【起業インタビュー第14回】シェアオフィスと移住計画―地元愛に溢れる青年の「働き方改革」|起業サプリジャーナル

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【起業インタビュー第14回】シェアオフィスと移住計画―地元愛に溢れる青年の「働き方改革」

公開日:2017.02.27

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起業する際の悩みの1つとなるのは、「オフィスをどうするか」ということだろう。
適当な不動産を所有していたり、潤沢な準備資金がない限りは、固定費である「オフィスの家賃」はなるべく低く抑えたいものだ。

今回は、下北沢のシェアオフィス・コワーキングスペースthe Associationのコミュニティマネージャーである片山昇平氏に取材をさせていただいた。
派生して話題にのぼった「福岡移住計画」と共に、起業や働き方のご参考になればと思う。

 

片山 昇平(かたやま しょうへい)氏
新卒から約6年間、人材ベンチャーにて法人営業・キャリアコンサルタント、採用コンサルタントとして従事。専門領域は、中途採用全般。
2017年にフリーランスとして独立。その他、専門領域として地域活性分野にも携わっており、実家を使った音楽フェス「文化財ロック」の企画をはじめ、現在は、福岡に関するUIターン向けメディア福岡移住計画のディレクターとしても活動中。地元群馬を拠点に、仕事と場所に捉われず活動を拡げている。

 

シェアオフィス・コワーキングスペース@下北沢

新宿まで9分、渋谷まで4分の街・下北沢

電車で最速の場合、新宿まで9分、渋谷まで4分という利便性の高い下北沢。
the Associationは、そんな下北沢駅から徒歩5分の好立地である。都心特有の喧騒も、このエリアには感じられない。

柔らかい白色の壁と木製の机に加え、採光性の高い造りが、仕事への意欲をアップさせる。

 

シェアオフィスならではの「共創」

デザイナーやライター、カメラマンや映像ディレクターなどのクリエイティブ系の方々のみならず、公認会計士や翻訳家などさまざな職種の方々が利用しているというthe Association。利用者同士の交流も活発だとという。

例えばwebデザイナーの利用者さんがある仕事を進めていて、ちょっとわからないことが出てきたとします。
そうすると、他の利用者さんが「その分野だったら○○さんが詳しいから聞いてみたらどうですか」と、別の利用者さんへ橋渡ししてあげたりすることもあるようです。
ここを長く利用して下さっている方を中心に自発的なコミュニティが生まれて、横の繋がりができているというのは、the Associationならではかもしれませんね。

明るく開放的なスペース。写っていない角度には、仕事中の方々が何人も。

 

イベント実施も可能

the Association内には、最大35人まで収容可能なpublic spaceや、会議・撮影などが可能なmeeting spaceもある。
これまでに、福岡移住計画(公財)日本生涯学習協議会認定ビジネスモデル・デザイナー®2級基礎講座のイベントなどで盛況を見せている。

イベント実施時の様子。プロジェクターなどの機材も貸出可能。

 

福岡移住計画

お話を聞いているうちに、片山氏が福岡移住計画というプロジェクトにも携わっておられることが判明した。この点を詳しく伺ってみた。

実は、私は群馬県太田市出身で、福岡とは縁もゆかりもありません(笑)
旧知であった株式会社Smart Design Association(the Associationの運営会社)の代表者が、2011年の東日本大震災を機に、家族で福岡に移住されたんですね。元々、代表も福岡に全く縁もない中で移住しているので、移住当初は相当苦労したという話を聞きました。

移住をするって、その土地に知り合いがいれば出来ることじゃないし、仕事だけあれば出来ることじゃないし、住む場所があれば出来ることじゃない。全てが複合的に絡まって初めて成立することだと思うんです。福岡移住計画では、それを「居(居場所)・職(仕事)・住(住環境)」と定義して、様々な情報を発信しています。

どんな地方にも、魅力的な場所や人、あまり知られていない美味しい食べ物など、発信できるネタは沢山あるのに、それがちゃんと届けられていません。
にもかかわらず、「地方はつまらない」「地方オワタ」 みたいな判断をされているのが本当にもったいないと個人的に課題意識を持っている中で、福岡移住計画のようなメディアの存在って、移住を考える方には絶対に必要だと思うんです。

 

群馬育ちの片山氏にとって、九州・福岡の印象はどうだったのか。

行けば行くほど、いい土地だな、と感じます。街がコンパクトで、都会と自然(海・山)がとても近いですし。
株式会社Smart Design Associationが運営するシェアオフィスの1つが今宿というところにあるのですが、天神というビジネスの中心地から電車で20分という距離感で、目の前にはきれいな海が広がる環境があるんです。

海辺のシェアオフィスSALTからのオーシャンビュー。

 

「NIPPONの新しい働き方は、福岡からはじまる。」をコンセプトに、今宿SALTの他、中心街・天神にHOOD天神、郊外の糸島にRISE UP KEYAという福岡にある3つのシェアオフィスとthe Associationを含めた2つのシェアオフィスを結びつけるサービス+Wander(プラスワンダー)を通じて、片山氏は、働き方改革を推奨する。

移住計画から少し話は逸れますが、僕らは今、都内2拠点・福岡3拠点のシェアオフィスを自由に行き来しながら働けるサービス「+Wander」を展開しています。

ITインフラが整っていれば多くの仕事は場所を問わずにできる、というのは理解が進んでいると思います。
ただ、じゃあそれを実践できるのかというと、企業の受け入れ体制がまだまだ十分とは言えません。

組織(会社)に属しながらも「働く場所」が選べる当たり前の世界が出来たら、もっと働くことのストレスから解放され、結果的にその人の生産性を上げたり、こういった環境を用意してくれる組織に対しての満足度向上から離職率の低下に繋がるなど、従業員と導入企業側、それぞれにメリットが作れると思います。
今はフリーランスの方々の利用が中心ですが、これからもっと法人企業の導入を増やしたいですね。

 

地元愛

「福岡出身者が地元に帰ることを特に後押ししたい」と語る片山氏。言葉を選びつつ、その理由を話してくれた。

少しずつ仕事の経験と年齢を重ねてきて、だんだん自分のことを受け入れるようになってきました。「あ、自分も悪くないかも」と(笑)
では、自分のルーツがどこにあるかというと、やっぱり生まれ育った地元なんですね。地元の友人、学生時代の部活の先生、家族・・・。
一度地元を離れて上京し、自分が生まれ育った地元を外から客観的に見る機会を得たことで、地元が好きになりましたし、地元に誇りを持てるようになったことも大きいと思います。

この仕事を始めてから福岡出身の方と話す機会が多く、皆さん口々に言うんですね。「福岡が大好きだ!」と。それってすごく地元としての財産だと思っていて、やっぱりそういう人って、早く地元に戻るべきだと思うんですよね(笑)
福岡は本当に良いところだし、これから沢山の仕事も生まれて、本当に東京と遜色のない環境で、生活が出来る未来がすぐそこまで来ています。
これからの福岡移住計画の成功を元に、沢山の〇〇移住計画の成功パターンが出来て、「地元に帰りたい」「地方で暮らしたい」と考える人たちが失敗なく、色々な場所で自由に生活を選べる時代が来たらいいな、と思っています。

 

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