落とし物が必ず見つかる世界へ!落とし物クラウド「find(ファインド)」株式会社find高島彬【起業インタビュー205回目】|起業サプリジャーナル

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落とし物が必ず見つかる世界へ!落とし物クラウド「find(ファインド)」株式会社find高島彬【起業インタビュー205回目】

公開日:2022.11.16

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「モノを無くしてしまう」という誰しもが持っている経験とそのペインに対して、立ち上がった落とし物プラットフォームのfind。これまで警察や公共交通機関など社会的なインフラでさえ、統一されることのなかった落とし物のデータベースが一つのスタートアップによって結ばれる世界が出来るかもしれない。誰も手を付けることのなかった「落とし物プラットフォーム」に切り込むソーシャルスタートアップは、どの様にして誕生したのか?起業家高島氏にお話を伺いました。

 

 プロフィール(株式会社find 代表取締役 高島彬氏)

2013年オリックス株式会社入社。環境エネルギー部門にて、大手製造業向けのエネルギーコンサルティングサービスの顧客提案・商品開発に従事。2018年にオープンイノベーション部門へ異動し、アシスタントマネジャーとしてテクノロジースタートアップとの資本業務提携を通じた事業開発・戦略立案に従事。2021年12月に株式会社findを共同創業、同社代表取締役CEOに就任。

 

 株式会社findについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

私たちは【落とし物が必ず見つかる世界へ】というビジョンで、2021年12月に創業をしたスタートアップです。現在、AIを中心とした最先端の技術を駆使し、落とし物に携わる様々な関係者の課題を解決する落とし物クラウド「find(ファインド)」の開発をしています。

 

ー 落とし物クラウド「find」とは、どんなサービスなのでしょうか?

findは、落とし物をした人の「連絡するだけでも大変」「探したくても見つからない」という悩み・不安を、テクノロジーの力によって解決するサービスになります。特徴としては、大きく3つあります。

 

1.電話などの直接連絡が不要。LINE経由で落とし物を探せる(ユーザー側)

2.見つけた落とし物はスマホで簡単登録するだけ(企業側)

3.集めたデータを高速マッチング、find内で一元管理・対応が可能

 

また、これにより従来、交通機関や商業施設など各社バラバラに問い合わせをしていたやり取りもfindを導入している施設については連絡一つで済みますので、施設間同士の間接的な連携もサービスを通じて実現を可能にしています。

 

ー とってもシンプルで分かりやすい構造ですね!これまで企業各社は、どの様に管理していたのでしょうか?

企業ごとに(落とし物を)管理しているシステムも違えば、対応方法も違うため、各社によってバラバラというのが現状です。実は、落とし物は全国で年間8,000万件も発生しており、それの対応・管理にかかるコストを弊社で算出したところ約1,300億円のコストが総計でかかるという結果にもなりました。公共交通機関や商業施設など、人の出入りが多い場所にとっては、それだけ管理コストを割いてしまっているコストセンターにもなっているのです。

 

ー 落とし物をして鉄道会社にいったり、警察にいったりという経験はかなり多くの方にあると思いますが、サービスが主要なインフラと繋がることでやりとりも一本化されるのは、とても便利ですね!

仰る通りで、落し物をしてしまったユーザーにとっては、移動した場所・施設のどこに落とし物をしたか分からないわけです。例えば、JRさんが東京メトロさんの情報を持つなんてことはこれまで有り得ないことでした。しかし各企業とfindが提携することによって、今後それが情報の構造的には各社のデータベースが横串になっている状態となり、ユーザー側のリサーチ体験としては格段にいいモノになっていくハズです。

 

ー 正に!便利なサービスですが、これまでこういった落とし物のプラットフォームが生まれてこなかった理由は何故なんでしょうか?

まず企業側の目線に立つと、落とし物対応自体、利益を生むものではないので「他社と連携したデータベースを構築するインセンティブがない」という点に尽きると思います。また私たちの様なサービス提供者を対象にした際も、落し物が大きなビジネスに繋がるイメージは湧きづらいので、発想としても中々出にくい切り口なのかと個人的には感じております。

 

ー なるほど。

 

 事業アイディアを模索し一年。キッカケは自分自身がユーザーとして体感した落とし物のペイン

ー 起業することの意識は、いつ頃から持っていたのでしょう?

私自身、東京の下町に生まれて育ったきた人間で、父親も町工場の社長をしていたり、周囲も〇〇屋さんという方が多く、そういった環境で育ったせいか、小さい頃から自分も将来は独立して何かをするんだろうな、とぼんやり考えていました。起業する前は、ミュージシャンとしても活動しており、一通りのDIY精神とチャレンジ精神はそういった環境でも構築されています(笑)

 

ー そうだったんですね!そこから、どう具体的に起業に向けて動いていかれるのでしょうか?

その後、オリックス(株)に入社をしているのですが、2つ後押ししてくれた出来事がありました。一つ目は、社内でスタートアップとの連携部門に配属され、そこでスタートアップ経営者と共に一緒に仕事をしたことで自分自身も触発されたこと。そして、その時にシリコンバレーにいく経験もあったのですが、気軽に参加したホームパーティで、「そうか、で、アキラは何やりたいの?どんな世界を作りたいの?」と、色んな起業家から当たり前の様に真っすぐな目で聞かれるんです。その時に、自分が「今していること」や「所属している会社」しか答えられなかった経験があり、そこから「自分は何をしたいのか?」を本格的に考え、向き合い、行動するキッカケになりました。

 

ー そこから「find」の構想は、どの様にして生まれたのでしょうか?

やるぞ!と決めてから、共同創業者の和田と共に、1年ほど事業アイディアを決めることに悶々としていた時期がありました。「人生をかけて解決する社会課題は何だ?」と。決め手になったのは、私自身が落とし物をした経験から来ており、恥ずかしい話、居酒屋でプライベートと会社のスマホを無くしてしまい、本当に大変な思いをしたのですが、その時にそれを解決してくれる様なサービスが世の中に無いことに気がつけたのが決め手になりました。モノを無くしながらも翌日に、興奮気味にそのペインとfindの構想について語り、2人の中でも「これだったら人生をかけられる!」と思い、findが始まりました。

 

 今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

まずは、findを日本の落とし物の”社会インフラ”にしていきたいと考えています。日本国民が落とし物をしたときは、まずはfindにアクセスする、そんな世界観を夢にみています。

そのためのまず一歩として、交通や商業施設などの主要なインフラに導入していただくとこから始め、その次は廃棄されてしまう物の二次流通や紛失時の保険といったtoC向けのサービスにも展開して、サービスとして狙うマーケットも拡大していきたいと思っています。将来的には、警察業務にも介在したいと考えており、警察による落とし物の管理・保管にも私たちの税金が投入されている現状をみると、郵政民営化の様なカタチで、民間企業の介在により利便性を上げるサービスになっていくことが社会にとってもより良い状態になると感じています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたい事項もあればお願いします。

「落とし物」という、これまで誰も向き合ってこなかった社会課題に取り組んでいけるメンバーを募集しています。現在各々の専門性に加えて、元バンドマン、サーファーなど個性豊かなメンバーが揃ってきています。今後、京王電鉄の全線で実証実験(※)を予定するなど非常におもしろいフェーズでもあると思いますので、興味のある方がいましたら、是非ご連絡ください。

※参照:「KEIO OPEN INNOVATION PROGRAM」に採択

 

ー いいですね!これまでバラバラだった落とし物の課題が、findを通して一つになる日がとても楽しみです。今日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

 

 

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