個人の利用だけでなく、企業のプロモーション&マーケティングツールとしても外せない存在になっているInstagram。「今後、Instagramを通じてモノ買う流れは、サービスの機能的なアップデート含め一気に加速していく」と、今回取材をした起業家 富田氏は話す。累計フォロワー300万人のグロースを手がけ、自社で200万フォロワー超のIGアカウントを運用するメディアマーケティングのプロフェッショナル(株)ハピラフについて、お話を伺いました。
プロフィール(株式会社ハピラフ 代表取締役CEO 富田竜介)
2016年マイクロアドに新卒入社。営業として、オンライン広告のコンサルおよび広告運用に従事。その後、単品通販D2Cのベンチャーのマーケティング部に転職しマーケティング活動全般に従事。その後フィットネスのスタートアップにジョインしマーケティング事業部の立上げ、拡大に貢献。 自社Instagramアカウントは10ヶ月で10万フォロワーを増やした。その後2019年5月ブライダルスタートアップにジョインし、マーケティング、PR、営業と幅広く活動後、転職。クックパッドの新規事業のマーケターとして幅広く活動し、2021年1月から完全独立。運営する【#これからマーケ】ではTwitterの世界のトレンドワードランキングに挙がる注目度を持つ。
株式会社ハピラフについて
ー 事業内容について、教えて下さい。
株式会社ハピラフでは、現在4つの事業を展開しています。
1.メディア事業・・・Instagramの運用アカウントは100超・累計フォロワーは300万人を超える実績を持つ他、TikTokやYouTubeといったチャネルも含め、複数の運用実績も保有
2.マーケティングコンサル/運用代行事業・・・自社でのメディア運用実績を元にした企業のSNS・メディア運用代行事業
3.D2C事業・・・自社で運用しているアカウントに関連したオリジナル商品の企画と開発
4.新規事業・・・現在、実店舗の立ち上げなど新しい事業を計画中
ー toC向けのサービスを展開する企業にとってはプロモーション・マーケティングの一貫として、SNS特にInstagramの活用は欠かせない存在となっていますが、改めて、なぜInstagramに注力すべきなのでしょうか?
今Instagramに力を入れるべき理由は、大きくこの2つに集約されます。
・購買に直結する、かつ、今後の成長も期待できるプラットフォームな為
・投資対効果が一番高い
最近では、若年層を中心にTikTokが拡がっていますが、まだ役割的には「認知」の文脈が強く、それに対してInstagramは「購買」まで直結しやすいです。サービスのアルゴリズムも、発見に特化をし、興味あるモノだけを見れる様な設計になっており、「欲しい!」と思ったものをそのままショッピング機能からシームレスに購入出来る導線など機能も充実しています。広告の効果測定指標における、CVR(コンバージョンレート)も実際かなり高い割合にあると思います。
ー 今後もこの流れは、変わらないのでしょうか?
むしろ、より購買に繋がるサービスへと進化を図っていくでしょう。
既に、米国では「チェックアウト機能」が試験的に実装されています。現在の、【商品タグから別ページへリンク→リンク先から商品購入】といった流れから、【ボタンをタップ→商品の色やサイズなどを選択→そのまま(インスタ内で)購入決済】へ進むことが可能になっています。
氏名・商品の届け先・クレジットカード等の決済情報の入力もInstagram上で行うことができ、リンク先の商品ページを作成する必要がないため、より流動的な商品掲載・販売が実現可能になってきます。米国での試験実績では、CVRが7倍に上がったなどの報告も上がっており、日本でも機能が実装されることは、ほぼ間違いないとみていいでしょう。
参考記事:Instagramのショッピングが進化!チェックアウト機能とは?
その他にも、現在は単語のみの検索になっていますが、今後は複数ワード(ex..コスメ 男性)で検索がかけられる様になるなど、購買にまつわるあらゆる機能がより充実していくことが分かっています。
ー なるほど。むしろ、より一層この流れが加速していくんですね。
キャリア形成は、”平均点”を狙うな。富田氏の考える起業について
ー 起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?
大学生から「起業したい」と考える様にはなっていて、社会人になるときには「25歳で起業をする」と明確に決め、そこから逆算してキャリアを考えていました。
ー その時は、どんな事業をやっていく等は決めていたんでしょうか?
いや、一切決めていないですね。元々学生時代に、資生堂の美容部員を経験していたこともあって、「いつか化粧品をつくりたい」とは思っていて、その時から何かしらモノを作っていくことは考えていました。
ー 富田さんのプロフィールを拝見して、25歳で起業をするまでに複数社を渡り歩き、起業までのキャリアを形成されていますが、こちらは富田さん自身、意図して転職を重ねていったのでしょうか?
はい、根底にあるのは「マーケターとして何でも出来る様になっていきたい」、「商品やサービスを使って、ユーザーの生活を豊かにしていきたい」という2つの軸を持って、会社やキャリアを選択してきました。
ー これから「起業」を目指す人たちに向けて、アドバイスになることがあれば是非教えてください。
あくまでも私個人の考えですが、まず学生時代の起業には反対派です。
理由の一つとして、やはり「社会人としてあらゆる立場の人の気持ちが分かるか、分からないか」というのは非常に大事です。一緒に仕事を進める上でも、自分の会社に仲間を増やすという意味でも、【会社でちゃんと働いたことがある】という経験は必ず役に立ってきます。社会人としてのイロハ、組織・外部での立ち振る舞いなど、知っている・知らないの些細なことで、失礼な事をしてしまう学生起業家の方を見ていて感じることもあるので、そこまで焦らずともいいのかな、というのは私の一意見です。むしろ、それを知った上でやりたい事を進めるのが、実現に向けた最短距離になのでは?とも、改めて感じます。
ー なるほど。社会人経験の大切さをうたう中で、起業前のキャリアの考え方や、スキルの身につけ方などについても感じていることあれば教えて下さい。
必ず一つは、誰にも負けない武器が必要だと感じています。
自分の場合は、それを「セールス(営業力)」だと思っていますが、それが「マーケティング」でも「(事業に対しての)想い」でも何でもいいんです。起業家を目指すのであれば、平均点を目指すのではなく、どこか一点に尖っているスキルを身につける方が正解だと思います。自分の至らない点や足りないスキルは、出来るメンバーに補ってもらえばいいので。
今後について
ー 中長期的な展開について、お教え下さい。
既に自社製品は作っているとはいえ、形態としてはOEMを取っているので、将来的には自社で抱えているアカウントに関連するフォロワーやカテゴリーに対して、リアル店舗での展開や自社で工場をもったオリジナル商品の製造を考えています。それ以外にも、良いプロダクトを持っていても、PRや発信に課題を持っている国内の隠れた企業との事業提携など、メディア運用で培ったマーケティング力を活かした展開を多方面で考えていきたいと思います。
ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。
「ハピラフサロン」というマーケティングを体系的に学べるオンラインサロンを運営しております。Instagramのグロースのさせ方やTikTokの伸ばし方、それ以外にも、社内に公認会計士もいるのでフリーランス向けの確定申告のやり方など学べるサロンを運営しています。興味のある方がいれば、是非こちらもチェックしてください!
ー 御社の実績を元にしたノウハウを体系的に学べるのはいいですね!とても気になります。本日は有難うございました。
こちらこそ、ありがとうございます。