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就業規則作成時に知っておきたいこと(そもそも就業規則って何?)

公開日:2016.10.27

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みなさんこんにちは。

社会保険労務士法人日本人事で代表を務めている山本喜一と申します。

 

就業規則って、どんな役割のものでしょう。

簡単に言うと、「会社のルール」です。

もう一歩踏み込んで言うと、会社と従業員の契約書の一部です。

 

労働基準法では、会社は従業員に対して労働条件の明示が必要となっています。しかし、言った言わない、そんなものはもらっていないなどのトラブルを防止するために、お互いサインをして両者が同じ書面をもつ、労働契約書(兼明示書)という形にしていることも多いと感じますし、おすすめもしています。

そして、就業規則もまたお互いが守らなければいけない、契約内容ということになります。

 

就業規則と労働契約書

就業規則と労働契約書の内容が違う場合、力関係があり、就業規則の内容が優先されます。

ただし、労働契約書の内容が従業員にとって有利な場合は、その部分は労働契約書の内容が優先されます。

 

また法律も合わせて力関係を表すと下記のようになります。

 

法律 > 就業規則 > 労働契約

 

つまり労働契約の内容よりも、就業規則の内容の方がよい条件であれば、労働契約の内容は無効となり、就業規則が優先されます。また法律を下回っている場合も無効で、法律が優先されます。わかりやすい例としては、労働契約で「時給500円」と従業員も合意していたとしても、最低賃金法により、時給907円(東京都2016年9月現在)を下回っていますので、時給500円の合意は無効で、時給907円で計算をした金額を払わなければいけません。

 

契約内容というと通常はお互いが合意して決まるものですが、就業規則は少し特殊です。契約内容だけれども、就業規則の作成時には、会社が内容を決めて作成します。

 

ただし、一度就業規則を作成すると、その内容が契約内容となりますので、従業員にとって有利にする分にはいつでもできますが、従業員にとって不利な変更をする場合には、従業員の合意が必要になります。「不利益変更」という言葉を聞いたら、このことだと思ってください。

 

イメージとしては、「ボールペンを100円で購入する契約をしていたとき、購入する側が突然一方的に90円ね、と言えない」ことと同じです。

 

就業規則の作成

就業規則を作成する際には、「できない約束はしない」ことが重要です。できない約束をしてしまってもそれが契約内容なので、守られていなければ、後で様々な請求をされてしまうことがあります。

 

大きな会社にいて独立をされた方で、以前にいた会社の就業規則をそのまま使ってしまったり、知り合いの経営者から就業規則のコピーをもらったりすると、知らないうちにできない約束をしてしまうことがあります。また書籍についている雛形やウェブにあるモデル就業規則なども同様です。いずれにしても、契約内容と思うと、“自分がよくわかっていない”というのは問題ですよね。雛形などをご使用の際は、知識がある人が自社に合った形に修正をして使用することをおすすめします。

 

社会保険労務士の役割

「社会保険労務士に就業規則の作成を依頼すると、値段が大きく違うことで何が違うのか?」とよく聞かれますのでご説明をしておきますと、私どものところでは大きく分けて、下記の3つのタイプに分かれます。

・法律を守っているミニマムなもの

・一定の雛形から会社に合った形に修正をするセミオーダーなもの

・詳細にヒアリングをして、会社に合ったものを作成するフルオーダー

また上場などを視野に入れた場合、その他規程の整備なども行います。

 

補足

あまりルール、ルールとうるさく言うと雰囲気がよくなくなってしまうこともあると思います。確かに創業時のメンバーは心が通じていて、みんなが同じ方向を向いていることが多いと思います。しかし、新たに“人を雇う”ということは、「違う考え」、「他人」が入ってくるということを意識してくださいね。

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山本喜一

特定社会保険労務士(登録番号:13060445) 精神保健福祉士(ストレスチェック実施者) 第一種衛生管理者 メンタルヘルス法務主任者・産業保健法務主任者 運行管理者(貨物) ファイナンシャルプランナー RBS認定エグゼクティブコーチ 東京都中高年勤労者福祉推進員 外国人技能実習制度法的保護情報講習講師 中小企業庁ミラサポ専門家 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)専門カタライザー 第二東京弁護士会 労務・社会保険法研究会 外部専門家 学校法人産業能率大学 非常勤講師 株式会社トライアンフコーポレーション 社外取締役(2014年9月~現任) 株式会社リバネス 監査役(2019年6月~現任) 株式会社リバネスキャピタル 監査役(2020年1月~現任) 株式会社メタジェン 監査役(2020年5月~現任) 得意分野は、メンタル不調者対応、問題社員対応、労働基準監督署対応、IPO支援、 評価制度など。特にややこしい案件の初期対応で、会社の進む方向性を経営者と一緒に探します。 東京商船大学大学院修了 工学修士。 その後、財団法人日本品質保証機構へ入構。計測部門と法務部門を経験する。 計測部門では、“長さ”を専門とし、ノギスから特定二次標準器まで校正し、日本各地の現場を巡る。他に外部研修講師、海外研修生講師を務める。また、産業技術総合研究所との共同研究にも携わる。法務部門では、危機管理、契約書検討業務を中心に、弁護士と連携し企業法務に携わる。訴訟対応も経験。また、コンプライアンス、契約書について内部研修講師を務める。 退職後、社会保険労務士法人日本人事を設立する。法務部門での経験を活かし、労務に関するトラブルへの対応及び各種コンサルティングを主に行う。また企業コンプライアンスの浸透も行う。 研究者、技術者、職人という経験から、現場の視点と経営者の視点の両面から、労務問題の解決を探る。また起きてしまった問題を表面的に解決するだけではなく、企業の危機管理として根本的な原因を考える。 労働組合役員も経験し、現場感覚を活かした解決策に定評がある。そして、日本一工場を愛する社会保険労務士である。

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