エンジニア不要!ノーコードでガイド・ナビゲーションを作成できるDAP SaaS「テックタッチ」テックタッチ株式会社 井無田仲【起業インタビュー199回目】|起業サプリジャーナル

  1. 起業サプリジャーナル TOP
  2. エンジニア不要!ノーコードでガイド・ナビゲーションを作成できるDAP SaaS「テックタッチ」テックタッチ株式会社 井無田仲【起業インタビュー199回目】

エンジニア不要!ノーコードでガイド・ナビゲーションを作成できるDAP SaaS「テックタッチ」テックタッチ株式会社 井無田仲【起業インタビュー199回目】

公開日:2022.10.18

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

「会社が導入したばかりのシステムが使いづらい!」「配布されたマニュアルを読んでも、よく分からない」、組織で働いたことのある方には、一度は経験のあるシチュエーションではないでしょうか?様々な企業で進むDX推進の裏側に潜む課題に、いまDAP(デジタルアダプションプラットフォーム)というソリューションがグローバルで注目されています。そのなか、国内で希少なDAPツールを提供するテックタッチ(株)。大企業の抱えるDX推進の課題や、同氏の起業ストーリーまで色々とお話を伺いました。

 

 プロフィール(テックタッチ株式会社 創業者・代表取締役 CEO 井無田仲氏)

1980年、愛知県名古屋市生まれ、海外と神奈川県などを転々としながら育つ。2003年から2011年まで金融業界(新生証券/ドイツ証券)にて投資銀行業務に従事。2012年にIT業界へキャリアチェンジ、ユナイテッド株式会社に入社。ハイライトは米国子会社の立ち上げ、投資先の多国籍エンジニアとの共同開発PJ。2018年にテックタッチ株式会社を創業。金融マン時代、IT部門と現場部門のギャップを解決したいと思ったことが原体験。顧客企業の非効率をプロダクトで解決し、自社は夢を持てて働きやすい理想の会社にしたい。

 

 テックタッチ株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

ノーコードでガイド・ナビゲーションを作成・表示できるSaaS「テックタッチ」を開発・提供しています。

 

ー ノーコードでガイド・ナビゲーションを作成・表示できるSaaS「テックタッチ」とは、どんなサービスなのでしょうか?

様々なWebシステムの上に後から上乗せでナビゲーションを設置できるSaaSとなっています。

それにより、エンドユーザーのITリテラシーやシステムの複雑性を問わず、(ユーザーに)目的とする動作までたどり着くことを、ツールを通じ実現することを可能にしています。特徴としては、大きく2つあります。1つは、Webブラウザ上で動くサービス・システムであれば、どんなものにもナビゲーションを設置出来るという点と、2つ目に、ナビゲーションの設定に専門知識やスキルがいらず、ノーコードで作成できるのでエンジニア不要で誰でも簡単に使えるサービスという2点です。

 

ー え、こんな簡単に出来ちゃうんですか?これは便利ですね!こういったナビゲーションの設定って従来はどうやって設定していたんですか?

ナビゲーションのライブラリも豊富に出ているので、エンジニアを抱えている企業であれば、つくること自体はそんなに難しい話ではありません。ただ、ナビゲーションの設定において最も大変なのが運用と開発のQAコストです。動作確認だったり、バージョンのアップデート毎に都度確認をしていかなければいけない管理コストに膨大な時間を割くので、システム提供側の負担を強いることに繋がっていました。

 

ー なるほど。実際に使われるシーンについても教えて下さい。

活用シーンは、大きく3つのセグメントに分かれます。

 

1.大企業のDX推進・社内向けシステムでの利用

近年、DXの名の下に、大企業では様々なシステムが導入される様になりました。ただ、全ての人が同じように使える訳ではないというのが大きな組織で必ず起きる課題でもあります。それらに対して、これまで膨大な量のマニュアル作成や集合研修などを行っていたものの、結局一度で効果を出すことは中々難しい状況にあるのがほとんどかと思います。今後、更に進むDXの推進やリモートワークとの併用もあり、システムの利活用度が大企業の中でも重要性が増しているといった背景から「これからはマニュアル作成の代わりにテックタッチだ」とサービスを活用頂いております。

 

2.お客様向けのシステム

お客様向けのサービスサイトのUXが向上すること自体、企業にとってはユーザー体験の向上に繋がり、それがそのままサービス満足度・売上に直結します。現状では、保険や不動産といったtoC向けのサービスを提供する会社を初め、自社サービスからの離脱を防ぐ施策やユーザー体験の向上といった文脈での活用もあります。

 

3.公共サービス

皆さんもご経験あるかと思いますが、自治体や行政が提供するシステムがとても複雑な経験ってあるかと思うんですが、そういった際にもテックタッチは活用されています。

 

こういった各ニーズが広がり、おかげさまで現在100万人以上のユーザーがご利用頂くサービスとなっています(2022年8月現在)

 

 課題が大きい大企業の社内システムと「DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)」に注目が集まる経緯・背景について

ー お話を聞いた率直な感想として、大企業が時間とコストをかけて導入した大規模なシステムが往々にして使いづらい傾向にあることがサービスのニーズに繋がっているのかと感じました。井無田さん自身が、現場で感じていることがあれば伺いたいです。

言葉選びは慎重にいきたいところですが(笑)、外資系のSaaSって、出来ることも多岐にあるし、システムとしてとてもパワフルではあるんですが、UIが活用シーンに適切なものになっているかと言われればそうではないことが多いです。それを自社に合わせ、カスタマイズして現場に実装するのが一般的ではあるのですが、結局外注に頼ってしまうので、オペレーションやユーザビリティの観点から乖離したものが出来てしまうケースがあります。本当は現場担当が、それをやるのが理想ではあるものの、UXを考えながら、それを実現できる専門的な人材不足から、外注し、それらを構築しているケースが多いですね。

 

後は、システムは導入したら終わりではなく、本来はアジャイルにどんどん改良していくものだと感じます。しかし、外注してしまうと、都度の修正などで積み重なるコストやスピード感を含め、中々うまくいかないのもありますね。

 

ー なるほど、納得です。そういった大企業の事情も踏まえ、「DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)」に注目が集まってきている背景についても教えて下さい。

DXの流行は、DAPに追い風をもたらす要因の一つとして欠かせない事実です。それ自体が、産業競争力の源泉だと全員が気づき始めたことが大きいです。海外では、これまではシステム導入と合わせてマニュアルを作成するというのが一般的でしたが、「これからはマニュアルじゃなくて、DAP」というのが常識になりつつあります。日本では、まだテックタッチの様なDAPツールの競合は多くないですが、グローバルでは40~50社ほど出てきており、間違いなく今後伸びていく分野だと感じています。海外の調査では、「2025年までに70%の組織がデジタルアダプションソリューションを使用する(※)」と予測するという結果も出ていたりしますね。

 

※参照:7割の組織が導入する?業務アプリ活用の要「デジタルアダプション」とは

 

 外資証券マン→沖縄の雑貨屋→テックタッチ!?井無田さん、創業までのストーリー

ー 起業することの意識は、いつ頃から持っていたのでしょう?

明確に意識したのは、2011年3月の東北大震災の時でした。

その時、私はドイツ証券に在籍しており、震災当時は海外出張の最中に起きていた映像をロビーで眺めており、非常にエモーショナルな気持ちになったことを今でも覚えています。その時に感じたのは、【もっと人の役に立つような仕事をしたい】ということと、【自分の人生、後悔しない選択をしたい】ということを強く感じ、帰国後すぐに会社に辞表を出しました。

 

ー 実際に会社を創業しているのは、2018年かと思いますが、そこまでの期間はどうされているのでしょうか?

辞表を提出したものの、それまでの私は「一生、金融マンとしてやっていく」と思っていたので、金融以外の知識が全くなく、恥ずかしながら「SEOって何?」くらいのITリテラシーでした。なので、最初はなんのビジネスアイディアも湧かなくて、実は沖縄で雑貨屋の立ち上げを考えていた時期もありました。

 

ー え!それはまた意外なスタートですね(驚)

はい。ただ私自身にノウハウが無かったことや事業に対するパッションも見出せず、開業を前にして辞めています。その時にやはりこれからビジネスを考える上でのITリテラシーは必須だと思い、修行をする目的で前職のユナイテッド株式会社に入社しています。

 

ー なるほど。そこから「テックタッチ」はどの様にして生まれたのでしょうか?

元々は、金融業界にいた時の原体験が大きくて、やっぱり【会社から提供されるシステムが使いづらかった】というのがサービス構想の発端にはなっています。ただ前職の経験を通じて、UI・UXを考えながらシステムを開発することの難しさや、使って欲しい機能を使ってもらえないという辛さを開発側の視点でも実感することが出来たことはすごく大きく、そこからユーザーと開発の距離感を縮めるプロダクトの必要性と、それを作りたいと思ったのがテックタッチが生まれた経緯です。

 

 今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

現状のサービスは、Webシステムには対応出来ていますが、スマホアプリやExcelなどに代表されるOS上で動くアプリケーションへの対応など、対応の領域を拡げていきながら、面を取っていく様な展開を考えています。例えば、Windows等のOS上でもテックタッチが使える様になれば、面倒な会社内のプリンター設定などもマニュアルに頼らずとも共有できますね。

 

後は、海外展開ですね。特に国内製造業の海外拠点へのマニュアル等の需要は既に顕在化しており、そこを皮切りにどんどん海外への展開も拡大していきたいと考えています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などもあれば教えて下さい。

私たちのビジネスの面白さは、「課題解決能力が求められる」ことだと個人的には感じています。プロダクトを出したら終了ではなく、プロダクトとノウハウをセットで提供してこそ、価値を高めるサービスです。合わせて、システムがある世界全てに価値を提供できるモノでもある為、マーケットニーズも膨大です。そんな中からマーケティングは、どこに優先順位を付けて攻めるのか?等、色々なことを総合的に必要とされるフェーズでもある為、培ってきた自分のビジネススキルを試したい人にはかなり面白い環境だと感じます。toB向けのサービスでありながらも、toCサービス並みの広がりとやりがいがあります。そういった環境に興味を持ってくださる方がいれば、是非お話しさせて下さい。現在、シリーズBの資金調達も進めておりまして、そちらも近い内にリリースが出来ると思います。

 

ー システムがあるところに、テックタッチあり!といった様な世界になる日もそう遠くはない未来になりそうです。これからの展開も楽しみです。今日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

 

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

人気の記事

最新記事

カテゴリー

タグ