基準は「次世代の役に立つこと」動画面接でこれからの採用をもっと楽にする「HARUTAKA(ハルタカ)」(株)ZENKIGEN野澤比日樹氏【起業インタビュー88回目】|起業サプリジャーナル

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基準は「次世代の役に立つこと」動画面接でこれからの採用をもっと楽にする「HARUTAKA(ハルタカ)」(株)ZENKIGEN野澤比日樹氏【起業インタビュー88回目】

公開日:2018.12.17

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テクノロジーによって様々な恩恵を受け、それが如実に生活を便利にしてくれることを感じる現在ですが、「採用は30年前と手法が変わっていないんです」と今回インタビューをした野澤氏に言われてハッとした。社員数10人未満のサイバーエージェントに入社後、ソフトバンクにて電力小売事業の立ち上げ、そして今回はHR領域での起業と道を歩んできた野澤比日樹氏が大事にする「次世代に役に立つことを基準に生きる」のこれまで。そして、これからについて伺いました。

 

プロフィール(株式会社ZENKIGEN 代表取締役 野澤比日樹 氏)

1998年に株式会社インテリジェンスに新卒入社。その後、1999年に創業期の社員数10人未満のサイバーエージェントに転職。大阪支社を立ち上げ、社長室、事業責任者としてマザーズ上場を含む会社の急成長に貢献。個人最高賞である社長賞、組織最高賞のCAJJ賞受賞。事業責任者として当時最短での営業利益1億円を突破。5年間の事業経営で最終年度、売上30億円超、営業利益5億円超を達成。2011年6月には、ソフトバンクアカデミアに外部1期生として参加する中で孫正義会長から声がかかりソフトバンクグループの社長室に入社。(アカデミア 2017年実績 5位/300人中)電力事業であるSB Power株式会社の設立、事業立ち上げに営業責任者として電力小売事業を立ち上げる。電力完全自由化となり個人向けの日本初の森林寄付型の「自然でんき」を発案から販売まで事業責任者として従事。2017年10月に株式会社ZENKIGENを創業し、現在に至る。

 

株式会社ZENKIGENについて

 

> 事業内容について教えて下さい。

 

はい。ZENKIGENでは、企業の採用力を強化するWEB面接・動画面接プラットフォームの「HARUTAKA(ハルタカ)」の開発とサービス提供をおこなっています。

 

> 「HARUTAKA(ハルタカ)」とは、どんなサービスなのでしょうか?

 

これまで人事が面接の設定や、実際の面談に要していた時間を、オンライン(クラウド)と動画にすることで採用にかかる工数を大幅に削減することが出来る動画面接のプラットフォームです。サービスの特徴としては、二つになります。

①録画機能

人事が面接で聞きたい内容を事前に共有することで、応募者が都合の良い時間に撮影した動画をクラウド上にアップすることが出来ます。

②LIVE機能

機能的には、Skypeやappear.inといった現在無料でも利用が可能なサービスと同じですが、HARUTAKAでは面接した動画を一つのファイルとして保存することが可能です。ですので、それを見て上司と面接合否の判断材料にしたり、現場スタッフの面接指導にも当たれたり、などといったことを可能にしています。

よく面接担当者が「会って2~3分で分かる」という話があるのは、(うちの会社っぽくないな)というカルチャーマッチの部分が大きいと感じています。

ただ従来の採用では、その工程に至るまでに、【人事担当者が履歴書と写真を確認して→来社してもらう日時を設定をし→会って直ぐに(ちょっと違うな・・)と思っても、30~40分は面接に時間を使う】といったプロセスを踏んでいます。また、応募者の移動時間や出費も少なくないため、面接を【する側・される側】の双方に無駄が発生していると考えています。

動画1分の情報量は、Webサイト3,600ページ分に相当すると言われています。

それを採用の入り口で有効的に活用することで、もっと採用にかかる労力と工数を削減出来、人事が本来すべきである教育や育成といった時間にも手が回ることを可能にするサービスが「HARUTAKA」です。

実際にサービスを導入頂いた企業の事例として、

エントリーから1次面接までの選考プロセスに、これまで100時間を割いていた企業が、7時間まで減らしたといった事例も出ています。実に93%の業務コストを削減出来たことになっています。

参照:動画面接の導入で選考時間が93%大幅削減で強烈な効率化。

 

> 93%も!?それは凄い。御社は起業された直後の資金調達でも話題になりましたね。

 

はい。起業して直ぐに資金調達をしたことには二つ理由があります。

一つ目は、変化の激しい現在のビジネスシーンにおいて、キャッシュ・フロー経営(※)や黒字化してから・・というスピードでやっていくのでは「遅い」と考えているからです。なので、スタートからアクセル全開でいこう!と言うことで資金調達をしています。

二つ目は、私自身がそういった思考になっている理由にもなるのですが、外部1期生としてソフトバンクアカデミアに入学して以来、孫さんも大好きな“マネジメントボードゲーム”を何十回とやってきました。ゲームの勝敗を左右するのは原理上、【まずスタート時に借りられるだけのお金を借りて、一気に設備投資をし、(それを)めちゃくちゃ早く回転させる】という方法でしか勝てないんです。孫さんはそれを現実世界でやっています。アカデミア生は、全員それを理解していて、それが染み付いているので、現実の起業世界では、それを実行したという理由にもなります。

※.現金を重視していく経営手法のこと。会社の手元資金を確保して、増やすことを大事にしている、

 

> そういった理由だったんですね!ちなみに、ZENKIGEN(ゼンキゲン)という社名にはどんな意味がこめられているのでしょうか?

 

社名は、禅の言葉である「全機現」から取っています。

「人が持つ能力の全てを発揮する」という意味なのですが、私の師の一人に、元バドワイザーの米国本社副社長兼バドワイザージャパンの初代会長である近藤さんという方がいます。

アメリカ資本主義のど真ん中で上り詰めた凄腕の方で、現在は禅の考えを重視した、若手の育成などに力を注いでいる方です。そんな近藤さんからは、会う度に「お前、全機現して生きているか?」と言われてきました。

起業をするにあたっては、私自身が会社の中で「全機現」することは当たり前ですし、もっと広い意味で『多くの大人が「全機現」する社会をつくり、未来を担う子どもたちが“夢”や“希望”を持って、社会に出られる様な世界をつくりたい』といった想いも込め、ZENKIGEN(ゼンキゲン)という社名にしたんです。

最初は、社名もそのまま漢字で「(株)全機現にしよう!」と提案したのですが、全員に反対され、現在に至ります。

 

> 一同:笑

 

「HARUTAKA」を思いついた経緯について

 

> 「HARUTAKA」は、どの様な経緯で生まれたサービスなのでしょうか?

 

とにかく「人(採用)が採れない」という状況の中、人事部は採用ばかりに工数を取られていて、本来人事としてもう一つ大切な仕事である「育成」に手を回せていないといった状況があります。

ましてや、これから新卒も通年採用に変わっていく中では、人事はひたすら面接・採用ばかりをする→(しかし)人が採れない→もっと採用に工数をかける→育成(教育)がおろそかになる→採用した人が辞めていく→また採用に・・という悪循環なサイクルが加速する企業が出てくると予想しています。

これは、採用する側・される側の双方にとっても負担が大きいですし、どこかでこれを止めていかないと負の循環が止まらないと思ったんです。

これらは景気の良い悪いではなく、日本の構造的な話。つまり、

60歳を過ぎた方がどんどん引退され、(後釜を担う)若者は減っている、という人手不足から生まれている話なので、これから10年20年と続くことになるだろうという課題を感じていたのが、そもそものきっかけです。    

加えて、人事の領域って未だにテクノロジーが入りきっていないんです。

なぜかと言うと、一般的には、ITリテラシーが高くない人達が集まっているのが人事部門ですし、保守的な人達が多い部門も人事部だからです。

なので、App Storeにあがったアプリがいきなり人事の業務フローを変えることは無理ですし、ちゃんと人事部に行って、採用のフローを変えていくことまでをやっていかないと変わらないです。

そういう意味では、我々の様なBtoBの得意な“おっさんベンチャー”の勝ち筋が見えましたし、海外でも先に成功している事例のあった「動画面接ツール」をビジネスとして開始しようと「HARUTAKA」が生まれました。

 

27歳の時に「次世代に役に立つことを基準に生きる」って決めたんです。

 

> 野澤さんのこれまでについても伺いたいのですが、前職(ソフトバンク)にいた時から起業をしようと思っていたのでしょうか?

 

いや、考えてはいませんでした。

サイバーエージェントからソフトバンクに入社したきっかけは、当時震災が起き、原発の問題が起こったタイミングで、「原発の様な問題を次の世代に残してはいけない、原発のない社会をつくらなければ」という使命感から、次世代のエネルギーに変わる再生可能エネルギーを社会に普及させることをしようと思い、それをソフトバンクアカデミアで孫さんに提案したのをきっかけにソフトバンクに入社したんです。

ただ、ソフトバンクに入社する前に人事担当専務に「自分の役割を果たしたら、この会社は辞めます」と言って入社したんですね。

 

> 入社する前から辞め方の話をしていたんですね(驚)

 

サイバーエージェント時代に新規事業を創ることばかりやっていたので、自分の得意分野は、0→1を創ることでした。ソフトバンクの様な大企業には、1を100にしていくことを考える優秀なメンバーは自分以外にも沢山いたので、自分自身が一番得意とする、0→1の役割を果たしたら自分は辞めます、と宣言して入社をしました。

実際に辞める際は、

・法人向けの再生可能エネルギー比率の高い電力小売り事業の立ち上げ

・個人向けの再生可能エネルギー比率の高い電力小売り事業の立ち上げ

をそれぞれ行い、残り4つの施策をすれば、自分の役割は終わりという状態をつくり、それを取締役会で施策の決議を取った、その会議後に社長に「辞めます」って言ったんです(笑)

 

> また辞め方もかっこいい(笑)起業の意識は、どのタイミングから考えていたのでしょう?

 

「起業をしたい」というのは20代から考えていたものの、ある時からそれが「目的」になっていると感じたんです。

【自分一人で0から1をつくることで社会に与えられるインパクト】と【大きな会社のそれなりのポジションで世の中にそれなりのインパクトを与えられること】は、どちらが良い悪いじゃないと思うんです。それに気づいた時に、(自分は起業が目的になっているな)と感じたんです。

 

> なるほど。

 

そこから27歳の時に「”次世代に役に立つこと”を基準に生きる」って決めたんです。

それを決めた時に、

・自分が0からやるのか?

・組織の中で次世代に繋がる大きな仕事ができるのか?

という考え方に変化をしていきました。

なので、繰り返しになりますが、起業自体が目的ではありませんでした。

 

 今後について

 

> 中長期的な展開についてお教え下さい

 

今後は、「人事×AI」を軸にした展開を考えています。その為に、弊社では東京大学との共同研究も始めており、幾つかの企業様とはサービスを活用頂きながら、実証実験をさせて頂く、といった業務提携も結んでおります。

長期的な展開の一例としては、声帯から、その人の状態や感情を読み取ったり、そこから“鬱”を抑止したりといったことまでが、AIを絡めて可能に出来ると考えております。

これらは既に「音声病理分析学」といった学問として効果も検証されており、我々はその音声認識研究の第一人者でもある光吉俊二准教授と、それを「人事」に取り入れる様な共同研究をスタートしています。

「働く人たちの働きやすい環境をAIでつくっていく」ことをやっていきたいと思っています。

 

> 最後に、記事内でお伝え出来る告知事項などもあれば教えて下さい。

 

ZENKIGENでは、現在積極的に採用を行なっています。

我々は「テクノロジーを通じて人と企業が全機現できる社会の創出に貢献する」というビジョンを大事にしています。私も経営者として、ここからブレずに経営をしたいと思っていますし、現在そのビジョンに共感したメンバーが13名集まってくれています。

その温度感を保ちながら、ここから組織を拡大していくにあたっては、今参画してくれるメンバーは、これから入る社員にビジョン伝えていくメンバーでもあると思っていますので、想いに共感してくれる方の応募をお待ちしています!

 

> 社会に対しても、これから増えていくメンバーに対しても「全機現」していける醍醐味のあるフェーズですね!今日はありがとうございました。

 

ありがとうございます。

 

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