相続を「争族」にしない。非デジタルな領域に切り込む新しいプラットフォーム!株式会社FP-MYS工藤崇氏【起業インタビュー第62回】|起業サプリジャーナル

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相続を「争族」にしない。非デジタルな領域に切り込む新しいプラットフォーム!株式会社FP-MYS工藤崇氏【起業インタビュー第62回】

公開日:2018.02.26

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結婚や出産、お葬式など、人生の中に数多くはないが誰しもが通る出来事がある。「相続」に関しても、多くの方が遅かれ早かれ経験をする出来事なのではないだろうか?直面しない限り、その手間や複雑さは理解出来ない。それを知っているからこそ、そこに新しい価値を見出せるのだ。サービスの進化は遂に「相続」の領域まで私たちの暮らしを変えてくれる。そんな未知の領域にチャレンジする起業家のお話を伺いました。

 

プロフィール(工藤崇氏)

1982年北海道生まれ。北海学園大学法学部卒業後上京し、資格試験予備校、不動産会社、建築会社を経てFP事務所MYS(マイス)設立、代表に就任。雑誌寄稿、Webコラムを中心とした執筆活動、個人コンサルを幅広く手掛け、2016年7月法人化し「株式会社FP-MYS」を設立しました。 2009年、資格学校にて勤務をしている際、体調不良により手術、約10日間入院した際に「高額療養費制度」「医療費控除」の知識がなく、「もっと世の中のことを知らなければならない」とFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取得する。FP仲間と人脈が広がるなか、2015年7月に個人事業主として独立。2016年年初、あるFintech企業からWEBコラムの仕事を受けたことが縁で、Fintech関連業務に参画。2017年9月および12月、スタートアップとして2度の資金調達を完了。ファイナンシャルプランナー(AFP)。共働きの妻と2人暮らし。

 

株式会社FP-MYSの事業内容について

>FP-MYSの事業内容についてお教えください。

はい、相続・贈与プラットフォーム「LettePla(レタプラ)」の開発・運営をしております。

 

>相続?贈与??一体どんなサービスなのでしょうか?

一言で言えば「スマホで相続試算を行うサービス」です。

5-10年後に相続が発生しそうな人(例:高齢者、被相続人)が試算したデータを相続人である息子や娘と共有する事ができ、そのデータを持って、実際の実務を行う専門家に相談(マッチング)が出来るサービスとなっています。その他、相続に必要となってくる遺言も、音声入力でアプリケーション内に保管が出来たりと相続をする前段階の準備がこのプラットフォームの中で完結出来る様になっております。

現在、段階的な提供を開始しておりまして、様々な機能を実装していきます。

 

相続を「争族」にしない。アイデア起源はハッカソンへの出場から

 

>相続のサービスって初めて聞きました。アイデアの起源はどこからきたのでしょうか?

当時、私は経済金融メディアの連載を持っていて、その中で「親の財産を子どもが知る方法」というテーマで記事を書いた事がありました。その記事を書いていたタイミングで参加した資産運用をテーマにしたハッカソンで「オンライン遺言」というサービスを作ったのがきっかけです。丁度、仕事として執筆していた内容とハッカソンのテーマがリンクするものもあって、アイデアの起源が生まれた感じでしょうか。

それまでの私はファイナンシャルプランナー(以下:FP)の立場で記事を執筆することが多かったのですが、初めて参加したハッカソンで自身のアイデアを外に向けて出して形にする方法や、そこでの楽しさ・快感を学びました。そこから更にアイデアをブラッシュアップし、翌年(2017年)に参加した地銀主催のビジコンでは見事入賞を果たし、同年9月に1回目の資金調達をしました。

 

>初めはオンライン遺言からのスタートだったんですね。そこからプラットフォームへアイデアを転換した経緯にはどんな事があったのでしょうか?

アイデアをブラッシュアップしていく過程で「遺言」は1つのツールでしかないな、と思ったんです。相続のやり取りの中では遺言は確かに大事なのですが、その他にも資産ポートフォリオの組替えや信託関連、手続きに必要な書類など必要なものは沢山あります。そういったモノを全て含めた時に、あくまで遺言は1つのツールでしかなく、本来必要となるべきはそれを集約が出来るプラットフォームなんだ、と気づきアイデアのピボット(転換)を行いました。

 

ありそうで無かったサービスをカタチに出来た理由

※工藤氏の執筆活動の一例。

 

>このサービスにおけるFP-MYSの強みってどんなところにあるのでしょうか?

資金調達をしてからは一時期辞めた事もありますが、実は私は現在もFPとして執筆活動を続けています。ボリュームは流石に減りましたが、今も現場を肌で感じながらそれをサービスに活かしています。なのでスタートアップの経営者でありながら、現役FPでもある立場が強みですね。

 

>実際、それがどんな部分において発揮されるのでしょうか?

実際の現役FPがサービスを創っているというブランディングが中と外に与える印象って大きいんですよ。例えば、

・相続の事をよく分からないけどビジネスチャンスだと捉えている起業家

・相続の事知っているけど、現在は全く触れていない起業家

・相続の事を知りながら、今も現役で前線に立って現場を知っている起業家

こういった3人の起業家がいた時に、どちらのサービスにリアリティがあり、そこに共感が生まれるか、と言えば分かりやすいですよね。

実はこのプラットフォームには、専門家である各士業の方との連携が必須であり、そこが大きなポイントにもなるので、当然中の専門家達と同じ言葉で会話をする必要性が生まれます。「相続を考えている人たち」だけの集客ニーズでも成立しないし、「相談にのれる専門士業の集まり」だけでも成立しない、そこの間に立てるキャリアを持つ経験が今のFP-MYSの強みであり、経営者としての私の強みです。

 

>なるほど。理解しました!

 

これからのFP-MYSについて

>これからの事業展開についても教えて下さい。

今年の年末までには体制を5名まで拡大したいと考えています。LettePla(レタプラ)のサービスグロースを一緒に考え動いてくれるCOO的な役割の人材と広報、人事、営業など。フルコミットでないハーフコミット(複業的な参画)も私はウェルカムなので、もしこの記事を見て頂いて興味のある方がいたら是非、と。

 

>書いておきますね(笑)中長期的にはどんな事をお考えでしょうか?

最終的に私たちが目指すゴールは2つです。1つ目は、相続を考えはじめたらLettePla(レタプラ)を想起してもらう様な圧倒的なプラットフォームとしての認知。2つ目は、仮に被相続人が無くなった場合に発生する全てのお見送りに関するやり取りを相続人と並走して価値を提供していくサービスとしての拡大。

それを達成していく為、2022年の上場を視野にオリンピック後の相続需要に会社が対応出来る状態を目指しています。最終的には全国に支店も置きたいと思っていて、相続って土地柄によって変わってくる部分もあったりして、そういった日本ならではの相続に対して価値を提供していきたいですね。そして、2030年くらいには国内で基盤を築いたものを海外の日本人在住者が多い地域にも向けて展開します。両親が日本にいる層に対しても、価値を提供出来る様になっていきたいです。

 

取材・撮影協力:DIAGONAL RUN TOKYO

 

編集後記

工藤氏は現在都内に2拠点のオフィスを構えている。その日の仕事や打ち合わせによって、拠点を使い分けているそうだ。今後採用する社員に関しても同様な働き方を許容しており、「満員電車は大嫌いなので、朝皆んなで出社をする事やスタートアップだからといってフルコミットでガツガツ働く、といったイメージや概念すら変えたい」と工藤氏は語る。これからはスタートアップこそ、働き方に寛容だ。そんなFP-MYSは絶賛採用強化中、興味のある方は是非工藤氏と話してみてはいかがでしょうか。

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投稿者について
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綴木 晴彦

1982年生まれ。中央大学法学部卒、中央大学大学院卒。教育系の企業にて執行役員として新サービス開発などを統括。ビジネスマンのキャリア開発、資格取得の支援などを行う。その後、人材系のベンチャー企業である株式会社ネオキャリアに参画し、事業部長として新規事業開発に従事。社内起業として行政書士法人jinjerを設立。外国人の就業支援・ビザ取得支援、会社設立支援、企業の資金調達支援、補助金取得支援などを行う。

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