おうち時間の過ごし方が見直されているこのタイミングで、身の回りの生活用品を買い直した方は意外と多いのではないでしょうか?今回取材をしたNext Brandersが手掛けるブランド「Foo Tokyo」は、正におうちで過ごす時間のアップデートや在り方をデザインしてくれるプロダクトだ。日本発・世界に発信出来るブランドを視野に入れ、成長を続ける同社と、そのファウンダーでありデザイナーでもある、起業家 桑原氏にお話を伺いました。
プロフィール(株式会社Next Branders 代表取締役 桑原真明氏)
同志社大学文学部英文学科にて映画・演劇研究、またタイ国タマサート大学での1年間の交換留学も経験し、東南アジア経済について研究。国際協力団体の代表も務める。またアルバイトにて、アパレル企業に2年間従事。その後、東京大学大学院に進学し、計量経済学を専門とする教授に従事、企業のクロスボーダーM&A案件の成功要因について研究。卒業後は米Bank of America Merrill Lynch(メリルリンチ日本証券)投資銀行部門・資本市場部門に入社。企業の財務戦略やM&A/IPO/資金調達に係るアドバイザリー業務に従事。
Tokyo Fashion-technoogy Lab ブランドディレクターコース 3期生
株式会社Next Brandersについて
ー事業内容について、教えて下さい。
弊社では、大きく2つの事業をおこなっています。
・パジャマやリラックスウェアなど、上質な“リラックススタイル”を追求したD2Cブランド
「Foo Tokyo」の企画、運営
・ライフスタイルマガジン「Foo Style Magazine」の運営
ー 上質なリラックススタイルを追求したD2Cブランド「Foo Tokyo(フートウキョウ)」とは、どんなブランドなのでしょうか?
Foo Tokyoは、パジャマやルームウェアを中心に【おうち時間】や【家に帰ってから、次の日外に出るまでの時間】を有意義に過ごしてもらう為の商品を展開しています。なので、パジャマ・ルームウェア以外にもタオルやバス用品やスキンケア商品といったラインナップも取り揃えており、自宅で過ごす時間帯の質を高める提案をプロダクトを通じて、ユーザーに提供していきたいと考えています。
ブランド名の「Foo」は、人が息を吐く「ふぅ」の音から取っていて、商品だけでなく、ブランド名を口に出してもらうだけでもリラックスした気持ちになれるという意味合いも込めてます。
ー ブランドや製品の特徴は、どんなところにあるのでしょうか?
ジャパンブランドに特化して、生地選びから縫製工場までこだわりぬいてプロダクトを展開しています。加えて、ファウンダーである私自身がデザイナーも兼務しているので、自分が持つアイデアとユーザーニーズの双方の観点からモノづくりを0から出来ている点は強みだと思っています。
ナイトウェアやルームウェアは、OEMなどの既製品を使わず全てパターンから自分で起こしています。
我々は、ジャンルでいうとD2Cと呼ばれるカテゴリーに位置しますが、その中でも「自分自身がつくり手である」という点は将来的な差別化に繋がってくると考えています。
ー「Foo Tokyo」がターゲットにしているユーザー層についても教えて下さい。
デザインターゲットは、30代から40代の女性を想定してつくっています。イメージとしては、年齢やライフステージの上昇に伴い、10代・20代から支持されているナイトウェアを卒業して、「もっと品質の高いモノを着たい」「次にどんなものを着ようかな?」と考えている層をターゲットにしています。
ただ実際の購買データをみると、私たちがイメージしていた層以外の老若男女に支持を頂けており、【帰ってきてから、次の日に家を出るまでの時間を上質にしていく】というブランドの理念に共感してくださる方々に手に取ってもらっている、といった状況です。
ー たくさんの層に支持されているんですね!
はい。私たちでも予想していなかった点としては、現在購入の半数は男性となっています。その背景には、ギフトやプレゼント用として、弊社ブランドを選んで頂いているという経緯があり、フリーサイズでサイズの細かな確認がいらず、季節性にも左右されにくいナイトウェア・ルームウェアは贈り物としても丁度良い様です。
将来像はモンクレール。「一点を突き詰めて、その先の世界を拡げたい」
ー ルームウェアやナイトウェアのカテゴリーとしては、とても高価な部類に入るのかと思います。国内だけでなく海外も入れて見たときに競合と呼ばれる先はあるのでしょうか?
アメリカでは、価格も品質の高いルームウェアを展開しているブランドはありますが、明確に競合と意識している先はありません。そもそも、価格帯も高いラグジュアリーなルームウェアはD2Cには不向きだと言われているカテゴリーだったんです。
ー それはどういった理由からですか?
一番の理由は「接客が出来ない」という点ですね。高価格帯な商品であれば、実店舗での試着や世界観の訴求が重要にもなってきますが、多店舗を展開をして・・というのは少し方向性も違ってくる為、D2Cには不向きと言われていました。だからこそ、そこに我々は特化をしてブランド作りをしていますが、世界的にみても「ラグジュアリーなルームウェアといえばココ!」と想起される競合もない分野に日本初のブランドとして挑戦していくことは、個人的には、とても面白い分野だと感じています。
ー なるほど!「Foo Tokyo」が意識しているブランド像などはあるのでしょうか?
将来的に目指しているのは、ダウンジャケットで有名なMoncler(モンクレール)の様なブランドの展開の仕方を意識しています。彼らは、ワンプロダクトに特化してユーザーにブランドイメージを持たせ、その品質の高さを築き上げたうえで、他の商品にも裾野を広げています。
我々もまずは【ルームウェア】という一つの領域で、しっかりとしたモノを作り込み、それを突き詰めていきたいと考えています。それをすることで、日本初・世界に向けて発信できるブランドとしての道が見えてくると信じて、今はプロダクトを作っています。
忙しく働いている人ほど、快適な睡眠に投資をする?同期との会話で見えてきたプロダクトアイデア。
※前職を退職後、ファッションの専門学校に通っていた時代の桑原氏。
ー 起業をされた経緯についても伺いたいのですが、いつ頃から起業を意識していたのでしょうか?
大学生の頃から意識はしていました。学生時代にも、アパレルでアルバイトをするなど。現在と、そう遠くない分野にいたのですが、表現や発信をする立場で生計を立てていくのは大変だということは、その時から感じていました。そこから、最低限一人でもやっていけるスキルを身に付ける為、就職先として金融業界に入りました。
ー では、大学生の頃から今のプロダクトの前進になるアイデアは持っていたのですか?
いえ、持っていませんでした。もっというと、前職を辞めるまでプロダクトのアイデアは持っていませんでした。なにかしたい!とは思っていたものの、とても忙しい仕事でもあったので、在職中に考える時間も取れず、辞めないと考える時間が取れなかったので、先に会社を辞めました。
ー そうなんですね!(笑)ではプロダクト自体は、どの様な経緯で思いつかれたのでしょう?
表現者になりたいという想いはあったのものの、それを何でやっていくかに悩んでいた時期に、前職時代の同期と「最近、何を買った?」という話をしたんです。
その時、同期の口から多く出てきたものが、良い枕や寝具・パジャマといった【寝る時間】への投資でした。それを聞いて、(忙しく働いている人ほど、少ない時間で効率的に癒されるモノを求めているのでは?)と考え始めたのが最初のスタートでした。
そこから「良いパジャマって、どんなブランドがあるんだろう?」と調べたところ、第一想起される確固たるブランドもなく、色々調べていくとこの分野が面白いことに気づきました。そこから、何の分野で起業をするかが決まった感じですね(笑)
ー その後、ファッションデザインの学校にも通って、今はご自身で全プロダクトのデザインをされているんですよね?外部の会社やデザイン出来る人と組んで始めるのではなく、ご自身で全部やるという選択を取ったのは、おもしろいと思いました!
その選択を取ったのは、そこが究極の競争優位性になるとは感じていました。今は、「誰もが作れる時代」になったからこそ、コア(核)になる部分を知っている存在が稀有になると思っています。そして、それを語れる存在も同様です。
伝え方も伝えられる熱量も、自分自身が作っているからこそだせるモノが必ず存在するハズです。私は、それがブランドを作る会社のトップであるべきだと思っているので、まずは自分がちゃんと作れる様にならなければいけない!という強い意志を持っています。
今後について
ー 中長期的な展開についてお教え下さい。
ルームウェアやナイトウェアについて、これだけ細かくこだわりを持って、商品展開しているブランドはそうないと自負しています。日本から世界へといった展開は当然視野に入れつつ、まずは国内での認知を高めて、世界に発信出来るブランドとして成長を続けたいと思います。
ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。
直近では、ホテルや旅館などのブランディングにも弊社のプロダクトが寄与出来たらいいと考えており、そういった先とのコラボレーションやオリジナル商品の開発には力を注ぎたいと考えています。後は、結婚式の引出物やギフト需要にも、こだわりや独自性を発信したい先とも関わっていけたらと思っています。もし興味のあるの先がいれば、お気軽にご相談を頂けたらと思います!
ー 高級旅館やホテルは、御社のブランドとも相性が良いでしょうね!今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございます。