AIを活用したITシステムの構築をワンストップで提供する、株式会社pluszero。AI開発に特化したITベンダーかと思いきや、独自技術で次のAIトレンドにおけるリーディングカンパニーを目指す。現在では売上高の約20%を研究開発費に充てるなど「次のAI市場でGAFAに挑む」という代表 小代氏の視座はとてつもなく高い。自らも起業家でありながら、これまで30名以上の起業家を育成・輩出してきた立場でもある同氏の起業ストーリー、そして自身が大事にする「良質な目標」についてお話を伺いました。
プロフィール(株式会社pluszero 代表取締役会長 小代義行氏)
1971年兵庫県生まれ。東京大学工学部卒業後、IT、AI、遺伝子医療、次世代教育、システムトレードなど、最先端技術を生かした事業立上げに従事する。
1995年(23歳) NTT DATA 入社
2000年(28歳) Microsoft 入社 最年少シニアコンサルタントに就任(当時)
2001年(29歳) INSPiRE 入社
2003年(31歳) 株式会社ユニーク 起業 次世代リーダー養成に取り組む
2020年(48歳) 株式会社pluszero(プラスゼロ) 代表取締役に就任
株式会社pluszeroについて
ー 事業内容について、教えて下さい。
数学・統計・AI技術を通じ、企業の製品サービスが持つ価値の最大化を目的とした会社です。企業の課題発見から、AI開発〜保守までを一括で提供しています。
社名のpluszeroには、数学史における飛躍的な発展のきっかけになった「0」の存在と、現代における「0」を我々が開発・発見したいという想いを込めています。
ー AIに特化したITベンダーの様なイメージでしょうか?
今現在のビジネスモデルや会社の立ち位置としては、そうなっておりますが、特徴としては大きく4つあります。
1.通常のAI・ITベンダーよりも広い工程に対応
2.単純な受託だけでなく、顧客との共同事業開発にも対応可能
3.意味理解AI「AEI」の開発を通じて、既存のAI技術では解決の難しい課題に取り組む
4.今後伸びる「自然言語処理」系に注力
まず一つ目ですが、弊社では企業の戦略から、それを現場に落とし込む技術までをメンバーがワンストップで提供出来る為、他社と比べより広い工程に対応することが可能です。競合大手であれば、戦略はAさん、技術はBさんと、同じ会社でもそれぞれ別々に担当者をつけるところを、弊社リーダークラスの人材は、戦略(経営)も技術も理解し、一気通貫で会話が出来るメンバーとなっております。
そういった人材がプロジェクトをリード出来ることが、二つ目の共同事業の開発にも繋がるのですが、経営課題を理解し、それを実現できる手段(技術)を出せる人材である為、単純な受託開発に終わらない提案が出来ることも合わせた強みです。
三つ目の意味理解AI「AEI」の開発については、言葉自体は造語になっており、人間同様に本質的な言葉の意味を理解するAI、Artificial Elastic Intelligenceを指します。現在特許も出願準備中ですが、既存AI技術では難しい処理にもより深いレベルで対応が出来るAIで企業の課題に取り組んでいます。
最後に、今後AIの主戦場になってくると言われている「自然言語処理」の領域にも着手をしており、売上の20%を研究開発に投下するなど、次の技術展開に向けても積極的な投資をしています。
ー なるほど。御社のホームページも拝見しましたが、若く・優秀な方々がメンバーとして多く揃っている印象も受けました。
インターンを含めた弊社メンバーの多くは、将来的には経営者を志している者や、AI技術者として早くから突出したいという想いを持ったメンバーが多く、その優秀さは対外的な評価・実績としても出ています。
私個人の育成方針としても、世界のイノベーションをリードしている人材を常に意識はしています。GAFAや世界のトップリーダーを見ていて分かる様に、これからの時代は技術力を備えて、経営を理解できる人材が世界のイノベーションをリードしていくでしょう。そういった人材を輩出できる会社にもなっていきたいと考えていますし、少しずつではありますが、そういった人材に選ばれる会社になりつつもあると自負しています。
「自分は、こうなりたい」という志向は”利己的”であっても、それを実現するには”利他的”でないといけない。
ー 起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?
現在49歳になりますが、起業について考え始めたのは、社会人2-3年目くらいのタイミングでした。その時はエンジニアとして業界最大手の会社にいましたが、最初に思ったのは「専門崇拝」だなと感じたんです。
ー 専門崇拝とは、どういう意味でしょう?
これ自体は会社のことを指しているのではなく、「会社に属する」ということ自体を指しています。
簡単に言うと、ITの会社はITでしかソリューションを提供せず、マーケの会社はマーケティングの観点でしかソリューションを提供しないという、自分たちの専門領域の中でしかモノゴトを考えられないことに問題意識を持ったんです。
現場でも「この会社、システム開発に予算を投下するのではなく、新商品開発をした方がいいんじゃないか?」そう思うことが増えていきました。元々は、ITで世界を変える!くらいの志でキャリアをスタートさせましたが、その時から(エンジニアだけでキャリアを形成していくのは違うのでは?)と考える様になりました。
ー 会社に属していると「このままでいいのか?」「これで合っているのか?」と考えるタイミングは少なからず持つことがあると思いますが、その時、どうやってその感情を整理・解決していったのでしょう?
徹底的な自己分析と、人に会ったり、本を読んだり、あらゆる角度から情報を集めました。
その結果、私は”フェアで知的なゲームが好き”ということに気がつき、世の中で最もそれをやっている人物が経営者だという結論に至りました。
それと、もっと当時の青くさい部分をお話しすると「歴史に名を残したい」と思っていました。今はそんな想いも薄れちゃいましたが(笑)それを成そうとした時に、多くの人の為になったり、役に立つことが同時に必要だとも気づきました。
ー 確かに。人を救うとか役に立つとは、そういうことですよね。
仰る通り。「自分は、こうなりたい」という志向自体は利己的であっても、それを実現するには利他的でないといけないんです。
起業にしても自分の人生にしても、【良質な目標】が大事。
ー 自分の思考や悩みが整理されてからの小代さんは、どう起業に向けて動いていったのでしょうか?
24-25歳の時に「世界で活躍するグローバルリーダーを100人輩出する」というやりたい事を先に決め、それと同時に未来の年齢別目標も定めました。
〜27歳:世界一の会社に転職して、専門性を身につける
〜35歳:起業
〜40歳:他社から経営者としてのオファーを貰う人材になる
〜50歳:時価総額一兆円の企業をつくる
〜60歳:日本の一人当たりGDPを世界No.1にする
実際、27歳の時に当時時価総額で世界一のMicrosoftに転職しまして、31歳で初めての起業。37歳の時にはVCの子会社の経営を依頼されたんで、50歳までの目標達成はpluszeroにかかっています(笑)
ー 着実に達成されていますね、すごいです!
中二病が大人になっても抜けていない青くさい目標であったと自負はしていますが、我ながら決めてみるもんだなと(笑)
私自身もまだ道半ばの存在ではありますが、これから起業や何かチャレンジをしたいと考えている人に言えることは、起業にしても自分の人生にしても、【良質な目標】が大事だなと思っているんです。
ー 「良質な目標」?興味深いお話です、もう少し詳しく教えてください。
良質な目標の設定で、自分の人生や組織の経営戦略が変わるって実際にあることだと感じます。抽象的な表現なので、もう少し具体化すると、私独自のフレームワークとしてやっているのは【SCENE】の視点で全体バランスを見ることです。ここで言うSCENEとは、下記のそれぞれの頭文字を取っています。
S・・シェアホルダー(share holder)
C・・カスタマー(customer)
E・・エンプロイー(employee)
N・・ネイション(nation)
E・・エブリワン(everyone)
意思決定をする際は、この5人を思い浮かべて、それぞれにバランスが取れているのか?を常に考えています。いかに色々なステークホルダーのことを思いながら、良質な目標を設定するかに集約されると感じています。
ちなみに、pluszeroは私のグローバルリーダー養成塾で講師をしていたメンバーが立ち上げた会社に誘われて、現在代表取締役をしています。卒業メンバーがつくった会社にジョイン出来る、しかも代表取締役まで任せてもらえるなんて、起業家冥利に尽きます。そこから輩出した経営者も計30名を超えました。
やはり良質な目標を設定するって大事ですね!
ー なるほど!全てに納得です。
今後について
ー 中長期的な展開についてお教え下さい。
これからの会社の成長戦略について、4段階のフェーズを見込んでいます。1段階目は、現在やっている受託開発でベースの売上をつくる、2段目で自社サービスのリリース、そこで得たキャッシュで研究開発、最終的にはそれらの特許を持つ、世界に名を成す企業になっていきたいと思っています。
我々はAI領域でGAFAに挑んでいるという認識で日々研究開発を行っていますので、必ず次のAI主戦場で世界をリード出来る企業になっていきます。今現在お話出来る構想としては、仮想アバターやロボットが商談をこなしてくれる「仮想人材派遣」や、相手に合わせてAIが情報を言い換える「パーソナライズ要約」などといったAIを開発中で、その実現を下支えするコアな技術については、既に特許の申請にも動いております。
ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。
志ある方の力を伸ばす、最高の環境を提供出来る自負があります。世界で通用する人材を目指す方や技術の領域で起業を目指す方がいれば、是非一緒に働きませんか?次のAI領域の主戦場で、日本からGAFAに挑みましょう。
ー 力強いお言葉です!是非興味のある方は、pluszero社にご連絡を。本日は有り難うございました。
ありがとうございます。