「在留外国人を取り巻く日本社会をITの力で、少しでも暮らしやすい商圏を」日本語教育機関向けオンライン学習プラットフォーム「Saola」株式会社Saola 上尾透眞氏【起業インタビュー156回目】|起業サプリジャーナル

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「在留外国人を取り巻く日本社会をITの力で、少しでも暮らしやすい商圏を」日本語教育機関向けオンライン学習プラットフォーム「Saola」株式会社Saola 上尾透眞氏【起業インタビュー156回目】

公開日:2021.02.05

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「アジアのユニコーン」の呼び名を持つ、幻の動物から名前をとって生まれたSaola(サオラ)は、新型コロナウィルスによって、ICT化を急ピッチで求められる日本語教育の現場に特化したSaaSを提供するスタートアップである。「在留外国人を取り巻く日本社会の未整備な課題を入り口である、教育現場から解決していく」と話す起業家、上尾氏にお話を伺いました。

 

 プロフィール(株式会社Saola CEO 上尾透眞氏)

1998年4月生まれ。立教大学 経営学部在学中。高校時代から4年間日高屋(飲食店)でアルバイトをはじめ東南アジアの多くの人々と共に仕事をする。NPO法人UMINARIにてHead of Business Developmentを務め、国連環境計画の受託事業を担当するなどソーシャルイノベーションに関わる。前職 Deloitte Tohmatsu Venture Supportでは主にベンチャー企業と大企業の協業を生み出す支援を行う。

 

 株式会社Saola(サオラ)について

ー 事業内容について、教えて下さい。

日本語教育機関向けオンライン学習プラットフォーム「Saola(サオラ)」の企画と開発をしております。

 

日本語教育機関向けオンライン学習プラットフォーム「Saola(サオラ)」とは、どんなサービスなのでしょうか?

Saolaは、日本語学校や日本語を教える教育機関向けのSaaSとなっておりまして、

 

・業務効率化によるコスト削減

・施設の生徒受け入れキャパシティの拡大

 

の2点に寄与することで、日本語教育機関の運営・売上拡大までを支援します。サービスの機能としては、現場の学習計画〜オンライン授業〜テスト〜生徒のモチベーション管理までを一括で管理することを可能にしており、また現在では新型コロナウィルスの影響もあって、オンラインとリアル(対面)を使い分けながらカリキュラムの設計を求められている現場にも対応できる様になっています。

 

サービスの特徴についてもお教え下さい。

特徴としては、大きく3つございます。

 

どんな課題にもソリューションがあります

・生徒一人ひとりのモチベーション管理までサポート

・直感的な操作方法

 

一つ目は、「学習者情報」「学習計画・授業」「出欠情報」「解答/採点」「成績」「学習者のモチベーション」の情報を一元管理することで、2~3クリックで欲しい情報にアクセスできるようにし、教師の皆様の負担とコストを大幅に軽減します。また、フルオンライン、オンラインと対面を組み合わせた授業設計を可能にします。

 

そして、二つ目の「モチベーション管理」ですが、日々の振り返りから〜月次までオンラインで回答できるサーベイを実施し、生徒ひとりひとりのモチベーションの推移を可視化します。非常事態宣言下で、対面での学習者のサポートが困難となる中、Saolaを導入することで、生徒個人の学習モチベーションと精神衛生状態(学習満足度、人間関係満足度、生活満足度)が定量的に把握できるようになり、学習環境の維持が可能になります。教育版のモチベーションクラウドを想像して頂くと分かりやすいかもしれません。

 

 

最後の「直感的な操作方法」については、様々な国籍の生徒が集まる教育現場だからこそ、年齢・国籍問わず誰でも簡単に操作できるスムーズなユーザーインターフェースを心がけており、直感的に操作できるようなUIになっています。

 

 対面教育からオンラインへの転換。急ピッチで進められる現場のICT化。

ー サービスの対象となるのは、日本国内にある日本語学校なのでしょうか?

現状ユーザーの多くはそうなっていますが、私たちは海外にある日本語学校からフリーで日本語を教えている日本語教師までを対象に見ています。現在国内には、2,100を超える日本語教育機関が存在していますが、海外にはその10倍の数の教育機関が存在すると言われています。また、2019年から新設された特定技能の外国人を支援する、登録支援機関は全国に約7000社あり、同上のサービスに加えオンラインで日本語学習が行えるコンテンツも提供しております。

 

ー 実際に今現在、在留外国人と日本語教育現場で起きている課題などもあれば教えて下さい。

やはり新型コロナウィルスの影響で、対面からオンライン化への対応を急ピッチで進めなければいけないというのが現場の最重要課題になっているかと思います。元々、他業種に比べて現場のITリテラシーや、ICT化が遅れていたこともあり、良くも悪くも強制的にその水準を上げていかなければいけないフェーズになりました。

 

 「変えていくには、その入り口から」Saolaが目指す在留外国人を取り巻く、日本社会の課題について。

起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?

当初は全く起業する気はありませんでした。というか、自分が起業をするということを想像もしていませんでしたし、そこにいく自信がありませんでした。むしろ、こういうことを事業としてやっている会社があれば入りたいくらいに思っていました。ただ、今の日本にこういったことをやっている会社がないので、「自分でやろう」という決断に至ったのが経緯ですね。

 

ー なるほど。サービスの構想自体は、どの様にして生まれたのでしょうか?

私は高校生からずっと全国チェーンの飲食店でアルバイトをしていました。業態柄、在留外国人も多く、そんな彼らと話す機会も多かったのですが、彼らの日本に来た理由の多くは「日本で働きたい」という内容でした。ただ、実情としては半数以上の方は、何かしらの理由で帰国を余儀なくされています。しかし、日本社会全体を見れば、国内市場と労働人口は縮小しており、海外展開と海外人材の受け入れが今後必須になってくるのは目に見えているのにも関わらず、現実ではそうなっていないことにすごく違和感を覚えました。「この状況を変えていくには、何から始めたらいいんだ?」というのが最初の着想でした。

 

ー そこから、どうして日本語学校をはじめとする教育現場に向いたのでしょう?

「変えていくには、その入り口からだ」と思ったからです。

“日本語を学ぶ”という入り口と、学習者の一人ひとりのIDから抑えていくことで、その後の“就職”や”居住”に関わることにサービスを拡大していけると考えたからです。なので、Saolaの最終的な事業展開には、【外国人の働き口の斡旋】や、在留外国人にも正当な与信をあたえる【ソーシャルレンディング】といったことも考えていたりします。

 

 今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

今のSaolaで提供していることのポイントは、「業務の管理」と「オンライン化の支援」の二点ですが、今後は、顧客管理と財務管理まで提供範囲を拡大したいと思っています。

 

その後の最終的なビジョンとしては、在留外国人を取り巻く日本社会を、ITの力で少しでも過ごしやすく・日本っていいな!と思ってもらえる環境づくりに寄与していけたらと思っています。その為に、まずは教育現場を入り口としましたが、今後は、就職支援〜不動産〜ソーシャルレンディングなど日本に来る外国人にとって必要となる分野にも着手し商圏を築いていこうと考えています!

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

4月は入学のシーズンでもあり、日本語教育機関も同様にまた新しい外国人生徒を受け入れる時期になるかと思います。この記事を読んでくださっている方々の中に、今の学習管理に課題を持っている日本語教育機関の方々がいれば、是非ご相談を頂けたらと思います。

 

ー その準備も実際に始まっているタイミングでしょうね!現場に関係のある方がいれば、是非Saolaに連絡頂けたらと思います。今日は有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございます!

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