こんにちは。行政書士の塩野豪です。
年末の今の時期、新年度(4月)からの新卒者の受け入れなどで忙しくされている採用担当者の方も多いと思います。
この時期に多いご質問が、「内定者の中に“外国人留学生”がいるのですが、手続ってどうすればいいですか?」というものです。
初めて外国人を雇用する場合には、日本人と違う手続を取らなければいけないことがいくつかあるので、余裕をもった行動を心がけましょう。
外国人留学生の就労ビザ
今回は、その手続の中でも外国人留学生の「就労ビザ」について見ていきます。
※就労ビザとは俗称で、正式には在留資格と言いますが、わかりやすくするため今回はそう記載させていただきます。
外国人留学生の手続きポイントって?
1つ目のポイントは、入社予定日までに、外国人留学生のビザを、就労が可能な「就労ビザ」に変更しておかなければならないことです。入社予定日までに許可がおりなければ、いくら内定を出していても、許可がおりるまでは社員として働かせることはできません。
2つ目のポイントは、就労ビザの種類についてです。(どの就労ビザに変更するか)
面接などの際にすでに確認済だとは思いますが、大前提として就労ビザの許可をとるには、”外国人留学生の大学等での専攻分野”と”行ってもらう業務内容”との関連性が必要になってきます。
例えば経済学部の学生の場合、マーケティングや企画などの仕事に就くことはできますが、エンジニアなどの技術系の仕事には就くことはできないので、配属先について配慮が必要です。(この場合、「技術・人文知識・国際業務」で申請します)
1 入社予定日までにビザの変更許可がもらえるように申請を行う。
2 大学等の専攻分野と業務内容とに関連性をもたせる。
上記2点はしっかりと事前確認しておくようにしてください。
必要書類ってなに?
申請する就労ビザの種類や会社の規模によって提出書類が異なってきますので、今回は一般的に必要な書類をご紹介します。
1 在留資格変更申請書(<href=”http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-2-1.html” target=”_blank”>法務局のHP
よりダウンロードが可能です)2 卒業証明書または卒業見込証明書
3 会社の登記事項証明書
4 定款のコピー
5 業務内容がわかるもの(会社概要など)
6 直近年度の貸借対照表・損益計算書のコピー
7 前年度の法定調書合計表のコピー(受付印があるもの)
8 雇用契約書
9 申請理由書(絶対ではないですが、あれば審査官によりアピールができます)
上場企業の場合は上記より提出書類が減り、逆に新設の会社などは提出資料が増えます。また審査は個別具体的に行われますので、それぞれに合った追加書類を求められる場合もあります。
いつ手続きをすればいいの?
3月末卒業見込み・4月入社予定の留学生に関しては、4ヶ月前から申請が可能です。(12月1日より留学生の在留資格変更の申請受付けが開始されています。)
※通常の変更を含む申請は3ヶ月前からとなります。
外国人留学生の変更申請に関しては、申請をして1ヶ月~2ヶ月程度で結果が出ます。しかし、入国管理局は1月~5月まで非常に混雑しますので、入社予定日などから逆算して余裕をもって申請することをおすすめします。
おわりに
「大学等の専攻と業務内容とに関連性があること」については判断が難しい場合が多いですので、事前に入国管理局などに確認するとよいと思います。
また申請中は、外国人留学生本人が日本にいることが条件となってきます。
卒業前などに母国に帰ることを予定している外国人留学生の方も多いですので、事前にヒアリングしておくようにしてくださいね。