人口減少による物件の空室率の増加や物件老朽化による管理会社からの管理委託の見送り、様々な要因でやむなく自主管理をせざるを得ない物件オーナーと自主管理物件が増えてきていると今回取材をした安藤氏は話す。そんな物件オーナーでも利用が出来るツールが今回紹介をする「家主ダイレクトWEB」だ。これから避けては通れない物件管理の課題を解決するサービスについてお話を伺いました。
プロフィール(株式会社COMPASS 代表取締役社長 安藤祐輔氏)
東京大学経済学部卒業後、大手クラウドソーシング企業(上場会社)に入社。営業、広告運用等を経験した後、マーケティング部門責任者を務める。2020年12月より株式会社Casaにてマーケティング担当課長。2022年4月より、自主管理大家さんの賃貸経営プラットフォーム事業を手掛ける株式会社COMPASS代表取締役社長に就任。
株式会社COMPASSについて
ー 事業内容について、教えて下さい。
大家さんの賃貸経営を支援するWEBツール「家主ダイレクトWEB」の企画・開発を行っています。
ー 「家主ダイレクトWEB」とは、どんなサービスなのでしょうか?
家主ダイレクトWEBは、自主管理オーナー様専用の賃貸経営をサポートするWEB サービスとなっております。家主ダイレクトWEBと、家主ダイレクトという家賃保証商品の特徴としては大きく4つございます。
1.家賃保証サービス
2.孤独死保険
3.家財保険
4.入居者問合せ対応
弊社の親会社である株式会社Casaの「家主ダイレクト」という家賃保証商品では、オーナーの負担を軽減できる集金代行型の保証に加え、入居者の「孤独死保険」、あとは入居時にほとんど必須となってきている「家財保険」、最後に、かけつけの連絡にも対応できる「入居者問合せ対応」などの付帯サービスを用意しています。これまで、管理会社に断られ、やむなく自主管理をせざるを得なかった物件オーナーでも加入出来るサービスとなっております。
ー 通常、管理会社がそれらをしているイメージでしたが、自主管理と外部に管理委託を出している割合はどれくらいなのでしょうか?
管理委託と自主管理のお客様の比率は半々ぐらいじゃないかと言われていますけど、やはり自主管理で全てをするのは相当大変なので管理委託の方が少し多くなっているのが現状かと思います。それでもやむなく自主管理に移行しているオーナーが増えているのも事実ですね。
ー 自主管理をしているオーナーが増えている背景についても教えてください。
そうですね、大きくは3つあると思っています。
1つは、「人口減少による、空室率の増加」です。今は15%ぐらい平均したら空室だと言われていて、今後も人口は減るので空室自体は増えてくるでしょう。当たり前ですが、不動産オーナー様の収入源は家賃収入です。なので、空室があると当然収入の部分が下がってしまう、そして建物なので、住まなくても劣化は進む。収入が下がれば、それを維持するコストも下げなくてはいけない為、コスト削減の為、自主管理に移行をせざるを得なくなるという点が、まず1つ目。
そして、2つ目が「物件の老朽化」です。管理会社側の目線に立つと、築年数が経過している物件は設備トラブルも増えてきますし、賃料も下がる、言い方は良くないですが“取り扱いづらい物件”になってきます。そうなると、手間のかかる物件は管理手数料を上げざるを得ないという話になってしまったり、もしくは管理委託をそもそも断られてしまったり、そういった管理会社側の都合もあって、自主管理せざるを得ないという点が、2つ目。
最後の3つ目が「相続」ですね。年代的に今相続されて2世代目、3世代目のオーナー様になるという方が増えてまして、そのタイミングでこれまでと同じような形で・・という方もいらっしゃいますが、何か変えたい・新しいことやりたい、というオーナー様もいます。そういったポジティブな理由から自主管理に移行する方も少なからず存在しています。
ー ビジネスモデルとしては、物件オーナーから管理費用を頂くのでしょうか?でも、それだと結局管理会社に依頼するのと変わらなくなりますよね?
家主ダイレクトでは、物件オーナーには費用がかからない仕組みになっています。お金自体は、その物件に入居する入居者様から頂戴しているので、家主ダイレクトの保証を使うことに関してオーナー様の負担はないという形態を取っています。その保証を、弊社、株式会社COMPASSで提供する「家主ダイレクトWEB」にて提供を行うことでスマホ上で賃貸経営ができるような世界観を構築しています。
ー なるほど、それなら活用しやすいですね!
裁量を持ち始めた社会人4年目。これ以上のことをやるには、「自分自身でやる」ことが最後は必要なんだと感じた。
ー ご自身で、事業をやりたいといった様な意識はいつ頃からお持ちだったのでしょうか?
事業を自分で持ちたいと思い始めたのは、社会人4年目ぐらいですかね。丁度マーケティングの責任者をやり始めた頃くらいです。自分の裁量もある程度いただくようになってきて、逆に会社員としてだったり、管理職としての(裁量の)限界っていうのも分かってきて、これ以上のことをやるには「自分自身でやる」っていうのが最後は必要なんだなっていうのを意識し始めたのが丁度それくらいの時期でした。
ー そこから、株式会社COMPASSの代表を託された経緯についても教えてください。
私は元々親会社である株式会社Casaに転職というカタチで入社をしているのですが、そのポジションが現在の(株)COMPASSの事業のマーケティング責任者ポジションでした。元々、IT×リアルの領域で何かやりたいと思って転職先を探していた自分にとっては、挑戦したい領域でしたし、この領域自体すごい勝ち筋もあるだろうし、不動産業界というレガシーな領域をITの力で変えていくことにもとても興味がありました。(株)COMPASSは、2019年から会社として存在はしていましたが、今年を一つのタイミングにして、事業・会社としても切り出してやっていきましょうと話があった中で、今まで本体の経営企画室でやってたものを子会社に切り出して、任されたという経緯ですね。
ー 0→1の起業とはまた違った、親会社の存在がある中での代表就任という中で、感じてらっしゃるメリットやデメリットもあればお聞かせください。
やはり親会社のリソースを十分に使えるのは、一番大きなメリットであると感じます。今やっているサービス自体も、結局親会社が提供している家賃保証あってのものなので、そこの事業のシナジーがなければ、そもそも事業自体が成立しない、スタートが切れないです。それを本当に0からやろうと思ったら、結局保証会社と提携してなのか、自分自身で保証会社をやるのか、いずれにせよ膨大なコストと時間かかってくると思うんです。そこを親会社のバックアップを受けて、スタートできるのはものすごく大きなメリットだと思いますね。それ以外にも情報面でも、そうですね。私自身、不動産業界が長いわけではないので、まだまだ勉強不足な部分もある中で、本社の代表、あとは役員級の皆さん含めて、業界の知見に長けた人たちの補助を受けやすい立場にあるというのも、非常に大きなところかなと思います。
明確なデメリットと言うのは、あまり大きく感じていないのが正直なところですが、やはり私自身がまだまだ経験不足な中で親会社の助けを借りてやっている状況ではあるので、もっと自分自身が経営者としての経験だったり、知識を積み上げていかないとせっかくバックアップも、私のところで遅れを生んでしまうと感じています。
今後について
ー 中長期的な展開についてお教え下さい。
中期的な展開としては、家主ダイレクトを始め、自主管理オーナー様向けのサービス・システムを完成させることを最優先事項として捉えています。家賃の管理、契約の管理、あとは入居者の管理と建物の管理、ここまでを我々だけではなく、他の提携会社を含め、完成したシステムにすることを中期的にまずやっていかなければいけないと考えています。
長期的には、元々IT業界にいた私個人として思っている部分として、不動産業界は、まだまだデジタル化や効率化が進んでない業界だとも感じています。
不動産業界の方と話すると、専門的な知識や業界経験が豊富な方が多いにも関わらず、日々の電話対応で9割の時間使っている、みたいな。そういったことが結構往々にしてある業界なんです。こういった点も、オーナー様との業務効率化を進める中では進めていきたいな、と長期的には捉えていて、それが結果として、不動産業界全体に価値を提供する様なものになればいいとも思っています。
ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などもあれば教えて下さい。
先ほど申し上げましたが、やはり我々だけで全領域のサービスを提供するのは無理だと思っています。弊社だけではなくて、他業者様だったり他ドメイン領域の会社様と上手く連携していきながら、全体サービスを向上していくことがすごい重要だと思っていますので、是非一緒に何か出来る会社様などあれば、提携のご相談をお待ちしています。
ー 同じ志を持つ業者様・会社様がいたら是非、COMPASSさんに連絡ください。今日はありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございます。