株式会社の事業年度(決算月)について何を基準に決めたらいいのか迷う方も多いかと思いますので、今回は株式会社の事業年度(決算月)を決める場合に考慮すべき事項についてご説明いたします。
株式会社の事業年度・決算月について
株式会社は、1年以内の期間であれば、一事業年度を何月から何月にするのかということを自由に決めることができます。
そして、決算月とは、一事業年度の区切りの最終月のことをいいます。
ですので、4月1日から翌年3月31日を事業年度とした場合には、決算月は3月となります。
また、決算は、年1回でも2回でもかまいませんが、決算作業の軽減のため年1回とする会社が多数です。
データで見る決算月
国税庁の決算期別の普通法人数のページによると、年1回決算の法人が2,632,784社のところ、最も多いのが3月で508,030社、次に多いのが9月で287,241社となっています(平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に事業年度が終了した内国普通法人)。
20%程度の会社が3月決算を選んでいるというのが現状です。
事業年度(決算月)を決める場合に考慮すべき事項
この点、一概にこういった理由で決算次はこの月にしたほうがいいというのはありませんが、参考になる考え方を以下記載します。
・消費税の免税期間をなるべく長くなるように設定する
設立時の資本金額が1,000万円未満の株式会社は、第1期目と第2期目の消費税の納税義務の免除を受けることができます。
この免除期間をなるべく長くするには、設立月からもっとも離れた月を決算月にするのが良いということになります。
※資本金額1,000万円未満の株式会社は、前期の上半期の課税売上高が1,000万円超であるかどうかで、当期に課税事業者になるかどうかが判定されます。
・繁忙期は避ける
本業が忙しくて書類の整理などに手が回らないので、この時期を避けるという考え方です。
・売上の上がる月は避ける
売上の上がる月は、利益に予測が立てにくく、節税対策が立てにくいので、決算月を避けるという考え方です。
・税務申告との関係
法人の税務申告は、決算日より2ヶ月以内と定められています。そのため、会社設立日が3月1日で事業年度が4月1日から翌年3月31日の場合、設立日から1ヵ月後に決算が来てしまいます。
以上のような考慮要素をもとに、決算日を考えてみてください。
なお、決算日は後に変更することも可能です。この場合は、定款を変更し、税務署に届出が必要となります。