくれないんだろう?」と士業の情報提供のあり方に疑問を抱きました。そのタイミングで、配属先であった名古屋から本社への移動や、会社都合での状況変化などもあり、自分自身の状況も変わる中で、足元で見つけた課題を、起業というアプローチで解決していくことを決意した感じですね。
ー なるほど。「L-MagaZine」が生まれた経緯についても教えて下さい。
共同創業者に現役で会計事務所を経営する児玉という者がいるのですが、実は児玉は元々前職時代のクライアントです。先ほども話した様に、コンサルタント時代から感じていた士業業界の情報発信に関する課題については、児玉にリアルな士業事務所を持つ立場として現場のニーズなどもヒアリングさせてもらう立場でしたが、改めてサービスの必要性を感じた中で「であれば、一緒にサービスをやろう!」ということになり、サービスが生まれたという経緯ですね。
今後について
ー 中長期的な展開についてお教え下さい。
社名である、iDOORの「i」はinformationから取っており、まずは情報発信の観点からユーザーの役に立ちたいと思い、この社名を付けましたが現状、私たちのサービスは士業事務所内における経営課題の一つでしかありません。今後は、サービスのラインナップを他の領域までに拡げ「事務所経営に困ったら、iDOOR」と想起してもらえる様な会社にしていきたいです。
ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などもあれば教えて下さい。
弊社では、サービス以外にも会計士・税理士などの専門家向け士業DXメディア「DOOR’S」を公開しておりますので、事務所経営のDXにお困りな方がいれば、こちらも是非お読み頂けると嬉しいです。
ー 是非、士業経営にお困りな方は今後もiDOORさんから発信されるプロダクト・情報をチェック頂けたらと思います!本日は、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございます。