【起業インタビュー第23回】「雲1つの翳りなく自分たちの仕事を誇りとできるチームで、日本を勝たせる」トップヘッドハンターの断固たる決意|起業サプリジャーナル

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【起業インタビュー第23回】「雲1つの翳りなく自分たちの仕事を誇りとできるチームで、日本を勝たせる」トップヘッドハンターの断固たる決意

公開日:2017.05.08

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このチームは、雲1つの翳りなく、自分たちの仕事を誇りとできるチームです。 一緒に歩む仲間を大事にしつつ、日本を勝たせることができるような事業を展開したいと思っています。

日本トップのヘッドハンターは、躊躇うことなく、取材の最後にそう言った。

 

志水 雄一郎(しみず ゆういちろう)氏

株式会社NET jinzai bank代表取締役社長。
グロービス・キャピタル・パートナーズをはじめとした国内外を代表するベンチャーキャピタルとの協業モデルを特徴とし、国内有力スタートアップ企業を中心に多数のCxO・役員を輩出しているヘッドハンター。2015-16年「Headhunter of The Year」2年連続受賞。2017年 国内唯一の「殿堂」入りヘッドハンターとして認定。
「for Startups」をビジョンに、東証一部上場企業グループ傘下にてインターネット・リアルテックセクター専門タレントエージェンシー「NET jinzai bank」を2013年事業化、2016年法人化。

 

転機

「40才を区切りに考えた」という男性は、私の周りにも少なくない。志水氏もまた、その1人だった。

40才とは、人生の区切り、折り返しです。
半生を振り返った時に、期せずして「聖者の思考」に陥りました。今までの人生は正しいのか、自分が事業計画書を作成し役員会に上程して世に送り出したサービス「DODA」は日本を幸せにしているのか、と。

当時所属していた大手人材総合サービス企業で、それなりの評価と給料はいただいていたと思います。
HR業界では業界TOPのリクルートグループにて40歳で役員になっていなければ退職すべきという時代がかつてありました。私が所属していた会社ではそのようなことはないでのですが、HR業界に長く身を置く自分としては、それは何処かで業界のルールのように思っていました。

Facebookでは、高校の同級生だけでも、シリアル・アントレプレナー、誰もが知っている実業家、医師、国会議員など、挑戦し、成功している人と多く繋がっています。彼らの投稿を見ると、挑戦していない自分との差をまざまざと感じ、嫌になる自分が当時いました。

私は、新卒から長くHR業界、それも1社のみでの就業経験であり、そんな私が、折り返し後半の人生で社会貢献するためにはやはりHRで生きていくしかない。
しかも、内需や目先の儲けに走るのではなく、日本を勝たせるために、外貨を獲得できるような新産業を創り出すことにフォーカスしよう、そう決めました。
そしてたまたま、当時上場準備中だった株式会社ウィルグループとご縁があり、「外貨獲得のための新産業創出」の事業化が始まりました。

 

トップヘッドハンター

自身がやりたいことを明確化した志水氏。その実現のために固めた決意とは―。

この事業を率いるのならば、私自身が業界内で何等かのモノサシでNo.1に一気に駆け上がろうと決めました。事業を統率する者がNo.1になってはじめて、マーケットに影響力を行使できると考えたからです。
その結果、転職サイト「ビズリーチ」での転職支援の実績や会員の評価を基に決定される「ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー」を史上初めて2年連続で受賞させていただきました。
おかげさまで今では、各々が優秀なストーリーを持つ28名のメンバーと事業展開を進めることができています。

No.1になると決めてそれを実現することは一流の証だ。しかし、どうやら超一流は、「2年連続受賞者がいないのなら自分が初めてそれになる」と決めてそれを実現するようである。
ちなみに現在の志水氏は、国内唯一の殿堂入りヘッドハンターとして認定されているそうだ。

 

「たまたま」の出会い

NET jinzai bankが躍進を遂げるもうひとつの要因は、ある方と志水氏との出会いにあったという。

2013年の夏、国内有数のベンチャーキャピタリストであるグロービス・キャピタル・パートナーズの今野穣さんをたまたまご紹介いただきました。そこで、協業させていただけないかとご相談したところ、新たな投資先の中の1社をご紹介いただきました。
とはいえ、「ベンチャーキャピタルと共にベンチャー支援を継続的にコミットしてくれるHR企業は皆無」――それが今野さんから見たHR業界の現実でした。後日談ですが、私たちのことも“one of them”だと考えていらっしゃったようです。

ご紹介いただいた会社は、スマートニュース様でした。私たちはスマートニュース様に必要なCxO、主要メンバーを揃え、垂直立ち上げをサポートさせていただきました。
その実績が次の企業のご紹介に繋がり、同時に他のベンチャーキャピタルにも注目していただけるという好循環が生まれました。
すべてはご縁とタイミングです。ベンチャー支援における最初のご縁が、今野さんとスマートニュース様・・・組み合わせが違えば、私たちNET jinzai bankのストーリーも確実に違っていたでしょう。

縁とタイミングは、それを活かせた者だけが口にできる言葉だと思う。活かせなかった者にとっては、それは縁でもタイミングでもないのだから。

 

日本の現状と課題

少なくとも私の狭い知見では、日本は今なお「比較的恵まれた国」だと考えていた。だが、志水氏の話を伺う限り、そうとも言えないようだ。

動物には、種の存続のために最適な環境を選択するという本能があります。では、日本は、動物たる人間にとって最適な環境なのでしょうか。

日本の平均年収は世界13位、可処分所得はさらに低順位です。GDPが世界3位だからといって、生活水準がそれに比例しているわけではありません。
そもそも、ペリーが黒船で浦賀に来航した今から160年ほど昔、日本のGDPは世界4位だったそうです。それを考えると、日本のGDPは当時から「すごく」伸びたわけではなく、「ちょっと」伸びたに過ぎないんです。 あるリサーチでは、このGDPも、これから30~40年後には、良くて4位、悪くて8位まで落ちると予測されています。就労人口は6,000万人から3,000万人に減ります。

日本は輸出大国と言われることがあります。かつては、時代の変遷と共に、造船や家電・自動車という輸出製品がありました。では、これらに匹敵する輸出物が今の日本にあるのでしょうか。
日本の時価総額ランキングにて圧倒的No.1企業であるトヨタでも、世界全体での時価総額ランキングにて40-45位ぐらいであり、時価総額上位を占めるインターネット企業を多く輩出する米国や中国と比較した場合、日本は世界でも競争力のある新産業創出において大きく遅れをとっています。
企業としての評価額が10億ドル以上かつ非上場のベンチャー企業であるユニコーンの数で比べても、アメリカで約140社、中国でも約50社あるのに比べ、日本はわずかに2社。DMMとメルカリだけです。
また、収入面でみても、日本のインターネット業界の上場企業の平均年収は33才で530万円位と云われる一方で、米国は、Google社の新卒で最低1,200万円、Facebook社の新卒で最低1,700万円と言われています。

これらの客観的な状況からすると、動物たる人間にとって、今の日本は最適な環境とはいえません。

米国や中国に圧倒的な差をつけられているのは、生産性の高い、外貨獲得性のある新産業を生み出せなかった、私たちを含めた上の世代の責任です。ですから、少なくとも私は、日本を幸せにする義務があると思っています。このままでは、日本には悲しい未来が待ち受けていますから。
今必要なことは、日本の総生産の最大化です。外貨獲得のために何の産業をどれくらい伸ばすのか、あるいは新しい産業を生み出すのか、ということに注力しなければなりません。

 

日本を幸せにするために

日本を幸せにするために、志水氏とNET jinzai bankはどのような事業展開を考えているのだろうか。

2017年より有力VCと協調投資を行うベンチャー投資事業をスタートさせ、転職~起業支援までをサポートしている既存のタレントエージェンシー事業と組み合わせて、ハイブリッドキャピタルとして事業展開していきます。
日本の競争力に繋がる可能性のある事業を生み出している有力ベンチャーにヒトもカネも投資して、ハンズオンでコミットし、必ず勝たせ切るサービスを志向しています。現在、日本にこの形態のサービスを展開するチームはほぼ皆無です。

ハイブリッドキャピタルとしてグロースさせた後、インキュベーター、アクセラレーター、オープンイノベーション、M&Aなどの事業を併せ持ったスタートアップグロースプラットフォーマーとして昇華させていきます。その結果、日本から世界で勝負できる企業を一つでも多く生み出し、日本の競争力の源泉としたい。
日本を勝たせ、そこで働き、生活する国民をより幸せにすることが私たちの明確なミッションです。

NET jinzai bankというこのチームは、雲1つの翳りなく、自分たちの仕事を誇りとできるチームです。
だからこそ、一緒に歩んでくれている仲間たちと共に必ず成功したいですね。日本を代表する1社となり、かつ、日本で最も働き甲斐のある場としたいと思っています。この挑戦を思う存分楽しみます。

 

編集後記

特にルールがあるわけではないが、毎回の取材後、インタビューさせていただいた方には、お礼の一言と共にfacebookで友達申請させていただくことが私の中の慣例となっている。
しかし、うまく書けないが、志水氏に友達申請するのは何だかおこがましい気がして、躊躇してしまった。

取材当日の深夜、messengerでの新規メッセージとfacebookの友達申請が届いた。
「NET jinzai bankの志水です。本日は有難うございました。引き続き宜しくお願い致します。」

 

「1回お会いしたご縁を何かに繋げよう、お返ししたいと思っている。出会いを大事にしている」と話していた取材中の志水氏の言葉を思い出した。差というのはきっと、こういうところにあるんだろうな…。

 

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