縁と経験を活かしBtoBマーケターに特化したマッチング事業を展開する株式会社b-growth 菱沼 匡 【起業インタビュー第218回】|起業サプリジャーナル

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縁と経験を活かしBtoBマーケターに特化したマッチング事業を展開する株式会社b-growth 菱沼 匡 【起業インタビュー第218回】

公開日:2024.09.19

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SaaSをはじめとするITサービスの広まりとともに、法人に向けた商品、サービスに関するマーケティング手法:BtoBマーケティングは、ますます重要性を増しています。BtoBマーケティングに関するリソースや専門性不足など「人」に関する課題解決を行っている、株式会社b-growth代表の菱沼さんにお話を伺いました。

 

ーまずは会社と事業のご紹介をお願いいたします。

弊社はBtoBマーケターとそういったマーケターを求める企業とのマッチング事業を行っており、業務委託と正社員の両方に対応しています。業務委託のマッチングには、マッチング元が3つあります。副業マーケターか、フリーランスないし個人事業主のマーケター、もしくは法人です。

他には私が直接ベンチャー企業様をはじめとしたプロモーション支援を行ったり、採用支援事業も行っています。昨今のマーケター採用は難易度が高く、苦戦されている企業様も多いので、採用要件の定義のアドバイスなども行っています。

マーケターのマッチングサービスでは、弊社が仲介役として企業様から課題をヒアリングした上で、事業のグロースに繋がりそうなマーケターの方をお引き合わせします。マッチングが成立したら、案件のやり取り自体は企業様とマーケターさんで直接行うという形です。

このサービスの提供にあたっては、企業側の課題を正しく理解するということが重要です。そもそも人をアサインしても解決できない課題もあるので、無理にマーケターをご紹介することはしていません。また、課題を的確に捉えられていないといたずらに候補者を紹介することになるので、紹介された側に選定するための手間をかけてしまいます。
それを避けるために弊社側でしっかり候補者選定を行い、最も求めている成果に繋がると思われる方を紹介して短期間で決めにいく。そういうやり方を重視しています。
このニーズの理解、タイムパフォーマンス、成果、という3点には非常にこだわっています。

サービスの品質を高めるために、私やtoBマーケティングの実務経験者がマーケターの方にお会いして目利きをするようにしています。判断の軸は、大きくビジネス基礎力と専門性です。

例えば、ビジネス基礎力の一例として優秀だと感じる方は総じてレスが早いです。
何か仕事が詰まっていたとしても、「遅れます」や「後で返信します」みたいなレスを1本送ってくれる。そういう方を紹介できれば、クライアントさんからも、「反応が遅い」といった基本的なフィードバックは少なくて済みます。
基本的なことですが、自分の状況を伝えたり、自らスケジュールを切ることも大事な素養だと考えています。感覚値ではこうしたレスの速さや基礎的なコミュニケーション力などの素地の見極めの時点で、半数ぐらいの候補者はお繋ぎできないなと感じてしまう印象です。

次に、マーケターとしての専門性を見ます。ここはわかりやすく実績を定量的に、また、ロジカルに語れるかどうかを見ています。例えば、新規の施策を行う前の数字と、施策実施後の数字を比べて、結果だけでなく、その理由をロジカルに説明できるかどうか。自分で企画して実行して、数字の変化も追っていたら、たとえ施策が失敗したとしてもPDCAを回した経験を自分の言葉で語れる。一方で、誰かの企画に従って作業として仕事をしていた方は、定量的なところまでは語れても、具体的な思考プロセスが言語化できなかったり、施策の実行に目が向いてしまうなど、どの視座で仕事をしていたかについて面談の中で見極めています。

自身の経験と実績に基づいて、綿密なヒアリングを行い、マッチするマーケターをピンポイントに提案するという方針は、仲介役の弊社自身がマーケティング経験者で構成されている、ということから来る弊社独自の強みであると考えています。紹介する側にマーケティング業務の経験がないと、最適なマッチングは難しいと考えています。

 

ーどのような経緯で、こういった事業を展開するに至ったのでしょうか。

起業家精神という点では、実家に影響を受けています。自営でクリーニング業をやっていまして、祖父が自分で機械を動かしたりアイロンがけや宅配までやって、祖母が接客と経理周りを担当しているような家庭でした。父も臨床心理士という立場の個人事業主で、大学やメンタルクリニックで働いたりして、自立した働き方をしている人間が家族で多かったんです。そのため、自分もビジネスを作っていく道が面白そうだなと考えていて、起業に繋がる道を模索し、いろんな事業会社を経験して今に至る、という感じです。

社会に出てからは、ずっとマーケティング×新規事業のキャリアでした。看護師の人材紹介会社で、いくつかの事業を経験した後、買収したWEBメディアを事業責任者として管掌したり、タレントのキャスティングをやっている会社でマーケティング部門をゼロから立ち上げて、代理店向けのマーケティングや人材紹介業、M&Aの仲介業といった事業のプロモーションの部分で関わったりしました。

実際に起業したのは、「BtoBマーケティング研究会」という私が主催するFacebookのコミュニティが成長して、ビジネスになる!と感じた時です。2022年の中頃にこのコミュニティを作ったんですが、当時タレントのキャスティングをやっている会社で1人でマーケ部署を立ち上げた頃で、社内で専門的な議論をできる場がなかった。そこで情報を社外に取りに行ったのですが、BtoBマーケターのための情報が集まるような会というのが全然なくて、自分で作ろうと思ったのが始まりですね。

まずは内輪の集まりとして50名ぐらいで始めたのですが、メンバーが知人を連れてきたり、口コミで広がっていくようになって、100人ほどになった頃に交流会を開いてみたんです。当時のメンバーの四分の一ほどが参加してくれて、情報交換や人脈作りといったことにニーズがある、ということがわかりました。そこからはイベントを定期的に開催するようになりました。

その後は認知度も広がり、今ではメンバーが1000名近くまで増えてきました。入口で参加者のレイヤーで審査をかけているので、参加者のほとんどが決裁者というユニークなコミュニティになってきています。所属企業も幅広く約600社程度参加いただいている団体になってきたので、本格的にマネタイズができそうだと思い、起業を決めました。

 

ー起業されてから苦労した点、やって良かった点などがあれば、教えて下さい。

苦労した点からいくと、まず会社の作り方がよくわからなかった点です(笑)。ただ、それもこのコミュニティメンバーに助けてもらったことで解決しました。会社設立の経験をされている、とあるメンバーの方が、登記の時に役所までついてきてくれたり、知り合いの弁護士の方に契約書を作ってもらったりして、人の縁にすごく助けられました。

やってよかった点としては、事業ドメインへのこだわりを持ちすぎず、顧客ニーズに合わせて柔軟にビジネスを変えて行った点です。

現在、事業の面では当初想定していた業務委託者のマッチングから正社員の紹介にも領域を広げているのですが、これは起業当初は想定していなかった事業です。
国の認可が必要な事業なので、人材紹介免許の取得や契約周りの整備、ビジネスオペレーションの構築などやることが山積みでしたが、結果的に会社としてのケイパビリティが広がったので、やってよかったと思います。

 

ー現状を踏まえての、今後の展望を教えてください。

引き続き人的リソースと専門性という側面でBtoBマーケターの手助けになれるような動きを取っていきたいと考えております。
そのためには優秀な人材リソースの獲得と最適なマッチングによるクライアント様の事業グロースの実現、この2点にコミットしていく必要があると考えております。

事業を前に進めるためには正社員が必要なフェーズ、業務委託が必要なフェーズがそれぞれあると思うので、どんな状況でも対応できるような、人的リソースの調整弁のような立ち位置を目指していきたいと思っています。
最終的には良いサービスだったら、口コミで広がるのがBtoBマーケだと思っているので、弊社も地道にご支援実績を積み重ねて行き、全国のtoBマーケターさんから頼られる状況を作っていきたいですね。

加えて、BtoBマーケティング研究会のそもそもの目的としているBtoBマーケターのナレッジシェアや他社マーケターとの交流の場になるイベントも積極的に取り組んで参ります。単なる場の提供ではなく、キャスティングする登壇者や企画にもより一層こだわりを持っていきたいですね。

また、将来的にはBtoBマーケターの総数自体の増加につながる取り組みにも挑戦していきたいと考えています。
SaaSの商品は増加傾向にありますから、プロダクトがあっても拡販する人の供給が間に合わない、ということが今でも起きているし、これからより加速すると思っています。
例えばtoCマーケターとして優秀な方をtoBビジネスにアサインしたり、将来有望な若手を育成することで、toBマーケターの労働人口を少しでも増やすことが各企業の助けになっていくと思っています。

 

ー最後になりますが、読者の方々へのメッセージをいただけたらと思います。

BtoBマーケターのことでお困りの時はなんでも相談してもらえたらと思いますし、もし、私たちの活動に共感してくれたり、横の繋がりが欲しいみたいな方は、ぜひコミュニティに参加してもらえると嬉しいです。

 

ー本日はありがとうございました。

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