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働き方改革に貢献するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)

公開日:2018.05.11

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ロボティック・プロセス・オートメーションの実績とニーズ

ロボティック・プロセス・オートメーション(以下、RPAと略記)の注目度が高まっています。

RPAとは、繰り返して行うことが必要とされる定型的な事務作業を処理するソフトウェアのことです。全世界でのRPAの市場規模は昨年実績として1,700億円程度と推計されており、2021年には3倍以上の5,800億円まで成長するという予測があります。
現在、国を挙げて働き方改革に取り組もうとしている日本でも、RPAの注目度が高まっています。昨年から日本国内で事業を開始しているアメリカのオートメーションエニウェア、イギリスのユーアイパスがそこに貢献していることも見逃せません。

日本企業におけるRPAの導入実績とニーズは、日本RPA協会が中心となって実施した「RPA導入企業実態調査」(以下、実態調査と略記)で確認できます。
実態調査で導入済みと回答した企業は200社を超えています。内訳はサービス業が33%と最も多く、以下、メーカーと金融が19%、情報・通信が17%、そしてその他が12%となっています。
さらに、この実態調査から日本企業のRPA導入に関する旺盛なニーズも確認することができます。RPAに関する問い合わせを行った企業は3000社以上あり、内訳はメーカーが61%と最も多く、以下、サービス業の13%、情報・通信の10%、金融の9%と続いています。

 

働き方改革への貢献

日本の労働生産性はOECD(経済協力機構)に加盟している35カ国中21位にとどまっており、日本が働き方改革を推進するには労働生産性の向上が必要です。
RPAは単純事務作業の時間を大幅に削減することができるため、生産性向上に貢献します。実態調査から、RPAを適用したすべての業務で作業時間が短縮されていることがわかります。内訳は9割以上の削減が31%と最も多く、以下、8割削減が21%、7割削減が18%、6割削減が15%、5割削減が12%と続いており、4割以下は僅か3%です。

RPAの導入による作業時間短縮を全社的な生産性向上に結びつけようとしている企業にオリックスグループがあります。
オリックスグループは、最初にレンタカーの予約業務からRPAを導入し、その手応えに基づきグループ全体へと展開しています。
RPA導入以前は、旅行会社などからレンタカーの予約を受けると、パソコン画面やファックスを目視で確認した上で入力し直すという煩雑な手順を行っていました。RPAの導入によって、時間当たりの処理件数が8倍に増加した上にミスもなくなったとのことです。こうした導入効果を踏まえ、レンタカーの予約以外に生命保険や不動産などへ適用範囲を拡大しています。

RPAの特徴は作業時間短縮、生産性の向上により働き方改革に貢献することに加えて、導入が短期間でできることにあります。実態調査から約半数に相当する47%の企業が、業務のヒアリングから1ヶ月以内で導入していることが確認できます。

 

活用上の課題

RPAを活用して生産性の向上と働き方改革を実現するには、導入前と導入後の課題に適切に対処することが必要です。
導入前の課題は、利用部門・情報システム部門間での協力と役割分担であり、導入後の課題は適用対象業務のモニタリングです。

利用部門と情報システム部門は、RPAの導入検討を開始する段階から、相互に協力しながら役割分担を決定する必要があります。
RPAを適用する業務は利用部門が主体となって選択します。もっとも、RPAで作成したデータを基幹システムで活用できるように連携させてこそ、全社的に生産性を高めることができるわけですから、そのためには予め情報システム部門がRPA導入の意義を理解した上で、利用部門と協力することが不可欠です。

導入後の課題である適用対象業務のモニタリングとは、RPAの操作条件を設定する人員と適用対象業務を一元的に管理することです。
RPAを適用後、顧客の要望などに起因して、作業で使用しているフォーマットを変更することがあります。このような事態が発生した場合、変更にうまく対応できないために業務が混乱してしまうことが懸念されます。業務の混乱を避けるためには、RPAに業務を任せきりにすることなく、モニタリングを行うことが肝要です。

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