「(新規事業は)どれだけ考えても、あまり当たらない」7番目のサービスでヒットを生んだ、ニュースタイルな起業家の発想を問う。株式会社IVRy奥西亮賀【起業インタビュー179回目】|起業サプリジャーナル

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「(新規事業は)どれだけ考えても、あまり当たらない」7番目のサービスでヒットを生んだ、ニュースタイルな起業家の発想を問う。株式会社IVRy奥西亮賀【起業インタビュー179回目】

公開日:2022.02.01

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宅急便の不在配達やコールセンターの問い合わせなど、日々の生活の中でも触れることの多い「電話自動応答サービス」。従来は、イニシャルコストの高さから導入できる事業者が限られていたのが現実だったが、月額3,000円から利用できるものにまでコストを下げ、電話自動応答(IVR)サービスの民主化を進めたのが今回取材をした株式会社IVRy(アイブリー)だ。今回はそんなサービスと共に、「ヒットした事業に注力をした」という起業家の事業のつくり方・考え方についても話を伺ってみた。

 

 プロフィール(株式会社IVRy(アイブリー) 代表取締役 奥西亮賀氏)

2015年、同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻(博士課程・前期)修了。

同年、株式会社リクルートホールディングス(現:株式会社リクルート)に新卒入社。

保険事業のUI/UXディレクタ〜プロダクトマネージャー、EC事業のプロダクトマネージャーとして、新規事業の立ち上げ〜グロース戦略の策定および実行を担当。その後、2019年3月に株式会社IVRy(旧Peoplytics)を創業し、2020年11月IVRy(アイブリー)正式リリース。

 

 株式会社IVRyについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

電話自動応答サービス「IVRy(アイブリー)」を運営・開発しています。

 

電話対応を自動化してくれる電話自動応答サービス「IVRy(以下、アイブリー)」とは、どんなサービスなのでしょうか?

アイブリーは、月額3,000円から利用できる電話自動応答(IVR)サービスです。

これまでSIerに数百万円かけて構築を依頼していた電話の自動対応システムを、PC / スマホから誰でも簡単に設定できる様にし、従来限られた資本力を持つ事業者しか出来なかったことを小規模ビジネスを営む事業者まで普及させたサービスです。2020年のリリース以降、病院・クリニック、企業の代表電話、飲食店〜美容院など幅広い業種・業態の事業者様に利用をいただいています。

 

サービスの特徴についても教えて下さい。

大きくは、3つあります。

 

1.直感的なUI / UX で誰でも簡単に使える操作性

  1. どんなユースケースにも利用できるカスタマイズ性

3.安価で、すぐ使える即時性

 

一点目のUI / UXについては、PC / スマホ対応で誰でも簡単に利用できるユーザビリティを特徴にしていて、その結果としてユーザーから使い方に関するクレームや、問い合わせをほとんど頂いていない状況です。二点目のカスタマイズ性については、現在20を超える業種の方々にサービスを利用を頂いており、その事業者にとって最適なフローをカスタマイズによって設計出来る仕様になっています。そして、そのサービスを1日あたり100円から利用でき、最短5分で電話番号の取得〜ルール設定・反映出来る、価格と即時性がアイブリーの特徴となります。

ー IVR(電話自動応答)システムって、私たちの生活では”宅急便の不在配達”や”コールセンターの問い合わせ”等で使われているものですよね。

そうですね。これまでは、イニシャルコストの高さから導入企業も限られていたんです。

 

ー 率直な疑問なのですが、なぜそれを小規模事業者が使えるモノに出来たんですか?

コールセンター向けのクラウドPBX(※)は、ここ1〜2年かなり浸透してきたこともあり、業界内で認知を獲得しているサービスもチラホラと見受けますが、私たちが対象としているスモールビジネス向けのものは市場としても認知されずにいました。これは私の仮説ですが、その理由を考察するに【全業種を網羅するシステム設計】と【スモールビジネス向けにまで価格を下げること】に、事業立ち上げの難しさがあったのではないかと思います。

 

なので、我々の考え方としては先に小規模事業者の方が導入しやすい価格から考え、その価格帯でサービスを提供するにはどうしたらいいか?と、逆算して考えていったことが結果的にうまくハマりました。

 

ー なるほど!つくり込んだサービスに値段を付けるのではなく、「価格帯からサービスで出来る機能や工数を考えていく」という発想だからこそ、実現が出来たんですね。

  

 7番目に立ち上げた事業で、当てたサービス。ニュースタイルな起業家の事業づくりを問う

ー 起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?

最初のキッカケは、大学院時代にFacebookの創業を題材にした映画「ソーシャルネットワーク」を見たことでした。自分も理系学部にいた立場柄、そこから自分でアプリを作ったり、友人たちとハッカソンに参加をしたりしながら、モノづくりと事業をつくるプロセスの楽しさにハマっていきました。自分たちが本気で「良い」と思うものを作っていく”プロセス”や、その渦中にある“状態”が心地よくて、新規事業を立ち上げる仕事への興味や、それが将来、自分の起業に繋がればいいと当時から考えていました。

 

ー そこから、アイブリーが出来た経緯についても教えてください。

アイブリーは、実は会社を立ち上げてから、7番目に始めたサービスなんです。

 

ー え!ということは、それまでに6個も別の事業をやっていたということでしょうか?

はい。最初は、人材データ分析サービスから会社はスタートしました。しかし、当時一緒にやろうとしていた事業やメンバーとうまくいかなかった等の経緯もあり、そこから仕切り直しをして、2019年の終わりから「1ヶ月に1つサービスをリリースする」という時期を経て、生まれたサービスがアイブリーです。それまでに生まれたサービスの中でも(アイブリーは)明らかに初速の反応が違く、「コレは絶対いける!」と思って、この事業にドライブをかけることを決めたのが経緯です。

 

ー  そうだったんですね!

 

 「新規事業って、どれだけ考えてもあんまり当たらない」

ー これまでの取材では、ファウンダーが当事者としての課題感を持っていたり、こんな世界を実現したい!など、創業者の強い想いがあって事業が生まれた、というエピソードが多かったので、奥西さんの事業のつくり方が新鮮に感じました!その辺りの思考についても、話を伺いたいです。

実際、起業家の想いや実現したいことがそのまま事業ドメインになった方が、世の中ウケは良い!というのは起業をしてから学びました(笑)
そんな起業家のステレオタイプとは違って、私自身は、皆んなが「良い」と思っているモノを、自分たちで作り上げているプロセスや状態に楽しさを見出している人間なので、ドメインに重きは置くというよりは、顧客の課題がしっかりと定義できていれば、そこに対して苦しんでいる人も存在しますし、それを解決すれば喜んでくれる人もいる、ということなので。大切にしている軸でいえば、【多くの人に使ってもらえて、それによってその人たちが喜んでくれること】であれば、正直分野は後からついてくるなと思っていました。

 

事業を立ち上げ続けた経験の中での「学び」って、どんなコトがありましたか?

起業する前はリクルートに在籍していて、そこでも新規事業を立ち上げていた経験も踏まえての感想なのですが・・新規事業って、どれだけ考えてもあんまり当たらないっていう。

 

ー 一同:(笑)

どれだけ熱量があって、どれだけ知識を持っていたとしても、それでも当たらない、というのが悲しいけど現実なんだと分かったのがリクルート時代でした。当時、保険の新規事業を担当した際、社内で一番、IT × 保険に詳しい人材になったといえる状態になっていたとしても、事業をヒットさせることが難しいという経験をしました。そこから、徐々に現在の様な感覚になっていきましたね。過去の事業は当たりはしなかったけど、別に失敗とも思っていない、という(笑)

 

ー 落ち込むのではなくて、その中から学びを見つけるみたいな?

そうです、そうです。「一段階、解像度が上がりましたね」くらいの気持ちで処理してましたし、起業をしてからも、そのスタンスで現在まできています。

 

 今後について

ー 中長期的な展開について、お教え下さい。

現在はアイブリーをメインに事業展開をしていますが、中長期的な目線ではマルチプロダクト・SaaSで成功していく会社を目指しています。組織のキーメッセージにも掲げていますが、【「働くことは、楽しい」を常識に変えていく】というのを、当然自分たちの会社でも体現したい思うので、それを出来る組織づくりや、どこでも活躍出来る人材を会社から輩出していく企業文化の構築にも力を注ぎたいと考えています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

3つお伝えさせてください。

まずは、サービスをもっと沢山の方に使って欲しいと思っています。現在、1ヶ月無料トライアルもやっていますので、電話応対でお困りの知り合いの方にも是非勧めて欲しいです。

IVRy サービスサイト:https://ivry.jp

 

二つ目は、アイブリーを販売してくれる代理店・パートナーも募集しているので気になる方は、コチラまでご連絡下さい。

 

最後に、直近は大型の資金調達も終え、採用を絶賛強化中です。一緒に働くことにも興味を持ってくれる方がいましたら、是非ご連絡をお待ちしています!弊社Notionの採用ページに概要をまとめていますので、ご覧ください。

 

ー これからのサービス・会社の動向に注目ですね!本日は有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

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