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結婚式の数だけ世の中が幸せになる。IT × ウェディングで結婚式をアップデートする株式会社リクシィ 安藤正樹氏【起業インタビュー113回目】

公開日:2019.07.30

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【IT × ウェディング】で業界内で次々と新しいチャレンジをしかけていく(株)リクシイ。その背景には、同社代表取締役 安藤氏の「自分がやらないと、この産業が良くならない」という決意の強さが現れている。旧態依然な業界をテクノロジーによって、アップデートしていく起業家のお話を伺いました!

 

プロフィール(株式会社リクシィ 代表取締役社長 安藤正樹氏)

2003年京都大学法学部卒業。2001年より創業メンバーとして参画している株式会社ドリコム(インターネット関連事業) で、営業担当取締役として、新規事業の立上げ、事業拡大、営業部門のマネジメント全般を担当し、東証マザーズ上場に貢献する。 2009年4月、株式会社エスクリ(ブライダル事業) に入社し、東証マザーズ上場を経験後、結婚式場の責任者、マーケティング部門の責任者を経て、取締役事業本部長に就任し、東証一部指定替に貢献する。その後、常務取締役として事業部門を管掌し、結婚式場30施設、内製部門、新規事業、HRを統括し、売上262億円/ 社員数1023名の規模(連結)へと成長させた。2016年5月、株式会社リクシィを創業。

 

株式会社リクシィについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

 

株式会社リクシイは、REAL × ITから社名を取っており、リアルなサービス業において遅れがちなテクノロジーをかけ合わせ、業界をアップデートしていく事業を展開しています。具体的には、ウェディング業界に特化した4つの事業を展開しています。

・結婚式場のコンサルティング事業

・ウェディング業界向けの人材紹介事業

・元プランナーがプランニング(要件定義)からする対面型の式場紹介「gensen wedding(ゲンセンウェディング)

・業界初のオンライン結婚式準備サービス「チュールウエディング(Choole)

現在は、個人向けの事業(gensen wedding・チュールウエディング)に力を入れ、事業を拡大しています。

 

ー オンライン結婚式準備サービス「チュールウエディング(Choole)」とは、どんなサービスなのでしょうか?

Chooleは、結婚式を検討するカップルが、Chooleで結婚式場を予約すると、ドレスやフラワー、ヘアメイク、フォトグラファー、ビデオグラファーなどを自由に選べるようになるサービスです。クリエイターには式場を通さないで依頼が出来る為、間で発生する中間フィーが発生せず、通常より安くクリエイターの方々に依頼が出来るという点も特徴となっています。

 

ー 通常は各式場でも用意している部分かと思いますが、実際にカスタマイズをしたいというニーズはあるのでしょうか?

 

仰るとおり。結婚式の多くは会場で決まったドレス・フラワー・ヘアメイク等のクリエイターから選んで下さい、となるのがほとんどですが、いざ式の準備を進めていくと、ドレスも装飾も拘りだす方が大多数というのが、結婚式あるあるとなっています。

そうすると、初めは式場のドレスで充分だろうと思っていた方も、いざ試着をすると気に入ったドレスがなく、結果持ち込みとなってしまい、プラス数十万円の追加費用が発生、といったケースは意外と多いです。

チュールウエディングを使えば、はじめから会場以外のドレスを選ぶことが出来ますし、サービスで紹介してないユーザー自身で見つけたドレスも組合せることも可能になる、というルールや制約に縛られることのない、自由に組合せた結婚式が出来るようになります。

 

ー 結婚式場からすれば、これまで中間手数料で利益をあげていた部分が持ち込みによって無くなる、という点では難色を示す会場もいそうですね・・

 

勿論、持ち込むことに難色を示す式場がいるのも事実ですが、想像以上に好意的だという所感をもっています。

現時点では、約150の式場がチュールウエディングに参画をしてくれていますが、特徴として、参画をしてくれているどの会場もユーザーの指向性の変化にはとても敏感になっており、そういった部分にも柔軟に対応していかないと、他の式場との競争に負けてしまうという危機感を持っている会場が多いですね。

とくにInstagramが広まってからは、ユーザーの情報収集能力が圧倒的に上がったので、会場も「それは出来ません」の一点張りは通用しなくなっているのも背景としてあるかと思います。

 

ー 「カスタマイズ」が出来る点は、ユーザーにとってのメリットの側面もあれば、「全てを自分で決めるのは面倒」というデメリットにもなりそうですね。

 

そうですね。全てを選びたい!という志向のユーザーは、全体数から見れば、まだまだ少数なのが現状です。現時点では、「ドレスだけ持ち込み」や「ドレスとフラワーメイクだけ」といったパートごとのカスタマイズを希望をされる方がほとんどです。

「拘りたいけど、どのクリエイターに頼んでいいか分からない」というユーザーには、LINEの無料個別相談も行っており、スクリーンショットを送ってもらえれば、弊社オンラインコンシェルジュから希望に沿った組み合わせの提案をしたりもしています。

全てを自由に出来る結婚式という点より、チュールウエディングを使うことで【制約なく、自分のしたい結婚式が実現できる】という側面をユーザーには一番メリットに感じて頂けている点でしょうか。

 

ー 現時点で競合に当たる会社などはいらっしゃるのでしょうか?

 

チュールウエディングに関して言えば、競合に当たる会社はいないですね。

 

ー 他社が出来ない理由はどんなところにあるのでしょう?

 

結婚式 × カスタマイズという、サービスの構造自体は正直そんなに目新しい構造ではなく、正直に言えば、業界の中でも「ついに、そういうサービスが出来たのね」程度の反応です(笑)

ただ、実際これらをやろうとする時、当然ながらネットの知見が必要な点と、オペレートをする側の理解、つまり、業界の知見の2つが必要となってきます。そういった、ネット × ウェディングの知見を持つプレーヤーがまだまだ少ないという点では、私のこれまでのバックグラウンドを含め、弊社が先にそれを実現出来た理由でもあります。

 

 自分がやらないと、業界が良くならない。東証一部上場企業の役員からスタートアップの立ち上げをした経緯

ー  「起業したい」と意識しはじめたのは、いつ頃からなのでしょう?

 

2016年5月にリクシイを立ち上げたのですが、その4ヶ月くらい前です。

 

ー  計画的というより、思い立つような起業の仕方だったんですね。

 

前職は、株式会社エスクリでブライダル事業を7年間やっていました。

その当時から、“結婚式をしない人が増えている”という状況には危機感を持っていて、「これを変えるには、インターネットとウェディングの両方が分かる人がやらなければいけない」とは感じていました。ただ現実として、それを分かるプレイヤーがいないことも把握していたので、勝手に『自分がやらないと、この業界が良くならない』という使命感を持っていたんです。

それを会社の中でやろうとすると、業界の構造的には、シェアの奪い合い、つまり結婚式を挙げるお客さんの取り合いなので、「エスクリがやるなら、大手A社は参画しません」みたいな構造が起きがちなこともあり、プラットフォーマーとして業界を良くする立場にはなりにくいと感じました。

そういった状況もある中で、それでも組織の中でやるのか、自ら立ち上げてやるのかを考えた時に、後者の方が早いと思い、2016年1月に退職と起業を決意しました。

 

ー  それまでに、ご自身で積み重ねてきたキャリアや立場を捨てることの不安や恐さは無かったですか?

 

それは、全くなかったですね。

自分にしか出来ないことで世の中に貢献したい、という想いは元々持っていたのもあって、起業をするにあたっては、【使命感を持って、やる決意をしていたこと】と【やろうとしていることも鮮明だった】ので、(これだったら出来るだろう)という自信は少なからずありました。勿論、一瞬の経営ミスが命取りになるということは理解していましたし、今でも、思ったより時間がかかっているとか、無駄なお金使い過ぎたとか、、ミスっていることは山ほどあるんですけど(笑)

それ以上に『自分がやらないと、この業界が良くならない』と思った時に、それを

・やらずして死ぬのか?

・やろうとして死ぬのか?

でいうと、後者の方が人生振り返ったときに後悔がないな、と思いました。

正直、自分自身もあんまりコレ以外にやりたいこともないって感じですかね(笑)

 

ウェディング業界を、もっとオルタナティブ(多様化)な世界にしていきたい。

ー  業界を良くしたいと思われる背景に、現時点で業界が抱えている「負」の部分があると思うのですが、それって具体的にはどんな部分なのでしょう?

 

まず、業界の中でリーディングカンパニーが不在なんです。

トップでも4%といわれるシェアの為、基本的に業界の構造はどんぐりの背比べの様な状況になっています。その為、お客さんの取り合いが生じ、同業の横の繋がりも生まれず、ノウハウがシェアされない、それによってクローズドな業界になっている点があげられます。

業界自体も、人口増加のボーナスと共に市場が大きくなってきた業界なので、イノベーションを起こさずとも時代背景と共に拡大をしてきた環境的な要因が、結果的に【やっていることが20年間変わらない】という状況にも繋がってきてしまっているんです。

 

ー  ああ、なるほど。

 

その状況下で直接ユーザーに働きかけているのがリクルートさんだと思うんです。

ただ、従来の「皆んなで盛大に結婚式をやろう!」という働きかけにもユーザーの意識の変化が起きていて、「いや、自分で誕生日会とか開けないタイプなんで、結婚式はちょっと・・」という人も一定数いる中で、マーケティングリーダーが提唱する結婚式の在り方以外にも、違った結婚式の在り方を提案する存在も不在になっていると。

 

ー  とても分かります。私は、結婚式とか恥ずかしくて開けないタイプです(笑)

 

個人的には、そこをもっとオルタナティブ(多様化)にしたいと思っています。

そう思っているユーザーが少しでもいるなら、そうじゃないウェディングの在り方を見せていくことをgensen weddingやチュールウエディングというサービスを通じて、体現していきたいですね。

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

 

まずは、gensen weddingとチュールウエディングで業界シェアの10%を取っていきたいと考えています。もう一方で、これまで結婚式をしてこなかった人たちが【結婚式をする様になる】という意識の変化に訴求することは、すごくやりたい事として考えています。

結婚式をやらない理由の一つに、妊娠をしてタイミングを失ったということが挙げられるのですが、それを逆手に取って「子どもが生まれたキッカケでやる結婚式」という魅せ方にして式を挙げてもおもしろいと思いますし、アンケートを取れば、結婚式をやらなかったことで後悔している人が、全体の半分以上いるという結果も出ています。

結婚式の市場は、現時点で1.4兆円の市場ですが、やらなかった人たちがやることで追加1兆円増えることが試算としても出ているんです。自分は【結婚式の数だけ世の中が幸せになる】と思っているので、それがなんとなく減っている状態というのは、幸せを感じる時間が減っている同義なのかなと感じています。ただ、結婚式をしない人たちが思っていることも分かるので、それを取り除くことで少しでも結婚式自体を増やしていきたいと思っています。

 

ー 最後に記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えてください。

 

結婚式はこういうものだ、というイメージはそれぞれお持ちだと思いますが、決してそれに囚われることはなく、皆さんがやりたい希望を叶えられる結婚式があります。

「結婚式もアップデートされているんだ!」ということを、弊社のサービスを使って体感して欲しいと思っています。なので、結婚するときは是非gensen weddingかチュールウエディングを使ってみてください。

 

ー ピンポイントですね(笑)是非、結婚を考えている方がいれば、gensen weddingかチュールウエディングを使ってください!今日は有難うございました。

 

ありがとうございます。

 

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