急務とされる中小・地方企業のDX。「ブランディングバンク」が推進する“ブランディングの民主化”とは?ブランディングテクノロジー株式会社 木村裕紀【企業インタビュー182回目】|起業サプリジャーナル

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急務とされる中小・地方企業のDX。「ブランディングバンク」が推進する“ブランディングの民主化”とは?ブランディングテクノロジー株式会社 木村裕紀【企業インタビュー182回目】

公開日:2022.03.11

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新型コロナウィルスの影響によって、急速に求められている企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)。しかし、その実態は(社内の)人材不足やノウハウ不足が顕著な、地方企業や中小企業から遅れていると今回取材をした起業家 木村氏は話す。今回は、これまで3,000 社を超える中小・地方企業のブランディングノウハウの成功パターンを抽出・パッケージ化することで、”ブランディングの民主化”を推進するサービス「ブランディングバンク」についてお話を伺いました。

 

 プロフィール(ブランディングテクノロジー株式会社 代表取締役社長 木村裕紀氏)

1977年神奈川県生まれ。國學院大學中退後、創業期のITベンチャー企業にて新規事業立ち上げと 役員直下の部長として事業運営を経験後独立。 経営するブランディングテクノロジーグループ において、「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」 をミッションに掲げ、ブランド事業、デジタルマーケティング事業を中心とした中小企業様の事業成長を支援する事業を展開中。 2019年6月東証マザーズ上場。一般社団法人ブランド・プランナー協会理事も兼任。

 

 ブランディングテクノロジー株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

我々は、日本企業のうち99.7%を占める中小・地方企業のデジタルシフトを担うというミッションの元、企業のブランド構築からデジタルマーケティング全般をワンストップで行うサービスを提供しています。会社は創業から21期を迎えますが、おかげさまで19期連続増収を続け、その点の評価を踏まえ、2019年には東証マザーズにも上場しています。

 

今回は、中小・地方企業のデジタルシフトによる業績成長を支援する「ブランディングバンク」というサービスについて伺っていきたいのですが、ブランディングバンクとはどんなサービスなのでしょうか?

イメージとしては、企業のブランディングに関わる資産やデータの体型化に伴走する、かかりつけ医の様なイメージです。

企業のブランド・マーケティング資産データと、既に当社が担当している既存顧客3,300社強の戦略データベースを掛け合わせ、事業の成長に再現性を持たせた支援を行うことを可能とするサービスとなっています。フレームワークを活用して経営・事業・マーケティング戦略の全体像をデータ管理・見える化し、ブランド・マーケティングに関わるデータを蓄積、運用することで中小・地方企業様のデジタルシフトおよび、その先の事業成長に寄与するためのツールです。

 

ー なるほど。サービスを通じて可視化された企業のブランディング資産は、その後どうするのでしょうか?

弊社には「フロント人材」と呼ばれる、事業の上流から議論が出来、デジタルマーケティングの戦略企画から予算に応じた振り分けが出来る人材がいるので、そこから次の戦略・打ち手を一緒に考えさせてもらい、PDCAを回しながら、再現性の高いカスタマーサクセスに繋がる支援をさせて頂いております。

 

 

 急務とされるDXと中小・地方企業の課題について

ー 業種・業態問わず、デジタルシフトが叫ばれていますが、それでも中小・地方企業にとってDXの推進は後手に回っているのかと思います。実際に、そこが上手くいっていない背景にはどんなことがあるのでしょうか?

大きくは、3つの課題が存在しています。

 

1.専門人材の不足

2.ノウハウの不足

3.コストの不足

 

まず一つ目の「専門人材の不足」については、我々がターゲットにしている中小・地方企業は、CMO、CDOと呼ばれる様なマーケティングとデジタルの専門性に長けた人材が社内にいないことや、そういった部署すら存在しないケースがほとんどです。そこに興味はあっても、実際に社内では取り組む体制が存在しないという課題が一つ存在します。二つ目は、業界ごとに必要なノウハウや、それらについてのナレッジが蓄積されていないことで起きる、「ノウハウの不足」。最後に、毎月かけられる広告予算も少額の為、大手代理店から予算額で足切りされてしまっているという、「コストの不足」による取り組みの遅れが挙げられます。これらの課題によって、ブランディング・マーケティング視点からのDXが遅れているのが、現在の中小・地方企業の課題です。

 

ー なるほど。現在ブランディングやマーケティングを基盤にした経営判断が必要不可欠な理由についても、お教え下さい。

現在では「パーパス経営」という言葉が、会社経営におけるトレンドワードになっていますが、従来でいう企業理念や、企業における社会的存在意義を掲げることの重要性が、改めて見直されていると感じます。私自身も自分の会社を経営しながら常々感じるのは、集団として継続性を持っていく為に「ブランド」というのは必須ですし、それを時代に合わせて変化させたり、チューニングしていくことも、未来永続的に組織を存続させる為には必要不可欠なことと感じます。

 

しかし、そのブランドの重要性を中小企業に対してビジネスとして提案している会社って、実はそんなに多くない現状もあり、我々はそこを担っていこうとしています。

 

 これまでの経歴から現在に至るまでのお話

ー 起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?

父親も祖父も親戚も自営業という環境にいたので、周囲の影響もあってか、「将来なにかやりたい」というのは高校生ぐらいから考えてはいました。

 

ー そこから実際、どう起業に向けて動いていかれるのでしょう?

元々、大手企業や公務員といった安定したキャリアを望む様な性格では無かったですが、大学を中退した時に、経歴のハンディキャップを背負った自分に、それを超越する様なキャリアを築ける環境が必要だと思いました。そこで「20代でぶっちぎれ!」といった、強いメッセージを掲げていたベンチャー企業を選択し、売上至上主義の世界で毎日数字を追いかけ、23歳で部長職・年収1,000万超え、25歳には個人事業主として独立、といった様な経験をしました。

 

ー すごいですね!(驚)

90年代後半から2000年代前半のITバブルの渦中にいた方であれば、なんとなくそういった会社の存在やイメージは伝わるのではないかと思います(笑)実際にその会社は、私が退職した後に上場も果たしたのですが、上場後に粉飾決算が見つかってしまい、一時期2,500億円あった時価総額は数十億円ほどまで下がり、その後上場廃止となりました。そんな会社の栄枯盛衰を端からみていて、ステークホルダーや社員の存在を無視して、売上だけを追求するビジネスに対する危機感を、その時とても強く感じました。この体験は、後に自分で起業をする際にも教訓となった貴重な体験でした。

 

ー なるほど。そこから現在の会社(ブランディングテクノロジー)が生まれた経緯についても教えてください。

元々、この会社は2001年に創業されたフリーセルという会社が最初の会社です。私は最初COOというカタチで参画をし、09年に代表取締役になった後、14年に創業者からMBOし、18年から社名をブランディングテクノロジーに変え、現在に至るという経緯です。

 

「ブランディングバンク」が生まれた経緯についても教えて下さい。

ブランディングバンクという、サービスは2021年に生まれています。構想を開始した2020年3月当時、弊社も上場して1年目で「さあ、これから!」というタイミングでコロナショックが起き、株価は1/3になり、これから更にロックダウンも控えて・・といった会社の運営的にも精神的にもかなりシンドいタイミングがありました。その時にクライアントから「木村さんの会社がやっている事は間違っていないから、そこからブレずに貫いてください」という励ましの言葉を貰い、『もう一度、会社のミッションに立ち返ってやっていこう』と新しいサービスを考え始めました。

 

ニューノーマルによって変化した社会における企業のブランディングには、デジタルの活用が必須ですし、私たちもコロナを機に会社をもう一段上に成長させようと考えた時、従来の顧客データを管理蓄積すると共に、その成功体験や戦略データを活用することがクライアントにとっても、自社にとってもメリットのあることだと感じ、この環境下に合わせたサムシングツールの必要性を感じました。元々、予算が少ないことを理由に、大手が入ってこない中小・地方企業のデジタル市場ではあったものの、時代の変化と共に顧客はそこにシフトせざるを得なくなりましたし、より手の込んだことを高い効率でやっていくニーズの元に、ブランディングバンクは生まれました。

 

 今後について

ー 中長期的な展開について、お教え下さい。

会社の理想は、船井総研のデジタル特化型の様な企業を目指しています。

私たちの事業は、顧客の成長に繋がる支援が出来れば、自ずと自社の売上も伸びていくというシンプルでサステナブルな構造だと思っています。その為に、まずは現在3,300ある企業アカウントを5,000社まで拡大し、常時管理・フォローできる体制を整えていきたいと考えています。

 

単年度で急激に売上を伸ばす会社ではなく、長期で成長を続ける、中小企業のブランディングのインフラを担う会社を目指し、グループ内からも新たな経営者や事業会社の輩出もどんどんしていきたいですね。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

現在、次世代の経営モデルとして企業の存在意義を意味するパーパス(Purpose)に軸を置いた「パーパス経営」が叫ばれる様になって、大手各社でも見直しを始める企業が出ています。新型コロナウィルスによって、変革を余儀なくされた社会や企業の在り方というアジェンダに対して、答えられるのがブランディングバンクだと感じます。その伴走のお手伝いをサービスを通じて、これからも出来たらと思っております。

 

ー 課題感を抱える地方企業、中小企業にこそ、届けたいメッセージですね!本日は有難うございました。

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