ここ数年で「パーソナルジム」という、会員がトレーナーとマンツーマンでトレーニングをこなす形態のジムが流行っている。“結果にコミットする”のうたい文句で一躍有名になった施設をはじめ、短期間で確実に痩せたい層に向けて効果的である、パーソナルジムが近年急速に立ち上がってきている。一方その弊害として、選ぶ側は(どこが本当に自分に合うジムなのか?)と迷ってしまう。そんな時に役に立つのが今回取材をした株式会社Limeのサービス「YASE LABO」だ!大手ヘルステックベンチャーを経て、自らもトレーナー経験を持つ、若手起業家にお話を伺いました。
プロフィール(株式会社Lime 代表取締役CEO 斉藤隼生氏)
1991年生まれ。大学在学中に人材事業で起業。世の中を変えるサービスを創るべく新卒でヘルステックベンチャーFiNCに入社。ダイエットサービスの運営とパーソナルトレーナーとして2,000名以上のボディメイクに携わるお客様の指導に悩みに向き合う。FiNCでは、10→150名を越える組織の拡大を経験し、過去最高のトップセールスも記録。その後、株式会社Limeを設立。
受賞歴:ベストブレインウェルネスアワード2017 準優勝
株式会社Limeについて
> 事業内容について教えて下さい。
はい、弊社ではパーソナルジムに特化したメディアの運営と、2店舗のパーソナルジムを運営しています。
・「YASE LABO」・・日本最大級のフィットネスメディア
・「YASE LABO PRO」・・フィットネスの求人・養成検索サイト
・「LIMEパーソナルジム 」・・神楽坂・渋谷に店舗を構えるパーソナルジム
> 日本最大級のフィットネスメディア「YASE LABO」とは、どんなメディアなのでしょうか?
「YASE LABO」は、パーソナルジムを探す人にとって、自分に合った最適なジムを見つけるためのフィットネスメディアです。2019年のトレンドワードでは「筋トレ」が一位に上がるなど、昨今フィットネスに対する意識が老若男女問わず急上昇してきています(出典元:博報堂 2019年の景況感や行動意欲などに関する意識調査データ)
そんな中でこれまでの大型フィットネスクラブでなく、トレーナーとマンツーマン指導で効率的に筋肉をつける・痩せられるパーソナルジムへの注目も高まってきています。そんな中で「どのジムが自分に合っているのか?」悩んでいるユーザーにとって、最適なパーソナルジムの検索が出来るメディアがYASE LABOになります。
イメージとしては、フィットネス版の食べログやホットペッパーを想像して頂くと分かりやすいかもしれません。
> なるほど!メディアとしては、どの様なビジネスモデルを取っているのでしょう?
YASE LABO経由で入会した時にジム側からフィーを支払い頂く、成果報酬のモデルを取っています。
> サービスとしての競合優位性は、どんなところにあるのでしょうか?
パーソナルトレーニングはここ数年で新たに出来た市場なので、プレイヤーも多くないのですが
が・・会社としての強みは4つです
①代表である自分自身がパーソナルトレーナーであり、業界のことを熟知している点
②メディアだけでなく、ジムの経営も自社で行っている為、メディア(オンライン)とジム(オフライン)でのユーザーニーズが弊社では取れている点
③メディアとしてパーソナルトレーナー発のコンテンツ配信ができ、技術に頼った一時的なSEOでなく、ユーザーに実情から利益あるコンテンツを制作できる点
④メディアYASELABOと求人・養成サイトYASELABO Proがシナジーを生み出している点
※Limeで経営するジムの写真
> Webだけでなく、リアル店舗でも運営に関するノウハウやユーザーの声が集められるのは確かにプラスですね!現在、パーソナルジムはどの様な層に利用されているのでしょうか?
まず前提としてですが、パーソナルジムの特徴は、トレーナーがマンツーマンで指導するだけでなく、食事管理や日々の生活にまで踏み込み、短期間(約2ヶ月程度)でリバウンドなく痩せる身体づくりをゴールにしています。
その為、通常のフィットネスジムに比べて、料金も割高となっているので、顧客層としては、【①健康意識、美意識の高い富裕層 ②(エステ・サプリなど一通り試した)痩せる為の最終手段としてパーソナルジムを選ぶ層】大きく分けては2種類のユーザー層がいます。
それまでパーソナルジムは、芸能人やモデルなど限られた層にしか利用されてこなかったものの、某パーソナルジムのTVCMなどの宣伝効果もあり、エステダイエットといった一時的なものではなく、筋力をつけて体型を維持できる筋トレダイエットが主流になりつつあるのが現在のトレンドとなっています。
社内トップセールスを記録するも成長中のベンチャーで味わった挫折
> 現在(起業)にいたるまでの経歴も教えて下さい。
実は大学の時にも一度起業をしています。その時は飲食店・カフェバーを経営しており、イベントを企画し集めた人を企業に紹介するといった人材も絡めた事業をしていました。
ただ、「世の中や世界に大きな影響を与えたい」と考えた時、事業の内容に疑問を感じたのを理由に、“インターネット”と自分がこれまで経験してきたスポーツを“フィットネス”に置き換えて「何か新しいことが出来ないか?」と考え、当時十数名の規模だった株式会社FiNCにインターンとして入社しました。
その後、同社で社員としての経験も経て、2016年に退社し、Limeを起業しています。
> 二度目の起業に踏み切った“きっかけ”は何だったのでしょう?
ポジティブな話ではないですが「挫折」です(笑)
当時のFiNCでは十数名の規模から150名になるまでのフェーズを経験する中で、自分としてやりたかった「経営する・事業をつくる」というフェーズへの参画が出来ず、組織の中で本当にやりたかったことに辿り着けないという挫折を経験しました。
であれば、もう実践して学んだ方が早いと決断をして、起業に踏み切りました。
> 起業に際して、不安なことは無かったのでしょうか?
会社の中では、パーソナルトレーナーとしてトップセールスを記録するなど、直にお客さんとも触れていく中で、ネットでは掴めないリアルな顧客ニーズを掴んでいたり、オンライン・オフラインのサービスにも携わったり、などを経験していたので、その辺りの不安は無かったです。
起業後の苦悩。立ち上げ→そして一人へ・・
> FiNC退社後は、お一人で起業されたのでしょうか?
初めは、FiNCの元同僚とエンジニアを入れた3名で起業しました。
初期はトレーナーのマッチングサイトやアプリなどを考えていたんですけど、どれも事業としてうまく立ち上げることが出来ずに、結果的にメンバーも離れていき、直ぐに一人になってしまいました。
> 当時を振り返ってみて、何が足りなかったと感じますか?
そうですね・・
経営や会社に関することも分かっていなかったですし、事業をつくる上でも、メンバーに接する上でのヒューマンスキルも含め、全てが【実力不足】だったの一言に尽きますね。
私自身がやりたいこと・創業メンバーがやりたいこと、の意見をまとめることが出来ずに衝突したりといったことも何度か経験しました。
> そこから、どのようにして現在の事業に行きついたのでしょうか。
「ITなどのテクノロジーを活用して、ヘルスケアのサービスを立ち上げたい!」という想いはFiNCに入社した当時から持っていたものの、スタートからそんな経緯もあったので、まずは自分自身が出来る範囲のことから再スタートしました。
当時は、自分でもパーソナルトレーナーとして仕事をしたり、ジムの集客支援や経営コンサルといったことをしていく中で、まずは自社でパーソナルジムを作ってから、オンライン(メディア)に展開させていきました。
> オンラインでの展開を「メディア」に絞ってスタートさせた理由は何だったのでしょう?
選択肢としては、健康管理系アプリや動画といったコンテンツが並ぶ中で、メディアからスタートさせたのは、唯一しっかり収益が上げられる事業だったことが理由です。
ヘルスケア領域全体を見ていても、まだ健康管理や動画コンテンツで収益モデルを確立出来ている会社は少なく、他社の動きを見ている中で(まだ難しいのでは?)と判断しました。
今後について
> 中長期的な展開についてお教え下さい
まずは、「YASE LABO」を軸としたポータルサイトを横に拡げていき、パーソナルジムを探す方にとって、最適な施設が探せるサイトとしての機能を拡充していきます。
ゆくゆくは、大型フィットネスクラブ、ヨガ、ストレッチまでを含めた、総合的なフィットネス領域での情報が収集出来るサイトにしたいと考えています。
もう一つのメディアである『YASE LABO PRO』で発展途上の領域である「フィットネス業界」の人材採用・養成などの支援もおこなっていき、業界の発展とそのクオリティを上げる為に会社として貢献していきます!
> 最後に記事内でお伝えしたいPR事項などもあれば教えてください。
僕たちはフィットネスを通して「全ての人の理想の自分へ」をサポートするために、今年1年でフィットネス業界No.1メディアに上り詰める必要があります。
そのため今年は攻めのファイナンスを行い、何より大事な仲間の採用を積極的に行っています。毎月数名の仲間がジョインしてますが、まだまだ志を伴にする仲間が足りないです。
エンジニア・デザイナーをはじめ全職種積極採用をしています。ご興味を持って頂いた方は、お気軽にメッセ飛ばしてください!
> これからの展開が楽しみですね!今日は有難うございました。
ありがとうございます。