10代起業家・谷口怜央氏が語る、”デイワーク”がつくる働き方革命。「世の中の働き方を変えたい」と思ったら、まず自分たちから変わる【起業インタビュー70回目】|起業サプリジャーナル

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10代起業家・谷口怜央氏が語る、”デイワーク”がつくる働き方革命。「世の中の働き方を変えたい」と思ったら、まず自分たちから変わる【起業インタビュー70回目】

公開日:2018.05.29

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時折見せる笑顔や仕草にどこかあどけなさを感じつつも、未来を語る目は真っすぐで、その言葉には太い幹の様な”芯”を感じる。本来であれば、現役大学生として学生生活を謳歌している立場にありながら、ビジネスの一線で闘う18歳の起業家がいる。そうまでして、彼が実現したい世界とは一体何なのか?お話を伺いました。

 

プロフィール(Spacelook株式会社 Founder 谷口怜央氏)

1999年愛知県生まれ。名古屋の高校を休学して単身上京。日本美食株式会社で半年間のフルコミットインターンを経て2017年6月にSpacelook株式会社を設立。1日求人アプリSpaceworkを入り口として人間の働き方を根本から変え、そして世界を変えるために起業をした。

 

Spacelook株式会社について

> 事業内容についてお教え下さい。

 

はい、カフェ/レストランなどで「1日単位で仕事ができる」デイワークアプリSpaceworkの開発/運営をしております。

アプリ内で仕事内容の確認から契約書の締結までがワンストップで出来、「働きたい」と思った瞬間、すぐに仕事を手に入れられるサービスを目指しています。いまこの瞬間に仕事を手に入れたいと思っても手に入れられるサービスはSpacework以外にありません。Spaceworkでは履歴書の準備も必要なく、面接も必要ありません。仕事における体験を最も効率よく提供しています。現在は飲食店の求人が多いですが、将来的にはあらゆる仕事に領域を拡大したいと思っています。

 

> サービスの収益モデルも教えて下さい。

店舗がスタッフに支払う給与総額の10%をサービスフィーとして店舗側から頂いています。サービスの利用を含め、それ以外の部分では一切お金は発生しません。(2018年5月時点)

※サービス利用料などもかからず、人手不足に困る飲食をはじめとするサービス業には、とてもメリットの多い利用形態となっている。

 

> 現時点では「アルバイト求人サービス」と領域が重なるかと思いますが、競合大手に対抗したユーザー集客はどの様に行なっているのでしょうか?

 

最初は、YouTuberを活用した動画マーケティングからユーザーを集めていました。実際にSpaceworkに登録してもらい、アプリで仕事を探し、働きにいって貰う過程を動画で配信して貰いました。ただ、最近はメディアへの取り上げや口コミ流入からの新規会員が徐々に増えてきていますね。

 

「見て見ぬ振りをしない社会の実現」を志した中学生が起業をするまで。

> 起業のきっかけになった出来事を教えて下さい。

 

中学2年生の時、部活動中の怪我で車椅子生活を余儀無くされた時期がありました。

その時、周囲から浴びる目や社会的弱者としての扱われ方、困っているのに見て見ぬ振りをされる世界を経験しました。その時に、自分はそっち(見て見ぬ振りをする)側にはいたくないと強く感じ、そういった社会的な問題に対して、「見て見ぬ振りをしない世界を創りたい」と思ったのがきっかけです。

 

> その原体験から、どのようにして現在に繋がるのでしょうか?

 

実現したい世界が見えたものの、自分自身が「社会で起きている問題や貧困を知らない」という事実がありました。まず、何をすればよいのか?のヒントを得る為、アフリカに行きます。そこで現地の貧困に触れ、日本に帰国するのですが、そこで一番身近な貧困であった「ホームレス」と出会います。その時に初めて「自分が世の中の問題に対して、何が出来るか?」を考えて実行しました。そこでは実際に、NPOを立ち上げたり、ホームレスの社会復帰を何十人と支援したりするのですが、同時に自分が動く範囲でしか変えられない世界にジレンマを感じていました。

そのタイミングで「世の中、全体をどう変えればよいか?」を考えた時に、最も最適だと思ったのが「影響力のあるIT」と「持続性のあるビジネス」でした。この2つが実現したい世界に対して、最もインパクトを与えるものだと思い、起業を志しました。当時、高校2年生の夏です。そこから秋には、高校を休学して都内のITベンチャーに住み込みでインターンをしながら、半年後にSpacelook(株)を立ち上げました。

 

> 現在は高校を辞められ、事業に専念されてると伺いましたが、高校生活と比較したビジネスの魅力って、どんなところにありますか?

 

自分のやりたい事をやりたい様にやれる、という部分ですかね。後は、1日単位で良いことと悪いことが同時に起きてくる、さらにその変化も激しい。昨日、良いことが沢山あってめっちゃテンション上がっていたのに、今日は悪いことが続いてめっちゃテンションが下がる、なんてことが本当に日々激しいんですよね。今週は正にそんな感じで・・(笑)

 

組織運営2.0。10代起業家がつくるこれからの組織について

Spacelook(株)の会社ホームページには「組織運営」のコンテンツがあり、組織として変更した社内制度が沢山記載されている。肩書きの廃止、給与自己申告制の導入、、10代の起業家は既存の組織をどう見ているのか?そして、どう変えていくのか?

> 会社ホームページを見ていて社内制度の変更を「組織運営」のコンテンツとして、外部に対してオープンにしている点について、とても気になりました。どんな意図があってのことなのでしょうか?

 

ここが僕たちSpacelookの一番の価値でもあると思っています。僕らは、「世の中の働き方を変えたい」「働き方から革命を起こしたい」んですよ。その為には、まず自分たちを変えていく必要があると感じています。「世の中の働き方を自由にしたい!」と考えているのに、会社がガチガチに縛られているような組織だったらおかしいですよね?

 

> たしかに!

 

ただ、僕らがつくりたい組織の形はフラットとかヒエラルキーとかの縦横構造ではなくて、自由にどちらでも選べるという取捨選択の構造にあります。組織って「こうだ!」って決め付けられたら、常にその形になってしまうと思うんです。でも、それを世の中の流れや、会社の成長だったり、成果に応じて常に変えていく必要が本来はあると思っています。事業って、常に変えていくじゃないですか?それと同じ様に組織も柔軟に変えていく必要があると感じています。既存の組織運営の課題として感じるのは、

・働き方を個人が選べる状態にないこと

・会社(組織)が柔軟に変化・対応出来ていないこと

この2つが課題だと思っています。

※同社”組織運営”のコンテンツには、これまでに導入された制度がズラリと並ぶ。

 

変化の中での組織の新陳代謝はいとわない。離職率0%は本当に良い会社なのか?

> 常に組織を変化させていくということは、「これ良かったね→継続・ダメだったね→辞めよう」みたいなやり取りも頻繁に行われているのでしょうか?

 

あります。同時に、会社の働き方を常に変えているので、それに合わなくて辞めていくメンバーも当然います。これも僕らの考えとして持っているのですが、組織から人が抜けることは決してマイナスではない、と思っています。

離職率0%って一見すると良い風に言われていますけど、それって逆に良くないことだと捉えていて、組織に新しい流れや風が入ってこない状態ってことじゃないですか?Spacelookでは、常に出入りも自由にしているので、辞めていく人もいれば、また戻ってくる人もいる。そこの入口・出口をどれだけ自由に出来るか?という柔軟性のある組織づくりを意識しています。

 

> そういった制度の改変は、代表権を持つ谷口さんが決められるのでしょうか?

 

いいえ。メンバーの中には、マーケティングやセールスといった職種があるように「オーガニゼーション」という役割を持った人間がいて、その者が常に新しい組織制度の起案を海外スタートアップや国内他社の事例から引っ張ってきて、自社にカスタマイズし、それを全員で議論してから組織に取り入れるというフローを取っています。

組織をつくることって、事業一つ立ち上げることと同じくらい大変なことだと思っています。なので、そこは僕が片手間で出来ることではないですし、そもそも得意ではないので、社内でまず実験をして、良いところも悪いところも体感して、プロダクトに落とし込んでいく、そこから世の中に伝えていく、という形を取りたいと思っています。

こういった風に話していると、上手く言っているように聞こえるんですけど、今までの組織作りは99%失敗してます。全く上手くはいってないですし、それが事業にも影響を与えていたりします。それでも、Spacelookでは「働き方革命」「世の中の働き方を変える」ためにこれに対する投資は避けるつもりはありません。

 

> 一つ制度の具体例を伺いたいのですが、「調停制度」とはどんな制度なんでしょうか?

 

当事者と揉めてる人がいたとした時に、その正否の判断を第三者に仲介してもらい・まとめてもらうといった制度です。メンバー同士が議論でぶつかったり、言い合ったりすることをあまり良しとしない会社って一定数存在すると思うんです。僕たちはそれを敢えて進めていて「常に本音で話しあう」環境をつくっています。だから、しょっちゅうですよ。見てる側も大変なんですけどね(笑)そんな、揉めてる時に特に重要なのは、相手の気持ちと組織としての立場を同時に考えることです。どっちかだけに偏ってしまってはいけないので、物凄く難しいです。

 

> 第三者としての判断には、全て谷口さんが入るのですか?

 

いいえ。ここで「師弟制度」という制度が絡んでくるのですが、僕を含めた「師」の立場にいるメンバーがその役割を担っています。師とは、僕らが採用に求めるマインドを十分に満たしているメンバーのことです。これは上下関係があるということではなく、メンバーの状態を認識するために用いています。

 

> そういった信頼おけるメンバーはどんな基準で採用されているのでしょうか?

 

採用の基準は、2つしかなくて。

・大人としての姿勢があるか?

・カルチャーにフィットするか?

この2つでしか見ていません。前者でいうと、「当たり前のことを当たり前に判断が出来るか?」ということです。僕らは自由な働き方を取っているので、その判断を個々に任せています。なので、僕の判断で最終的に決定することは一つもなく、全部個々で会社のお金を何に使うか?も決めますし、事業の方向性に関しても個々が考えを持つ。そういったことが求められる組織においては、大人としての姿勢と判断を持ち合わせている人でないと成り立たないと思っています。そういった、組織に適合出来る人か?が、カルチャーフィットにあたります。「誰かの指示を待たない」「自分で判断をする」「給料は自分で決める」といったカルチャーに、理解とそれに伴う行動が出来るか?を見ています。

 

>制度にマッチしなかったメンバーはどうなるのですか?

 

強制的にクビにするということはしないのですが、誰かが本当に(組織に)合っていないと思ったら、当事者に対して「一旦、外から(会社を)見てはどうだろうか?」と提案をします。それは辞めてくれ!という意味ではなく、先ほども話した入り口・出口の自由さの話にも通じますが、互いが本当に理解をし合った時こそ、最高のパフォーマンスを発揮出来る状況だと思うので、そのタイミングが来るまでの、ある種充電期間だと思っています。それを受け入れるかどうかは当事者次第ですね。

 

今後について

> 組織・事業の中長期的な展開についてお教え下さい。

まず、デイワークアプリ「Spacework」が目指している世界をお伝えすると、アルバイトや飲食店市場の働き方改革ではない、個人がアプリ一つで自分のスキルが可視化されて、自分に合った職場と、世の中のあらゆる仕事の中からいつでも働ける環境をつくる世界を目指しています。

これだけITが発達していても既存の求人誌には、ひたすらに言葉だけが並べられていて、どういう仕事を探しているのかも分からなければ、どういう会社なのかも分からない。そこを僕らはいかに透明性を出したサービスとして拡大出来るか?と、自分のスキルを可視化し、それらが情報として蓄積されることで、”仕事を探す場”と”仕事をする場”としてのプラットフォームを目指します。

まずは年内に、日本全国の飲食業を網羅出来るよう、対象エリアを全国に拡大していきたいと思っています。

 

> 最後に谷口さん個人として、これからどうなっていきたいか?をお聞かせ下さい。

 

僕個人の話で言えば、肩書きや立場には全く興味がないので、適した人がいればいつでも登記上の代表取締役や創業時に保有した株を渡しても良いと思っています。「上場したい」とかも全く無くて、それはあくまで手段であると思っています。ただ行動の先には、常に手段を通して「見て見ぬ振りをしない世界を創りたい」という想いがあるので、その想いに対して、どれだけ短期間でインパクトを残していけるか?というのは意識しています。

会社をつくって丁度1年が経ちますが、やっぱりイメージしていたものとは全然違っていて、半年以上イメージから遅れていますね。 最近は、蒔いたタネが3カ月後に成果として表れるといったことを感じていて、その先を行くには「半年後自分たちに何が必要になるか?」を意識しながら動いています。

 

> このタイミングでは、半年後何が必要だと感じていますか?

 

今、必要になるだろうと感じているのは「採用」ですね。事業がスケールした時に闘える規模の組織づくりを見据えています。もし、この記事を読んで頂いてSpacelookに興味がある人がいたら是非声をかけて欲しいですね。

 編集後記

取材中、10代らしい回答を期待して「モノとかお金に関する興味はあるんですか?」と質問をしてみたところ『モノにもお金にも、今は服にすら興味がありません』と谷口さん。「興味があるものは何ですか?」と食い下がると『世の中を変えることと、女性です』と取材中、初めて10代らしい部分が垣間見えて嬉しい瞬間でした!好きな女性のタイプは、仕事の話が出来るキャリアウーマンタイプの女性とのこと。編集部の総力を上げて、紹介に繋げたい次第です。

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