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これからのサービスは売ってからが始まり。サブスク時代のキーワードは「コミュニティタッチ」コミューン株式会社 高田優哉氏【起業インタビュー114回目】

公開日:2019.07.29

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今や、個人向けサービス・企業向けサービスにおいて一般的になっている【サブスクリプション】というビジネスモデル。月額課金という料金形態は、私たちの消費の敷居を下げると共に、様々な恩恵を届けてくれている。一方で、サブスクの台頭によって、売る側の意識の変化が求められていると今回取材をした高田氏は話してくれた。サブスク時代のキーワード「コミュニティタッチ」を提唱する起業家 高田優哉氏にお話を伺いました。

 

プロフィール(コミューン株式会社 代表取締役CEO 高田優哉氏)

パリ農工大学留学を経て東京大学農学部卒業。卒業後ボストンコンサルティンググループに入社し、東京、ロサンゼルス、上海オフィスで戦略コンサルティング業務に従事。リードコンサルタントとして活躍後退職し、コミューン株式会社を共同創業。

 

コミューン株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

 

ユーザーコミュニティに特化したコミュニティタッチツール「commmune(コミューン)」の開発と運営をしています。

 

ー ユーザーコミュニティに特化したコミュニティタッチツール「commmune」とは、どんなサービスなのでしょうか?

 

commmuneは、  BtoB・BtoCのサービスを問わず、サブスクリプションというビジネスモデルが普及してきている中で、サービスのつくり手と受け手の間にある、垣根やコミュニケーションロスを無くし、受け手であるユーザーを”なかま”にする為のサービスです。

私たちはそれを「コミュニティタッチ」という手法で解決をしており、企業とユーザー・ユーザーとユーザー同士が同じ目線を持ち、コミュニケーションが取れる様な“場”をプログラミングなしで簡単につくれるソフトウェアを提供しています。

 

ー 事例としては、どんな企業がどの様に利用しているのでしょう?

 

例えば、完全栄養の主食を販売するBASE FOODさんは、定期購買をしてくれている会員さん限定でcommmuneを活用したオンライン上のコミュニティスペースを設けています。

ユーザーが、普段どうやって食べているかを共有し合ったり、オススメの食べ方やアレンジレシピを共有したりしながら、ユーザー間のコミュニケーション促進と、企業がユーザーとコミュニケーションを持つ場として活用を頂いています。

BtoBのサービスを運営している企業の場合は、サービスの使い方や、導入後の組織内定着に課題を持っているユーザーに対してのノウハウ提供の場や、ユーザー間のQ&Aや活用のためのディスカッションの場として活用頂いています。

 

ー 利用企業は、主にどんな課題感を持たれているのでしょう?

 

サブスクリプションのビジネスモデルをする場合の、一番の課題感は【ユーザーの解約】です。今回のBASE FOODさんの場合であれば、「同じ食べ方ばかりしていて飽きてしまう」というのが解約をもたらす大きな要因でした。

BASE FOODの場合は、商品の特性上、料理が好きというユーザーより「一食で、ちゃんと栄養を補いたい」という合理的な思考の方が多いことが想定されている為、前提として料理が大好きという方とは少し違った層のユーザーが多い傾向にあります。

加えて、世間的にもまだニッチな商品なので、レシピサイトに豊富にメニューが載っている商品でもありません。結果としてユーザーは、普段の食べ方がワンパターン化してしまった結果→飽きてしまう、ということが事実起きているんです。

 

ー なるほど。

 

そういった状況に対して、「新しいレシピを提供し、ユーザーを飽きさせないコンテンツを毎日打っていく」というのは本来企業側がやりたいことではありますが、そのリソースを割けないという状況もある。そうなった場合、そのコンテンツを誰が一番持っているのか?というと、実際に日々サービスを利用している【ユーザー】なんです。

100人いれば、100通りの食べ方があり、それを可視化して、シェア出来る様になれば、ユーザー同士のコミュニケーションも促進され、解約率の低下にも繋がり、そこにかかる人員も必要最低限で済むという点にメリットを感じてもらい、commmuneを利用頂いています。

 

全てのサービスが「所有」から「利用」になってきている。

ー commmuneは、コミュニティサイトのCMSのようなサービスなんでしょうか?

 

そうですね。私たちの思想としては、Facebookのようなコミュニティとコミュニティを横断していくようなプラットフォーマーというより、各企業それぞれに最適化して、いかにそれぞれのコミュニティを活性化するか?円滑にしていくか?を重視して、サービスをつくっています。

 

ー 本来であれば、企業が独自でやることが理想だと思うのですが、それが出来ないのにはどんな理由があるのでしょう?

 

大きくは2つあるのですが、まず1つ目は「非常に工数がかかる」という点。

オンライン上に場所をつくるって、一見簡単でシンプルに見えますが、各社ごとに課題も違えば、それを自社でつくるとなれば機能に落とし込んでいく等、手間と工数が膨大にかかり、一言でいえば、かなりめんどくさいです。

そして、2つ目が「運用」です。

オンラインコミュニティの場合、開発すればそのまま自走するわけではないので、特に初期であれば、企業側のサポートが必須となります。コミュニティが出来上がってきた中期以降であれば、ポジティブに言えば、ユーザーと24時間繋がれますが、ネガティブに言えば、24時間365日、何かしらのリスクが起こる可能性があるので、モニターチェックや監視の工数も出てくるので、当然そこにかける人員とコストが発生します。

それらのリソースとコストを本当に割けるか?という問いに対して、各社が決断を出来ずにいるのが、現在の状況といったところでしょうか。

 

ー  コミュニティ構築という観点では、最近はnoteやツイッター等で企業が積極的にユーザーとコミュニケーションを取っていくシーンをよく見かける様になりましたよね。今、企業が「コミュニティタッチ」を重要視している、その背景には、どんな理由があるのでしょう?

 

全てのサービスが「所有」から「利用」になってきている変化は大きいと感じます。

例えば、家を買うこと自体は、何十年に一回あるかのことですし、一生に一回であることがほとんどの中では、売手とすれば、売り切ってしまえば後は何でもいいんですよね。

ただサブスクに代表されるサービスにおいては、『売るのが始まり』なのです。

 

ー  ああ、なるほど。

 

売るのがゴールの時代から、売るのがスタートの時代になってきている中で、

その後、顧客と、どうコミュニケーションを築いていくか?もとても重要になってきている現在の背景と、それを人でサポートし切るには膨大な工数とコストがかかるという課題に対して、各社が頭を抱えている状況なんです。

 

ー  必要なのは分かっているけど、実際そこまでリソースが割けないってことですね。

 

そうです。その解けない答えに対して、コミュニティタッチという【ユーザーの力を借りる】ってことが、一つのソリューションになり得るというを私たちでは提唱しています。

それに加えて、今は良くも悪くも個人個人の発信力が高まってきているので、それによるリスクもありますが、活かすことでプラスになることもある為、そこをないがしろに出来ないことも大きな理由になっているかと思います。

 

国連で働くため、逆算して歩んできた人生から一転、起業へ。

ー  「起業したい」と意識しはじめたのは、いつ頃からなのでしょう?

 

新卒で入社をする前から考えていました。

 

ー  じゃあ、大学生くらいから意識としては持たれていたんですね。

 

あ、でも実際大学3年までは自分はずっと「国際連合(以下、国連)で働く」と思いながら生きてきて、それに基づいた意思決定を中学生の時からしてきたんです。

 

ー  中学生の時からその意思決定が出来るってすごいですね・・何がキッカケがあったのでしょうか?

 

これは子どもの頃の自意識過剰さが出てしまっているのですが・・

僕は岩手県出身なのですが、勉強が出来たという意味で、おそらく県内で一番頭が良かったんですよね。

 

ー  ええ!それはすごいですね。

 

時はそれを自分でも思っていて・・そこで思っていたのは、「こんなに頭の良い俺は、世の中を変えるべきだ」と。

 

ー  一同:(笑)

 

その時に、「世の中を変えるのはどこだろう?→国連だ!」という思考になって、国連で働くことを決めたんですよね。なので、そこからは、国連では英語に加えて、もう1ヶ国語を話せる必要があるので、高校も英語以外にフランス語の勉強も出来る学校を選択したり、大学も就職の際の競争率を考えてメジャーな領域ではなく、農業経済というニッチな領域を選択したり、院卒じゃないと働く資格を貰えなかったので、院にいく前提で考えていたり・・と常に自分の意思決定を“国連で働く”前提でしてきました。

 

社会全体を良くするには、経済合理性を変えないと繋がっていかないんじゃないか?と感じた。

ー   そこまで逆算して選択をしてきて、起業にシフトした背景には何があったんですか?

 

大学も院にいく前提で考えていましたし、4年生のタイミングで「国連で働く前にインターンをしてみよう」ということで、OECD(経済協力開発機構)にインターンをしに行ったことがあったんです。いざ働いてみたら、「ここでやっていることが本当に世界の為になっているのか?」と感じてしまったんです。

 

ー   思ってた部分と違ったのでしょうか?

 

当時やっていた仕事として、世界の食料廃棄を減らす仕事をしていたのですが、

例えば1人あたり年間200キロの食料廃棄をしていたとして、それによる経済損失が年間××億あるから捨てるのを辞めましょう!と、謳ったところで個々人には響かないし、動かないと思ったんです。

もし、本当にそれを変えたいと思うなら、買い物に困っていて一度にまとめ買いをしなければいけない人たちの為に、より近くにスーパーをつくってあげて買い物の頻度を上げることや、食料を捨てること自体に罰金を課したり、現状の「捨てること」に対する「経済合理性」を絡める・変えることに解決する糸口があると思ったんです。

そこから、(社会全体を良くするには、経済合理性を変えないと繋がっていかないんじゃないかな?)と感じ、そこからビジネスに興味を持って、ビジネスをやろうと思い、一度しっかり学ぶ為、日本に戻ってから就職をしたという背景ですね。

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

 

私たちのサービスでは、如何に企業のサービスに入り込めるか?そして、そこで顧客コミュニケーションの最適化のサポートが出来るかにかかっていると考えています。

そういった点では、もっと出来ることは沢山あると思っていて、例えば、オンラインとオフラインを繋ぐことで価値提供が出来ないか?であったり、コミュニティの形成は、企業とユーザーの接点の一部でしかない為、それ以外のチャネル(SNSやオフライン)でも私たちの提供価値を拡げていくことをしていきたいと考えています。

長期的には、海外への進出を意識しており、顧客コミュニケーションにおけるSalesforce的な立ち位置を狙えるようなポジションを将来的には目指していきたいと考えています。

 

ー 最後に記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えてください。

 

サービスとしてのミニマムの機能も揃って、今回それに加えて資金調達のリリースも出し、原資的な部分でも準備が出来、本格的な成長に向けての準備が整いました。ですが、圧倒的に人が足りていません(汗)

個人的には、今コミューンがいる顧客接点の市場は、これからもっと大きくなる可能性を秘めている点と、これから世界で戦っていこうとしている観点からも、とてもエキサイティングな環境だと思っています。そこに一緒に取り組める方がいれば、是非話をしたいです。

ビジネスサイドのポジション(営業・カスタマーサクセス)は、フィーリングを重視しているので、まずは気軽にご連絡下さい。エンジニアに関しては、既に開発では海外への展開を意識した開発を進めており、国内ではあまり使われていない手法で開発を進めています(※)。こちらも興味がある方がいれば、積極的にお会いしたいと思っています。

 

Next.jsとTypescriptが奏でるUniversal JSの世界~commmune を支えるアーキテクチャ~

 

今がすごくおもしろいタイミングかもしれませんね!これからの展開が楽しみです。今日は有難うございました。

 

ありがとうございます。

 

 

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