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株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」がつくる、スタートアップ投資の民主化!イークラウド株式会社 波多江直彦【起業インタビュー174回目】

公開日:2021.10.15

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商品と引き換えにリターンを得る”購入型”や”寄付型”と言われる、私たちが一般的に想像する「クラウドファンディング」だが、近年は不動産投資型やソーシャルレンディング(貸与型)など、調達手段だけではない、個人投資の側面でも多様性を見せている。今回紹介するイークラウドも、「株式投資型」という新しい仕組みの中で、企業と個人投資家を結ぶスタートアップだ。世界でも新たな投資・資金調達手段として注目を集める、株式投資型クラウドファンディングについて起業家 波多江氏にお話を伺いました。

 

 プロフィール(イークラウド株式会社 代表取締役 波多江直彦)

慶應義塾大学法学部卒業後、サイバーエージェントに入社。広告代理部門、スマホメディア、オークション事業立ち上げ、子会社役員等を経て、サイバーエージェント・ベンチャーズで投資事業に従事。その後XTech Venturesにてパートナーとして、VR・SaaS・モビリティ・HRTech・シェアリングエコノミー・サブスクリプションサービス等への投資実行を担当。2018年7月にイークラウド株式会社を創業、代表取締役に就任。

 

 イークラウド株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

株式投資型クラウドファンディングプラットフォーム「イークラウド」の企画と開発を通じ、一般投資家へはこれまで限定的だったベンチャー投資に関する情報と機会を提供し、起業家へは銀行・VC・エンジェル投資家など以外の新たな資金調達の手段を提供しています。

 

株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」とは、どんなサービスなのでしょうか?

ベンチャー起業や中小企業に代表される非上場企業の資金調達の新しい選択肢として、最大1億円を複数の個人投資家から出資を募ることができるプラットフォームです。サービスを通じ、ベンチャー投資・エンジェル投資の民主化を支援しています。

 

ー 購入型でもない、寄付型でもない、”株式投資型”のクラウドファンディングとは一体何なのでしょうか?

株式投資型のクラウドファンディングとは、2015年に金融商品取引法改正によって解禁され、実現が可能になった仕組みです。これにより、企業は一年間に最大1億円の資金調達が可能となり、個人投資家は非上場企業に対して、一社あたり50万円以下の出資が出来る様になりました。日本では、この仕組みを使って、年間100社ほどの企業が資金調達をしています(2021年10月時点)。イークラウドを利用する企業の平均的な調達額としては、約3,500万円です。

 

株式投資型のクラウドファンディングを利用する企業側のメリット・デメリットについても教えて下さい。

まずメリットとしては、株式を活用した資金調達(エクイティ)になりますので【返済が不要】です。その他、【調達期間が一般的な手段と比較して早いこと】や、個人投資家からの調達なのでファンドの満期もありません。3,000万前後を調達した場合、新たに生まれる株主がおおよそ200人程度増えるのですが、1人当たりの出資額も限度がある為、大株主が生まれない。つまり、【経営の自由度もキープしながら資金調達が出来る】といったメリットなどもあります。

 

逆に懸念されるのは、株主が増えることで発生する管理コストですね。新たな株主が数百人増えるので、会社としてもより健全な経営・対応が求められる様にはなってきます。

 

ー 確かに。株主とコミュニケーションを図るIR部門がないベンチャー企業にとって、そこの管理コストはデメリットでもありそうですね。それに対して、御社がサポートしていることはあるのでしょうか?

はい。増えた株主を、うまく事業の成長に活用してもらうサポートもサービス内では用意しています。大きくは2つのサポートをしていまして、1つ目はイベントやコミュニティづくりなどフィジカルを伴う場・活動のサポート。そして、2つ目は株主向けに発生してくるコミュニケーションを円滑に行える様なツールの紹介・提供。約200人の株主と、手間を増やさずにうまくコミュニケーションが取れる仕組みづくりも一緒にサポートしています。

 

 未来のユニコーンに個人でも投資が出来る。”世界”で広がる株式投資型のクラウドファンディング

ー 「株式投資型のクラウドファンディング」は、日本独自な仕組みなのでしょうか?

いえ。海外でもクラウドファンディングの新しいカタチとして注目を集めてきています。

イギリスを例にとれば、年間500億円のベンチャー投資が株式投資型クラウドファンディングを通じて行われるなど、急速な成長を遂げています。その中には、ユニコーンと呼ばれる時価総額1,000億円を超える企業が出る等、未来のユニコーン企業に個人が投資をするといった機会が、株式投資型のクラウドファンディングによって創出されています。投資をした先からユニコーンが生まれ、成功事例のリリースと共に少しずつ仕組みの認知が拡がってきているのが、今現在の世界の状況ですね。

 

ー 投資家の目線になれば、スタートアップへの投資自体はリスクも大きいと思いますが、その辺りサービスとしてはどの様に説明・対応しているのでしょう。

仰る通り、ベンチャー投資は0になる可能性もあれば、何百倍になる可能性もある、ハイリスク・ハイリターンな投資です。そのリスクはサービスとしても充分に説明した上で、個人投資家になるには弊社規定の基準額を満たすかどうかの資産確認を実施するなど、サービス上でも一定の線引きをさせて頂いております。

 

合わせて、調達を行う各企業の募集ページにも、きちんと「企業のリスク」と題して、企業の財務諸表・今後の市況環境を含めた投資上のリスクを弊社の専門審査部が分析した結果として記載しています。最終的に投資をしたいか?の判断を、ポジティブな情報とネガティブをはらんだ情報を記載した上で、投資家の皆さまには決定してもらっています。

 

ー なるほど。

 

 これまでの経歴から現在に至るまでのお話

ー 起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?

大学生の時から持っていたと思います。新卒でサイバーエージェントを選んだのも、「ITで起業したい」「世の中に新しいモノを生み出したい」という想いがあり、それがどこかのタイミングで実現出来ればいいと思っていました。

 

ー そこから、どう起業にむけて動いていったのでしょうか?

サイバーエージェントで修行をする中で、ベンチャーキャピタルや投資という世界があることも知り、事業の立ち上げだけではなく、投資の経験を積んだ方が起業前のステップとしていい経験が積めるかもと思い、起業前の5-6年間はベンチャーキャピタルに在籍していました。

 

イークラウドは、「ITプラットフォーム」としての側面もあれば、「投資」という側面もあり、正に私がキャリアで経験してきたものが点と点で繋がったサービスです。ITと投資の両方を経験したからこそ、自分の強みも発揮出来ますし、今後資金調達の新たな手法としての拡大も見えたので、この分野で起業することを決めました。

 

 今後について

ー 中長期的な展開について、お教え下さい。

企業の資金調達ニーズを銀行やVCと取り合うのではなく、チャレンジしたい企業が資金を調達する選択肢を増やし、より多くのチャレンジャーが日本から生まれてくる構図をつくっていきたいと考えています。その為に、まずはイークラウドを通じたベンチャー企業の資金調達の”数”をとにかく増やしていきます。

 

日本のベンチャー投資は年間5,000億円の規模ですが、個人が持つ金融資産の総額は2,000兆円と言われています。これのたった0.1%がベンチャー投資に流れてくるだけでも、市場は大きく変化します。目指したい世界観としては、新しいことにチャレンジしたいプレイヤーに豊富な資金調達手段と成長マネーが日本で循環していく様な経済圏をつくっていきたいと考えています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

既に会社や事業を立ち上げていて、新しい資金調達方法探している方がいれば、是非イークラウドにご相談ください。今後の法改正によっては、より大きな調達も株式投資型のクラウドファンディングで可能になってきますので、今後もこの分野に注目を頂ければと思います。

 

ー 国内のベンチャー投資の市場と共に、株式投資型クラウドファンディングの分野の今後にも注目ですね!本日は有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

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