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サッカー日本代表新監督就任にみるプロジェクトマネジメントのあり方

公開日:2018.08.02

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カタールW杯プロジェクトの立ち上げ

ロシアワールドカップ(以下、W杯)の余韻が残る7月26日にサッカー日本代表新監督として森保一氏が就任することが発表されました。
新監督が任期4年で就任したことで2022年カタールW杯に向けての準備が始まったことになり、カタールW杯プロジェクトが立ち上がったといえます。

プロジェクトとは、「特定の目的を達成するための期間限定の創造的な活動」のことです。カタールW杯プロジェクトでは、ロシアW杯以上の好成績をあげることが期待され、森保新監督はプロジェクトマネジメントの中核となる立場で貢献していくことになります。

プロジェクトマネジメントは、日常業務のマネジメントと異なる2つの特徴を持っています。特徴の1つはマネジメントのプロセスであり、もう1つは管理すべき対象の多さです。
日常業務のマネジメントはPDCAサイクルを回すことで進めていきます。プロジェクトマネジメントは立ち上げ、計画、実行とコントール、終結の4つのプロセスで進めていきます。
プロジェクトマネジメントのプロセスが日常業務におけるPDCAサイクルとは異なる点は、終結して役割を終えることです。終結の時点でカタールW杯の成績によって真価が問われるプロジェクトが、森保新監督就任によって立ち上がりました。

 

五輪監督兼任の意味合い

プロジェクトマネジメントにおける管理すべき対象はPMBOK(プロジェクトマネジメントの知識体系)で確認できます。日常業務のマネジメントにおける管理すべき対象はヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源ですが、プロジェクトマネジメントでは、もっと多くの要素を管理することが必要です。
PMBOKでは統合、品質、費用、時間、範囲、人的資源、コミュニケーション、調達、関係者、リスクの10個の要素を管理するノウハウがまとめられています。先の例でいうと、カタールW杯で好成績をあげるためには品質(プレーの質)、人的資源(代表メンバー)、コミュニケーション(チームワーク)などの様々な要素を適切に管理していくことが期待されます。

カタールW杯プロジェクトの立ち上げにあたり注目すべき要素は、範囲の設定です。具体的には森保新監督が東京五輪監督兼任となったことです。サッカー日本代表監督が五輪監督を兼任するのはトルシエ監督以来です。
トルシエ監督はシドニー五輪に出場した若い世代と日韓合同W杯のフル代表の両方の監督を兼任して初めてW杯での予選リーグ突破を実現しました。森保新監督には2つの世代を融合することで、W杯での初の準々決勝進出が期待されます。
この点、森保新監督は、サンフレッチェ広島の監督時にクラブ内での世代融合に実績を持っています。ベテランFWの佐藤寿人と若手FWの浅野拓磨を併用することでJリーグ屈指の得点力を発揮して、サンフレッチェ広島を優勝に導くことに成功しました。

 

中間レビューと目的の達成

プロジェクトの目的を達成するためには中間レビューが重要です。中間レビューを通じてプロジェクトの進捗状況を軌道修正することができます。
そしてプロジェクトマネジメントにおける重要な要素である品質、人的資源、コミュニケーションなどをバランス良く管理することで目的の達成に結びつきます。

森保新監督が五輪監督を兼任するため、2020年の東京五輪はカタールW杯プロジェクトの中間レビューとみなすことができます。東京五輪は地元開催であることから、多くの国民はメダル獲得を期待します。
トルシエ監督が指揮を執ったシドニー五輪ではメダルを獲得できませんでした。予選リーグを2勝1敗で終え、準々決勝に進みましたが、アメリカにPK戦で敗れました。しかし、シドニー五輪で活躍した主力選手が2年後の日韓合同W杯の中心となって、W杯で初の決勝トーナメント進出に成功しました。

カタールW杯プロジェクトにおいても、中間レビューとしての東京五輪でメダルを獲得することよりも、若い世代を成長させながら世代融合を通じて2022年のカタールW杯で準々決勝以上に進出して、プロジェクトの真の目的を達成することが期待されます。

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