コロナによって、リモートワークを中心とした働き方の変化が起きていく中で、自宅の過ごし方や住居に求める環境やスペックも多様化している。特に、若い世代にいけばいくほど「中古住宅」という言葉にも抵抗感がなく、むしろ、それによって(自分が)手に入れたい暮らしを得られるのであれば、新築物件よりそちらを選択する傾向にもある、と今回取材をした起業家 鎌田氏は話す。物件余りの課題も顕在化する国内不動産業界。今回は、中古仲介とリノベーションをワンストップで提供するワンストップサービス「リノベ不動産」について、お話を伺いました。
プロフィール(代表取締役 CEO co-founder 鎌田友和氏)
1978年静岡県富士市出身。 国内外にグローバル展開する総合不動産企業にて、13年のキャリアの中で通算5,000件以上の不動産取引に関わる不動産のプロフェッショナル。2013年6月に株式会社WAKUWAKUを創業し、住宅のみならず、くらし・働き方・経営・文化・従来の考え方そのものをリノベーション。「パーソナライズ化された自分らしい豊かな暮らし」の実現のため、産業構造の課題を解決する、業界の枠組みを超えた革命を起こします。
株式会社WAKUWAKUについて
ー 事業内容について、教えて下さい。
株式会社WAKUWAKUでは、「世界中の人々がワクワクできる社会を創る」というミッションの元、事業を展開しています。
・中古仲介+リノベーションのワンストップサービス国内シェアNO.1「リノベ不動産」運営
ー 中古仲介+リノベーションのワンストップサービス「リノベ不動産」とは、どんなサービスなのでしょうか?
「リノベ不動産」は、住宅購入における消費者課題と事業者課題を解決するツーサイドプラットフォームです。住宅購入を検討する消費者にとっては、 物件探し〜購入した物件のリノベーション、そしてその後のアフターサービスまでをワンストップで完結させることを可能としています。また、不動産仲介やリノベーションを実施する事業者側にとっては、DXによる生産性の向上及び労働時間の短縮。不動産仲介からリノベーション、新築から中古まで幅広い収益機会を提供し、事業者自体の収益性も改善するソリューションを提供しています。
ー 従来の中古住宅のリノベーションプロセスにおいて、「リノベ不動産」が画期的な点についても教えてください。
まず、住宅購入を検討する消費者側の目線からお伝えすると、住宅ローン・住宅購入・リノベーションを担当する業者は縦割りで別々であることが一般的な業界構造です。それによって、物件購入後に思っていたリノベーションが実現出来ないことが分かったり、思った以上に予算がかかってしまう等、業界都合によって消費者が不利益を被る構造が出来てしまうことが多々ありました。リノベ不動産では、住宅購入の検討段階からリノベーションに関する相談もワンストップで行えます。消費者にとっては、リノベーションに関する全てのやり取りを一本化された窓口に相談が出来ることにより、コミュニケーションコストが下がり、物件購入後に起きうるリスクも激減します。
ー 事業者側にとっては、どうでしょうか?
事業者には、リノベ不動産のブランドパートナーとなってもらうことで、弊社が持っている物件購入〜リノベーションノウハウ、集客・マーケティングプラットフォームの共有。そして、それらを完結させる業務フローを業界特化統合型クラウド業務基幹システム「リノベ不動産cloud」としてSaaS提供しています。それによって、例えば物件購入だけ仲介していた会社も、リノベーションの提案〜実施までソリューションとしてユーザーに提供が出来る様になり、事業者の収益構造も大幅に改善される様になりました。
ー なるほど。それは両者にとってwin-winですね。中古・リノベーションに限らず、現在住宅購入の市場では、どんなことが起きているのでしょうか?
日本の住宅市場では新築が中心であるものの、実際に新設住宅着工戶数は年々減少を続けており、今後もさらに減少する見通しとなっています。また直近では資材調達難や原材料の高騰もあって、新築マンションの価格帯は値上がりを続けています。そもそも、日本では世帯数より住宅ストックの方が多くなっているという社会的な課題も顕在化しており、今後ストックされている物件をどう活用するか?というニーズが増えていくでしょう。実際に、新築・中古物件に関する価値観の変化も変わってきており、若年層にいけばいくほど、中古住宅における抵抗感は少ないです。
ー 確かにリノベーション物件の特集や、それによる豊かな暮らしの提案などをメディアで見かける機会も多く、中身さえ良ければ、中古だから・・といったことはあまり気にしていないかもしれないです。
そうですよね。それに加えて、最近では新型コロナウィルスの影響もあって、自宅で仕事をする方も増えたと思います。それ以外にも、趣味や仕事以外の過ごし方の多様化など個々のニーズも細分化し、従来の様な画一的な規格に、全員のニーズを満たすことはもう現実的に不可能といっても過言ではありません。そういった、個々の多様なニーズを満たすカスタム性の高いリノベーションが時代的にも求められているといった経緯もあるでしょう。
ー なるほど!リノベーション物件が求められる背景、全てに納得がいく話ですね。
これまでの経歴から現在に至るまでのお話
ー 起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?
私の父親が起業していたこともあり、起業をしている父の姿をみて育つ中で、それは自然と私の中にも選択肢として芽生えていました。ただ、どんなドメインで何を成すのかまでは学生時代には見えず、就職する中でそれを見つけていこうと、一度は会社に就職をする選択肢を取ります。
ー そこから、どう起業に向けて動いていったのでしょうか?
会社に入ってからも、起業をするということは常に意識をして、日々の業務に当たっていましたが、いつしか「起業すること」を目的としてしまい、そもそも「なぜやる(起業する)のか?」が欠落した状態にあることに27歳の時に気がつきました。「自分はなぜ生きるのか?」「お金とは何なのか?」「なぜ社員を採用するのか?」、頭に浮かんでくる様々な起業への問いと、心のブレーキに向き合いながら、そういった一つ一つに向き合い、答えを見つけていくことを「自分の人生」「起業」の目的にしていこうと決めたのです。その時に見つけた一つの軸が、【想像できる範囲の可能なかぎりの人たちをワクワクさせたい】という、会社のビジョンにも繋がってくるキーワードになります。
ー なるほど。そこからサービスが生まれた経緯についても教えて下さい。
会社をつくった時には、まだ具体化してはいませんでした。
初めは、あらゆるベクトルからユーザーをワクワクさせたいという想いを、まずはどの領域から出来るのか?を探していましたが、やはりこれまでの経験も踏まえ、暮らしを支える住宅領域の課題の大きさを解決することがユーザーにとっても提供価値の大きいことだと感じ、サービスのドメインを住宅領域にからスタートする事にしたのです。
そこでまず考えたのが、ほとんどの方が「自分らしい暮らし」を手に入れる為に住宅を購入するのに、その全てを実現できる人たちは一部の富裕層に限定されるなど、ここに理想と現実のギャップがあるなと感じました。これをマス化するには、どうすればいいのか?と考えた時に、新築でそれを実現させるのではなく、中古住宅とリノベーションを活用して、それを実現させるやり方にイノベーションを起こすことに着目したことから、リノベ不動産は生まれています。
実際に、新築から中古住宅にまで選択肢を広げることで母数は6倍ほど増えます。そして、一般的な新築と比較したときのコストも2/3まで下がります。ただ、住宅購入〜リノベーションを実現するまでのオペレーションがとても煩雑という課題は当時から顕在化していたので、そのオペレーションフローに革命を起こせるか?が、サービスのコアになってくるとは当時から感じていました。
今後について
ー 中長期的な展開について、お教え下さい。
消費者向けの展開としては、中古住宅のプラットフォームとしてのリノベ不動産から、ユーザーに対するワクワクの拡張性を住宅やリノベーション領域に限らず、ユーザーデータに合わせて、旅行や趣味などあらゆる方向性から模索したいと考えています。
そして事業者に向けては、現在進めているブランドパートナー店を国内2,000店舗まで増やす計画と合わせて、業界全体では約80万社の会社があり、まだまだ私たちの解決している課題は、その一部分に過ぎません。不動産、建築、住宅業界のあらゆる課題を解決出来るサービスに機能を拡張したいと考えています。
最後に、今日本で起きている住宅の課題は決して自国に限る話でないとも思っています。そういった意味では海外を視野に入れたエリアの拡張も長期的には考えています。最終的には、世界の人をワクワクさせることの出来るグローバルなプラットフォームを運営する会社になっていきたいと思います。
ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。
国内20兆円ある不動産市場の中でも、現在の我々が関与している市場はほんの僅かではあるものの、業界の中でも非常に煩雑性が高く、大きなホワイトスペースがある市場です。ここからマーケットも拡大していきたいですし、何よりこの巨大産業の構造を一緒に変えていける仲間を積極的に採用しています。興味のある方は、是非ご連絡を頂けますと幸いです。
ー 今後も御社のサービスが変えていく、業界の当たり前についても目が離せませんね!今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございます。