こんにちは。行政書士の東優です。
今回は、イギリス法人設立手続きの流れについてご説明いたします。
イギリス法人の設立手続きは、次のような流れで進みます。
会社名(商号)の決定
イギリスで設立する会社名を決定します。 |
「○○○LIMITED」となります。類似の商号がないかを登記所にて確かめます。
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定款の作成
定款の内容となる資本金額の決定、株主の選定、取締役の選定、会社秘書役の選定、本店所在地、業務内容を決定します。 |
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設立申請
登記所に設立申請を行います。 |
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書類の発行
設立完了後、公証人(Notary Public)証明やアポスティーユ証明の取得 |
ちなみに、設立登記申請から登記完了までは、最短で2時間、通常は3日くらいで登記だけは完了いたします。ただし、法人口座開設に必要な書類の発行に1週間くらいかかります。また日本と違い、設立日は申請をした日ではなく登記が完了した日なので、登記所の混み具合に左右されるため、設立日を決めることは事実上できません。
イギリス法人設立時に決定していただく事項
■ 会社名(イギリス政府及び法人口座開設予定の銀行で類似商号調査をします)
■ 株主-複数いる場合、個々に保有する株数の内訳も必要
■ 資本金-最低資本金1ポンドで設立できます
■ 取締役-1名以上で株主の兼務も可
■ 事業内容
■ 本店所在地
■ 会計年度(決算月)-通常は設立月の前月
■ 銀行口座開設の有無
ご用意いただく物
- 株主及び取締役となる方のパスポート
- 住所のわかる物(国際免許証、英文の残高証明書)
- 株主、取締役が法人の場合、その法人の登記簿謄本及び定款データとその英訳
法人登記維持(毎年更新)
2年目以降、法人を維持するのには法人更新登記申請と税務申告が必要となります。
事業税
イギリスでは利益に対して課税されます。これは法人税と呼ばれ、大企業の税率は2008年4月から28% に引き下げられました。さらに小企業と認められた場合は、税率は19%です。
そのほかに、付加価値税(VAT)があります。これは商品及び一部サービス(免税対象のものを除く)の購入・販売に課される間接税の一種です。サプライヤーから加算請求された税金はその返還を求めることができます。したがって、多くの企業は納税義務が最低限の水準になります。
注意点
イギリスでは、毎年会社の更新登記があり、更新を怠ると法人口座がすぐ凍結されますし、更新期限を過ぎると裁判所から、(釈明のための)出頭命令や高額な罰金支払い命令が、代表取締役の自宅に送られますので、申告とともに更新は必ず行わなければいけません。