いかに少人数で、無駄を省き、高い成果を目指すか。これからの会社経営で選んだ、新しい起業家の選択【起業インタビュー第42回】|起業サプリジャーナル

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いかに少人数で、無駄を省き、高い成果を目指すか。これからの会社経営で選んだ、新しい起業家の選択【起業インタビュー第42回】

公開日:2017.10.03

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「20代で上場したい」「渋谷にカッコいいオフィスを持ちたい」

起業を目指す人であれば、必ずといっていいほどそんな気持ちを頂くのではないでしょうか?

書いている筆者も、1度は起業を目指し、サービスのプロトタイプを作ったが、

今思えばサービスの成長イメージより、上場した時のイメージや、持てもしなかった架空オフィスのレイアウトの方が鮮明に描けていた記憶があります。

サービスリリースから、わずか1年で事業を黒字化しながらも、

外部からの出資も受けず、ひたすらに「顧客満足度」と、規模拡大ではなく「生産性の向上」を目指す、新しい起業家の話を聞きました。

 

プロフィール

小俣 隼人 合同会社セルフリー 代表

1989年生まれ、山梨県育ち。

立教大学を卒業後、新卒入社した人材紹介会社にて BtoB セールスや新規事業立ち上げを経験。

2014年7月に合同会社 selfree を創業し、代表を務める。

2015年にブラウザ電話システム「CallConnect」をリリース。

 

自分の人生をコントロールしたくて選んだ”起業”という道

 

> 起業したきっかけを教えてください。

 

前職ではインターン期間を含めて約2年ほど在籍していたのですが、

就業時間、服装、働く場所、給与など、組織に所属していると良い悪いを含めてコントロール(制限)が効いているものが多く、それが段々と窮屈に感じる様になったのが起業を考えたきっかけです。

そういった制限を外し、自分でコントロール出来る様になる選択が、自分にとっては「起業」でした。

 

電話という顧客サポートの原点をWebでもっと便利で簡単に!

 

> そこからCallConnectは、どの様にして生まれたのでしょうか?

 

元々はライドシェアのサービスをリリースしたのがきっかけで、

そこから、デザイナーの畠、エンジニアの本間が当社に参画してくれて、2015年から現在の体制が出来ました。

 

ただ、ライドシェアサービス自体の収益化が難しく、

自己資金が尽きそうなタイミングで新しいサービスを考えはじめ、

3人でビジネスアイデアを出し合った結果、

「Webブラウザ上で電話の発着信業務が可能なシステム」という

CallConnectのサービス原点にたどり着きました。

 

そこから2015年4月に出たKDDIウェブコミュニケーションズ主催のハッカソン「Smart Communication Award 2015」で表彰を受けて、

7月にサービスローンチをしたという経緯です。

 

> CallConnectのサービスについても、教えてください

 

コールコネクトは、Web ブラウザ(Chrome)上で電話の発着信業務が可能なシステムです。電話の完全クラウド化によって外部の CRM サービスやチャットサービスなどと連動しながら、従来の電話対応よりもさらに効果的な電話対応が可能となります。

 

 

例えば、従来の電話対応は、かかってきた相手先が誰なのかは電話を取ってみなければ分からないといった事象があるかと思いますが、

CallConnectでは、発信元の情報を事前にリストから探し出し、

電話に出る前から顧客情報や以前の対応履歴を把握することができます。

また、録音や通話メモの内容を後で振り返ることで顧客対応の質を向上させたり、IVR機能(自動応答)によって適切な担当者に即座につなげられるようになります。

 

Webブラウザ上で、電話応対・履歴確認・履歴登録の全てが出来るので、

応対をしているサポート側にとっても負担が軽減され、その分電話サポートに集中が出来ます。

 

上場を目指さない・おしゃれなオフィスを持たない、セルフリーが目指すこれからの組織

 

サービスインから、わずか1年で黒字化をしているCallConnect。一般的なイメージとしては、ここから外部からの出資を受けて、メンバーを増員して一気に規模拡大のアクセルを踏むのかと思いきや、小俣さんの視野にはそういった計画は現段階では頭にないと言います。その理由について伺いました。

 

私たちは、自分たちの存在意義を大事にしています。セルフリーのミッションは「愛される企業を増やす。」ビジョンは「世の中に必要とされ続ける存在になる。」とあくまでも顧客第一主義で考えています。

 

外部からお金を入れることで受けるメリットも沢山あると思いますが、

それを受けることで時期によっては利益だけを追い求めたり、ユーザーの事を置いてサービスを考えなければいけない時期が必ずくると思っています。

 

私自身が起業をしたきっかけにも繋がりますが、それは自分たちのコントロールが効かなくなる状態を指していて、必ずしも自分たちのミッションやバリューに沿っているとは言えない状態です。

 

そうなった時に本当に必要なのかどうか?と考えた結果、あくまでも私たちが大切にしなければならないのはユーザーであり、ユーザーの為になる決断と改善が出来る体制を常に貫きたいと思って、今の考えに落ち着いています。

 

オフィスに関しても、立地の良い場所にキレイなオフィスを持つという事は考えておらず、今は社員全員をフルリモートにして、それぞれがパフォーマンスのでる環境で業務を行なっていますね。

 

> オフィスに関しては、どんな考えをお持ちなのでしょうか?

 

1つのオフィスに集まっている意味は何か?と考えています。

豪華なオフィスを構えることは、採用ブランディングに繋がり、

社員満足度をあげ、結果的に離職率の低下に繋がっているのかもしれません。

 

ただ、会社にとって価値が高いのは、本当に信頼できる仲間と目的を共有して、生産性を高めていく事だと私は考えます。

 

個人が1番のパフォーマンスを出せる環境はそれぞれ違うと思いますし、

例えば、時期やその日の気分によってもそれは変化すると思います。

そうなった時に「環境を選べること」自体が個人の心の余裕にも繋がり、

結果的に生産性を上げると思っています。

 

これからの時代は、豪華なオフィスより、社員一人ひとりの多様性に応じて選べるオフィスの方が社員や会社にとっての価値が高いという結論に至り、フルリモートや熱海のサテライトオフィス開設といった形になりました。

 

 

 

> 最後にセルフリー・CallConnectのこれからについても教えてください。

 

 

会社として目指しているのは、メンバーそれぞれが自立していて、自分で自分を律する個人の集まりを目指しています。急速な人員増を目指すのではなく、会社のミッションとビジョンに共感した仲間と、いかに少人数で、無駄を省いて、高い成果を出すか?を追い求めていきたいです。今の時代に逆行しているかもしれませんが(笑)そういった会社運営の仕方を実践・表現していきたいと考えています。

 

編集後記

社員全員フルリモートを実践するセルフリー。実は東京拠点と他に熱海にも拠点を置いているとのこと!フルリモートを実践しながら、海を目の前にして仕事が出来る環境もある。社員にとって、これだけ贅沢な選択があるのだろうか?同社では、熱海の拠点をスタートアップに無料で貸し出す熱海スタートアップキャンプ という活動もしているので、是非都内のスタートアップは仕事と遊びを兼ねて、同社の施設を利用して頂きたい。

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