「デジタルの力で感動の機会損失をなくしたい」好きなアーティストのライブ情報を見逃さないアプリ「Freax」株式会社Spectra 露木修斗氏【起業インタビュー108回目】|起業サプリジャーナル

  1. 起業サプリジャーナル TOP
  2. 「デジタルの力で感動の機会損失をなくしたい」好きなアーティストのライブ情報を見逃さないアプリ「Freax」株式会社Spectra 露木修斗氏【起業インタビュー108回目】

「デジタルの力で感動の機会損失をなくしたい」好きなアーティストのライブ情報を見逃さないアプリ「Freax」株式会社Spectra 露木修斗氏【起業インタビュー108回目】

公開日:2019.06.26

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

CDは、違法ダウンロードや違法アプリの登場により売れなくなったというのは紛れも無い事実だろう。それにより、アーティストを始め、音楽に関わる人たちには大きなマイナスインパクトがあったハズだ。しかし、ストリーミングをはじめとするデジタル時代のサービスにより市場全体は復調を始めた。そんな中、情報爆発時代において音楽業界全体の底上げを考える株式会社Spectraにとって、今回紹介をするサービス「Freax(フリークス)」は始まりでしかない。『デジタルの力で感動の機会損失をなくしたい』と想いを語る起業家 露木氏にお話を伺いました。

 

プロフィール(株式会社Spectra 取締役 露木修斗氏)

1994年生まれ。中央大学卒。高校在学時、自身のバンド活動に加えてCD/MVの制作やライブイベンターとしての活動を開始。その後、Gunosyをはじめとする複数のIT企業でインターンを経験。2016年にはTechouseの執行役員に就任し、JEEKの事業責任者や新規事業の立ち上げなどに従事。2018年3月に株式会社Spectraを共同創業し、取締役に就任。

 

株式会社Spectraについて

ー事業内容について、教えて下さい。

 

好きなアーティストのライブ情報を見逃さない「Freax(フリークス)」というサービスの企画・開発・運営をしています。

 

ー「Freax」とはどんなサービスなのでしょうか?

 

好きなアーティストのライブを見逃したくない人のための音楽アプリとして、大きく3つの機能によってそれを実現しています。

1.Apple Music / Spotifyと連携して、気になっているアーティストを即座にフォロー

2.フォローしたアーティストのライブ・フェス情報をプッシュ通知でお知らせ

3.ライブ情報やチケット情報を一覧で確認できる

 

ーFreaxは、どんなユーザーを対象にしたサービスなのでしょうか?

 

現時点では、音楽が好きで、現在進行形でライブ会場によく足を運んでいる人たちを想定しています。将来的には、「音楽が好きだがライブに行かないような人」にもこのサービスを使ってもらえるようにしていければと考えています。また、リリースした際に要望があったように、音楽の枠にとどまらずお笑いや舞台といった音楽以外のエンタメ領域にも対応を拡げていければなと思います。

 

ー個人的な話をすれば、お気に入りアーティストが複数いるとライブ情報が追えなくなるので、アプリで一見して確認出来るのは嬉しいです!サービスのビジネスモデルとしては、ここからチケットを購入した時の手数料を販売先から貰う形なのでしょうか?

 

現時点では、手数料等の販売利益は一切頂いていません。勿論サービスとして、「収益を生む」ということは当然考えているのですが、まずは【アーティストと(アーティストに紐づく)ファンの方たちが使いたいと思うサービス】を目指して、開発と機能改善に注力をしている段階です。

 

ーサービスの収益化は、もう少し先に見ているんですね。実際、普段LIVEのチケットを買うチケットサイトにも”アーティスを登録しておく”機能はありますよね?そことの差異や競合優位性をどんなところに持たせているのでしょうか?

 

Freaxが”アーティストのライブ情報を集約する立場”という点が、チケットサイトやライブ情報サイトとの差別化になります。通常チケットサイトであれば、自社で販売する以外の情報は載せていないですし、ライブ情報サイトで載っているチケット情報も販売してるチャネルの一部を掲載していたりします。Freaxでは、それらの情報を全方位的に掲載している【網羅性】と、スマホに最適化された【UI】や【UX】といったアプリ自体の使いやすさで差別化を図っています。

ただ私たちの大前提としてあるのは、音楽やエンターテイメント領域は競合とは捉えていないということです。主にエンタメ以外のサービスを競合意識として持っていて、”情報を集約している”という観点では、情報アグリケーションサイトのGunosyやSmartNewsを見ていますし、”エンターテイメントの消費活動をもっと実生活に近づけていきたい”という想い的な部分では、「衣」でいうとWEARやLIPS、「食」でいう食べログやRettyなどが広義でいう競合なのかなと。現在、音楽やエンタメ消費から離れている人たちの別消費を喚起しているサービスを競合として見ています。

 

起業をする半年前まで、起業をしたいとは思ってもいなかった。

ー「起業」自体は、いつから意識をしていたのでしょうか?

 

2018年の3月に株式会社Spectraを共同創業者の浅香と立ち上げているのですが、会社を設立する半年前までは「起業をしよう」なんて考えてもいませんでした。

 

ー何か、きっかけがあったのでしょうか?

 

 明確にターニングポイントとなった日があるのですが、当時イベントの取材で、昔から仲がよかった同世代の起業家に会う機会がありました。元々起業をしていたのは知っていたことだったのですが、彼ら・彼女らが挑戦し続けている姿を見ていて、「大学生の頃からインターンをして、スタートアップの界隈には長くいるけど、自分は彼らほどチャレンジをしていない」と感じたんです。

その日は、起業をしよう!とまではいかなったですが、「今のまま働くのは辞めよう」と動き出した日になりました。

丁度そのタイミングで、前に所属させていただいていた会社からは「子会社の社長をやってみないか?」という大変ありがたい提案などをいただいたのですが、最終的には学生時代にインターンをしていたnana music社の代表である文原さんから「露木くんは、起業しないの?もしやりたいことがあるなら応援するよ」と声をかけて頂いたことで、『挑戦することを応援してくれる人がいるなら、自分もリスクを取ってやってみよう』決意が出来ました。

また、小中学校時代の仲が良かった先輩が芸能界を引退して、新しい挑戦をするというのを聞いたことも、改めて「挑戦をしなければ!」と背中を押された出来事になりましたね。

 

ー学生時代からインターンをするなど、早くから”働くこと”への意識を高く持っていたのかと思いますが、その時は「起業」まで意識はされてなかったんですね。

 

今振り返ると、友人を含めた周りの環境が大きかったと思います。中学校の同級生や先輩が、有名なアイドルグループに所属していたり、部活やクラブチーム時代の先輩達がプロのアスリートになっていたり、自分のやりたいことを突き詰めて、夢を叶えていく人たちと一緒にいたせいか、自分自身も「やりたいことは、とことんやってみる」という思考になっていた部分はあります。また、夢を叶えていく友人たちを真近で見ていて、自分は「この人たちを支えられる側になりたい」って思ったんです。その時から、支える為には自分も同じくらいやらないと、と意識を持つ様になっていましたね。

 

ーなるほど。Spectraは共同創業で設立されたとのことですが、創業者とは、どのタイミングで知り合うのでしょうか?

 

実は、僕と浅香は高校時代の軽音部の先輩・後輩の関係なんです(笑)

学生時代のインターン先に僕が先にいて、そこに誘ったことで高校卒業後も関わりを持つきっかけにもなりました。彼はその会社のインターンを卒業した後、新卒でメルカリに入社し、最終的には子会社で新規事業のプロダクトマネージャーをしていました。

同じくらいの時期に彼も自身のキャリアに向き合っていたタイミングがあり、「自分は起業家の人たちに比べて人生でリスクテイクをできているのか」という想いを抱えていたんです。そこから、2~3ヶ月くらいの間、自分が浅香に声をかけ続け、一緒に会社をやることが決まりました。

 

「最初は、40-50くらいのサービス案を考えた」「自分たちが思っている時間軸の半年は遅れている」サービス立ち上げの経緯と起業の苦労を語る。

 

ーFreaxを想いついた経緯についても教えて下さい。

 

最初は、40-50くらいサービス案を考えていたんです。自分は、それを人材やメディアの領域を中心に出していて、共同代表者である浅香は、彼自身のバックグラウンドからtoC向けやファッションといった領域でアイデアを出していた中で、お互いの関心分野として揃うのが「エンタメ」だったんです。

 

ーなるほど、そこからFreaxがスタートしたんですね!

 

いや、それもまたちょっと時間がかかっていて(笑)実は現在に至るまでに、3つほど他のサービスやっていました。どれも、そこそこのサービスだったんですが、長期的なスケールを考えた時に疑問が残る部分もありました。会社を辞めるリスクを取って、資金調達までしているのだから、やはり大きくスケールするサービスを目指すべきなのでは?という議論を共同代表の浅香とも重ねて、今のFreaxに舵を切ったんです。

「エンタメ領域での情報流通経路最適化」というテーマは一貫して進めていて、過去のサービスもFreaxを作る礎にはなっているのですが、それを検証と呼ぶには時間がかかりすぎていて、自分たちとしてはなかなかうまくいかない時間が長かったなと感じています。

 

ー実際に起業をしてみた感想として、苦労している部分や想像と違った部分はありますか?

 

各会社によって前提が違うので一概に言えることではないのですが、シンプルに「選択」と「集中」を仕切れていなかったなと感じています。大きくは2つ反省点がありまして、1つ目は起業直後すぐにサービスを立ち上げることに時間をかけすぎてしまったこと、2つ目は他の人に依頼できることを全部自分達でやろうとしてしまったこと。

どちらも、「人からの資金を預かって起業しているからムダ遣いできない」という思いからくる焦りが悪い方向に作用してしまった結果なのですが、今振り返ってもこれは大きな反省ですね。

 

ーなるほど。3つあったサービスを一つに絞ったことも、ある意味「選択」と「集中」ですよね。

 

まさにそうですね。あとは、一つに絞るという「覚悟」も必要になりますかね。経営的な観点では、一つに絞るってリスクが高いじゃないですか?でも、一つに絞らないと最短距離でスケールするサービスは作りづらいというジレンマの中で、意思決定をしていく最後の「覚悟」の重要性も、改めて感じています。

 

今後について

ー中長期的な展開についてお教え下さい

 

サービスに関する機能的な話をすれば、今後は「アーティストに関わる情報を網羅的に得られる」機能の実装を考えており、TV・ラジオ、ライブレポート、インタビュー記事といった各媒体に散見しているアーティストの情報を、Freaxに集約出来る様にして、ライブチケット以外の情報も見逃さないサービスにしていきます。

もっと大きな全体像的な話をすれば、僕らは大前提として、アーティストをとても大事にしています。アーティストの届けたい情報がしっかりユーザーに届く状態をつくり、それによってファンが使ってくれる・使いやすいサービスになっていくことを目指しています。そして、それをアーティストを始め、ライブハウスやマネジメント会社、イベンターといった、音楽業界全体に絡むプレイヤーたち全員を巻き込み、一緒にサービスをつくっていきたいと思っているんです。

 

ー業界の中で、一人勝ちをするといった考えはお持ちでないんですね。

 

そうですね。全てはアーティストとファンの皆様になればと考えているので、自分たちの利益を最大化するとか一人勝ちする等ではないかな、と。アーティストや制作活動に関わる方の作業が少しでもデジタル化によって減ったり、ファンの皆さんが情報を見逃して、がっかりするような経験を減らしたりしていきたいと考えています。

僕ら自身もエンターテイメントがとても好きですし、これからの時代も拡大し続けるのは人が作った手触り感のある感動体験だと思うので、そこに少しでも寄与していきたいです。

 

ー最後に記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えてください。

 

現在、Freaxの開発を進めていただける仲間を探していますが、採用だけに関わらず、音楽やエンタメ業界の未来について、一緒に考えてくださる方がいればいつでもお伺いさせていただきますのでご連絡くださると嬉しいです。

「実は同じようなサービス考えていました」とか「マネジメント事務所で、デジタル化に課題を持っています」とか、お互い手助け出来る部分は支え合っていければと思っているので、少しでも引っかかるものがあれば是非連絡を頂けたら幸いです。

 

ー是非!沢山の連絡がくることを祈っております。これからも頑張ってください!今日は有難うございました。

 

ありがとうございました。

 

 

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

人気の記事

最新記事

カテゴリー

タグ