『家具は購入するもの』と、何となくそんなイメージを持ってはいないでしょうか?それ故に、良い家具が欲しいけど手が出にくかったり、(部屋に合わなかったどうしよう・・)と買えずに悩んだことある人は意外と多いのではないでしょうか。そんな時に使って欲しいサービスが今回紹介する「airRoom」。1ヶ月単位で家具のレンタルが出来るプラットフォームとして、(あったら良かった!)を実現し、これから【家具レンタル】という、新しい市場を切り開く起業家にお話を伺いました。
プロフィール(株式会社Elaly 代表取締役 大藪雅徳氏)
1995年生まれ。法政大学中退。dely株式会社、株式会社FiNCなどでインターンを経験。2018年5月、株式会社Elalyを設立。「テクノロジーで世界中の人々のライフスタイルを、より良いものに」というVISIONのもと、家具・インテリアのサブスクリプションサービス「airRoom」を運営。
株式会社Elalyについて
> 会社と事業の内容について教えて下さい。
株式会社Elalyでは【テクノロジーで世界中の人々のライフスタイルを、より良いものに】というビジョンを掲げており、それを体現する最初の一歩として、
家具のシェアリングプラットフォーム「airRoom」の開発と運営をしています。
Elaly(エラリー)という社名自体は、eliminate the gap(格差を無くす)とleadership(主導者)を掛けあわせた造語となっています。
> 家具のシェアリングプラットフォーム「airRoom」とは、どんなサービスなのでしょうか?
airRoomは、1ヶ月単位で好きな家具を月額500円から利用出来るシェアリングサービスです。
ユーザーは、引越しや単身赴任・模様替えといったニーズに対して、必要な家具を一点から利用することが出来、これによって、家具を購入・処分するといった従来のスタイルだけでなく、必要な期間のみ家具を利用するという、新しい住まいのあり方を実現できます。
> レンタル出来る家具は、どうしているのでしょうか?
airRoomでレンタル出来る家具は、中小の家具メーカーと提携を組んでおり、そこから供給されています。
ちなみに、「家具メーカーで知っているブランドを挙げて下さい」と言われたら、どこが思い浮かびますか?
> うーん・・大塚◯具とかIK◯A、ニ◯リ辺りですかね。
有名なメーカーだと、そうですよね。
でも実際に、国内を見渡すと実は家具メーカーって、それ以外にも数千と存在しているんです。
ただ現実は、先ほど挙げた様な企業が市場の大半を占めており、国内の中小家具メーカーは、直近10年で全体の半分(50%)が倒産しているという現実があるんです。
> え、それは結構な数字ですね!
どういうことかと言うと、大手との価格競争に負けて、単純に売れてないんですよね。
質や耐久性の高い家具を作る反面、価格が上がってしまう中小メーカーの家具と、ユーザーである20~30代のライフスタイルや嗜好のミスマッチが起きていて、そこが合わなくなってしまっている、といった現状が起きているのが今の家具業界です。
airRoomでは、そういった中小メーカーが遊休資産として持っている質の高い家具(在庫商品)を、エンドユーザーがのぞむライフスタイルに合う様なカタチで再度提案をしています。
> なるほど。これ実際に提携をしてくれる家具メーカーの反応はどうなんでしょう?「売って貰わないと困るよ!」みたいな反応も起こりそうですが・・
メーカー側も、従来の買い切り型のビジネスモデルではユーザーを継続的に掴んでいけないといった危惧をしているので、そういった意味でもサブスクリプションで継続的に関係を持てるairRoomの様な取り組みは重宝して頂いているのが現状です。
加えて、1ヶ月単位で利用出来るairRoomは、家具レンタルを利用したいユーザーにとって1番試しやすいプラットフォームとなっている現状から、季節によって家具を変えるユーザーや、ライフスタイルの変化からセレクトする家具を変更するユーザーデータが細かく取得可能になり、メーカーとしても、それを次の商品企画に活かせるといったメリットも提供することが出来ています。
> 実際に「レンタルした家具を買いたい!」とユーザーが希望した場合は、売値からレンタルした月分の値段が差し引かれて購入出来るのでしょうか?
そうですね。家具をネットで買うと失敗した時のリスクが大きいですが、airRoomでは、レンタル後に購入できる仕組みがある為、お試し利用をしてから家具の購入検討が可能になります。
つまり、ユーザーは失敗のリスクなく、自分の嗜好に合ったベストな家具を見つける事が出来ます。
> それはユーザーにとっても嬉しいですね!
「家具レンタル」という新しい市場を切り開く。airRoomの取り組み
> 「家具レンタル」という言葉や市場自体は、国内や海外ではどれくらいの認知をされているのでしょうか?
海外では、割と一般的になりつつあります。特に、インドやアメリカといった地域では広く知れ渡っています。文化的な違いも大きいと思いますが、アメリカの一家庭が生涯で引っ越す回数は平均で15回とも言われており、そういったライフスタイルに合わせるのに家具レンタルは、とてもニーズを満たしているものとなっているのが海外での現状です。
国内では、市場自体も500億円程度と、「家具レンタル」という言葉の認知と比例して、まだまだといった状況でがありますが、TwitterやFacebookといった情報の流動性の高まりと共にユーザー側のライフスタイルの変化が確実に起きています。
> 市場自体は伸びているのでしょうか?
勿論です。
加えて、我々は家具のレンタル市場だけを見ているのではなく、家具の小売市場が持つ1.3兆円と、そこからのEC化率3%という、アパレルや他の小売に比べて低い(※)この水準が業界の伸び代だと感じており、こちらの市場にもリーチ出来るような取り組みも今後は考えています。
※アパレル業界のEC化率は、11.4%と言われている。
参照データ:【2018年版】国内EC市場のEC化率|BtoCとBtoBをプロが徹底解説!
> 「家具レンタル」という言葉や認知が一般的でない中で、ユーザーはどうやって御社を知るのでしょう?
既に、家具レンタルという言葉を知っている方は、そのまま検索から弊社にたどりついていますが、そもそもそういった言葉すら知らない方に向けては、Instagramを使ってairRoomを使うことで可能になる世界観の共有やリーチをしています。
> 実際にサービスを利用するユーザーには、どんなメリットがあるのでしょうか?
現在、引っ越しや新生活といったタイミングで家具を一式揃えるとなると、平均で約15万円がかかるといった計算が出ています。
それがairRoomを使えば、24ヶ月間の利用で約12万円になり、それを月々支払っていくという形になりますので、イニシャルでかかるコストを抑えつつ、トータルでも安く家具が使えるといったメリットを提供出来ています。
合わせて、気に入らなかった家具であれば、他のモノへと変更も可能なので、(買ったけど失敗してしまった)ということは一切起こりません。現在、一人暮らしをしている方のほとんどが契約更新をせずに、2年ごとに引っ越しをしているという現状を見れば、そのタイミングでairRoomを使って暮らしを変えていく・アップデートしてことは、経済的にも負荷が少なくなります。
「お金による不自由を解決したい」と感じた思春期の原体験が起業の原点。
> 大藪さんはまだ23歳と年齢的にはかなりお若いですが、「起業をしたい」といった志向はいつからお持ちだったのでしょうか?
高校生の時から持っていました。
> ・・それもまた早いですね。
実際は、学業に専念できる状況ではなかったんです。
> どういったことでしょう?
私の家庭は金銭的な余裕が無く、学業に専念できる状況ではなかったんです。
そんな家庭環境だったこともあり、【お金がないことによる不自由】を数多く経験してきました。高校に通っていなかったのも、自分自身で食べていく為にお金を稼ぐことに時間を使っていたからです。
「お金がないことによる不自由を解決したい」これが起業を志した最初の原点でした。
> なるほど。そんな背景があったんですね。
当時は経済的に裕福な家庭だったとは言えず、
私と同様な境遇にある家庭は、今でも日本に5-6人に1人の割合で存在しています。
かつ、それはグローバルで見てもそういった家庭は増えている現状なので、単純に最初はそういったお金によって生まれている課題を「解決したい」と考えていました。
> その手法が、なぜ「起業」に向いたのでしょう?
そこから、(じゃあ、どう解決するのか?)となった時、一番重要だと感じたのは【影響力を身につけること】だと考えたんです。当時は、影響力があれば、人からお金を集めるとか何でも出来るって思っていたんです。
そこから影響力ある人って、どんな人のことだろう・・と考えてみた時に大きく3つのカテゴリーに分かれたんですね。
> 高校生ながらキレッキレな思考ですね(笑)続けて下さい。
1つは、タレント・芸能人。2つ目は、政治家。そして最後が、起業家の3つです。
その中で、自分が解決したい「お金による不自由」を最速で解決出来る手法を考えた時に、最適解だったのが起業家だったんです。
タレント・芸能人は、容姿など自分自身でハンドリング出来ないものによって影響されることが大きいし、政治家になるには、努力すればなれないこともないが、一定数の年数がかかってしまう。
であれば、一番早いのは起業家ですし、当時リブセンスの村上太一さんの書籍を読んでいた影響もあって、将来的に起業をすることを決意しました。
> (すげえ・・)サービス自体の構想は、いつから持っていたのでしょう?
airRoomまでは絞っていないですが、モノのシェアリングにしようと考えたのは、大学1年生の時です。
当時知り合いの起業家に会う為、イーストベンチャーズというVCのオフィスに遊びに行ったのですが、そこには沢山のスタートアップと起業家がいて、今でこそ有名になっているサービスの構想を横で話していたんです。そういった話を隣で聞きながら、なんとなくですけど(モノのシェアリングってこれから来るんだろうな・・)って思い始めた時から、構想としては持っていました。
今後について
> 中長期的な展開についてお教え下さい。
5年後の2023年の上場を考えて、現在は組織と事業を大きくしていく計画を立てています。
今年は、airRoomに注力しつつも、次のサービスのローンチについても動いていき、年内中に新しいサービスをローンチする予定です。そして『テクノロジーで世界中の人々のライフスタイルを、より良いものに』というビジョンの実現に向けて、徐々に事業を多角化しつつ、社会的公器として受け入れてもらえる事業を作っていきたいと考えています。
> 最後に記事内でお伝えしたいPR事項などもあれば教えてください。
採用は、エンジニア・文系職種を問わず、全方位積極的にやっています。
これから関西支社を始めとする全国の拠点の立ち上げを通じ、サービスを大きくしたり、新しいプロダクトを作る事に面白みを感じてくれる方がいれば、是非ご連絡下さい!
> これからの展開が楽しみですね!今日はありがとうございました。
ありがとうございます。