スマートフォンの可能性を信じて起業。LINEを利用した順番待ちサービス「matoca(マトカ)」を展開するブレイブテクノロジー株式会社 磯本 悟 【起業インタビュー第219回】|起業サプリジャーナル

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スマートフォンの可能性を信じて起業。LINEを利用した順番待ちサービス「matoca(マトカ)」を展開するブレイブテクノロジー株式会社 磯本 悟 【起業インタビュー第219回】

公開日:2024.10.09

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ご飯時はどうしても人の出入りが重なるもの。行列を目にして踵を返した経験は誰でもお持ちではないでしょうか。お店としても頭の痛いこの問題に、スマホを活用することで対処し、双方の満足度を高められたら。そんなサービスを展開しているブレイブテクノロジー代表の磯本様にお話を伺いました。

 

ーどんな事業を展開しているのでしょうか。

LINEで順番待ちができるサービス「matoca」の開発と販売をしています。簡単に使えることをコンセプトにしていて、5秒で発券ができる使いやすさを追求しています。よく行列ができる飲食店では、用紙に名前を書いて待つことがあると思いますが、それをLINEで置き換えたものになります。

導入先は主に喫茶店や寿司屋、ラーメン屋などの飲食チェーン店が多いのですが、他にもクリニックや商業施設、小売店や理美容室などでもお使いいただいています。 その他にも、自治体のマイナンバーの発行や、保育所の申し込みなど混雑する季節にスポット的に使っていただいたり、特殊な例では、Jリーグの自由席のチケットを持っているファンが、良い席を求めて徹夜で並ぶ行為解消のため、matocaに抽選機能を追加し、公平に、当日の入場順を決めるサービスも提供しています。

matocaの主な使い方は、タブレットとプリンターを店頭に置き、お客様が発券し、その整理券のQRコードを読み込むと、LINEに連携され、LINEで呼び出し通知を受けることができます。

いまだに店頭の用紙に人数や席の希望を記入し、そのまま店頭で待つお店も多いので、そのようなお店に使っていただくサービスです。

お客様の利便性向上だけでなく、ボタンひとつで呼び出せるのでスタッフの業務効率改善にも繋がります。また、紙に書かれた名前が呼びにくい時もありますし、最近では特に海外からの観光客も増えましたので、店頭で名前を大声で呼ぶというストレスのかかる業務からも解放されます。こうすることで、飲食業者の人手不足に生産性改善という形で貢献できるかと思います。

 

ーこのサービスを展開するまでの経緯を教えてください。

私は元々、ハードウェアエンジニアをしていたのですが、30歳の時にソフトウェアエンジニアに転向しました。まだガラケーがあった時代で、それらのソフトウェアを開発していました。その後迎えたスマートフォンの黎明期に、その可能性を強く感じ、Googleの勉強会のために渡米するなどして横のつながりを広げました。スマートフォンを活用した新しいビジネスを作りたいと思ったんです。会社を作ったばかりの頃は、よくあるソフト会社で、受託開発を主にしていたんですが、自社サービスを作りたいとずっと思っていて、そこで「matoca」をリリースしました。

私自身が「待つ」ことが大嫌いで、順番待ちをどうにかしたいという思いが強く、飲食店さん向けにサービスを開発しました。2017年にプレスリリースを出したところ、大手の喫茶店チェーンさんからお問い合わせをいただいたことを皮切りに、ありがたいことに各業界に広がっていきました。ほとんどがインバウンドでの受注です。飲食店だけでなく、クリニックなど、どこでも行列はできますから、色々とお問い合わせいただいた業態にそれぞれ対応しています。更にその業界内での横の繋がりから問い合わせを頂いたことが多かったですね。

アウトバウンドでの電話営業はこれまで一切していません。行列ができるお店が顧客になりうるものの、外からではその店舗の混み具合やそれに関する課題はわかりにくいですね。そこへの電話営業や飛び込み営業の効率は悪いので、インバウンド中心になっているのもあります。しかしながら、お客様も増え、対応できる業種も増えてきましたので、これから改めてアウトバウンドについてはやり方含め考えてみたいと思っています。

 

ーこれだけお問い合わせが来るということは、サービス自体が顧客満足にものすごく繋がってるっていうことですよね。

ありがとうございます。そうですね、ユーザーの皆様がどのように使っているのかを実際に見に行ったり、どんな部分にストレスを感じているのかを分析することを大切にしています。どなたと商談をしても使いやすいですねという言葉をいただいており、使い勝手には自信をもっています。

 

ー起業する中で苦労された点はございますか?

大阪で起業し受託開発で仕事を受けていたんですが、大阪だけだと市場が小さくて、よく東京まで案件を取りに行っていました。営業も自分でしておりましたので、毎週新幹線で東京と大阪を行き来して、営業して帰ってきては大阪のエンジニアたちと一緒に開発していたんです。お客様の仕様にも縛られましたし、事業の方と一緒に徹夜することもあって、体力的にも結構しんどかったですね。

自社サービスになると、こういうのはある程度自分たちでコントロールできるようになりましたが、これも始めたときは大変でした。よくあるスタートアップだと資金調達をしてお金が潤沢にある状態で、という方が多いと思うんですけれども、100%自己資金でしたからまずこれに苦労しました。加えて、開発も販売も資金調達もしないといけないのに、全部1人でやっていたんです。それでも、この事業はどうしても広げたいと思っていました。事業の可能性は確信していたのでなんとか続けてきまして、2、3年前ぐらいから事業も安定してきました。

 

ー社長ご自身がエンジニアでいらっしゃった、という点で大変だった点を伺えたかと思うのですが、良かった点もございましたか?

「私がエンジニアだったから今がある」と思ってます。物作りのことがわからないと、どうしても外注や業務委託で開発することになりますので、作りたいものにたどりつくまでに時間ばかりかかってしまいます。。当社の場合、私自身が開発をしていましたし、仕様も直接見れましたので、スムーズに進んだかなと思います。

ただ、受託開発から自社サービスに切り替えるのは、やり切ることは必須で、簡単にやめるわけにもいかないです。そして、世の中に出してそれを改良し続けないといけない。逆にいろいろ作れるがゆえに、何かこの分野、もっとやれないかなとかって思うこともあると思うんですが、目移りしすぎると方針が定まらなくなってしまう。ブレイブテクノロジーのミッションとしては、時間をデザインする、をキーワードにしていますので、その実現に貢献するかを判断軸にすることにしていました。

 

ー今後の展望はどのように描いておられますか。

そうですね、ちょうど、事業が軌道に乗りましたので、次の事業計画を構想中です。当社は流山市にオフィスがあるんですが、日本で一番、人口が増えている場所の一つで、子育て世代にはすごく人気があって若い都市なんです。私自身も子供を育てるのに住環境のいいところでゆっくり暮らしたいと思って、探して見つけたのが流山おおたかの森だったんですが、引っ越して住んでみると、すごくいい町で子育てもしやすい。その中でオフィスも持って、地域に根差した企業になりたいと思うようになりました。元々は子育て環境がポイントではあったんですが、流山は日本でも人口が増えていて、そのことから直面する課題はこれからの社会における最先端のものになりやすいはずです。ここに根差した企業になることで、これからの社会に通用するサービスを作る助けになればと思っています。

そういう社会課題に対してやりたいことはたくさんあるので、ブレイブテクノロジー以外に2つ会社を分けて持っています。物流業に関する2024年問題を踏まえた物流業界向けのサービス会社と、医療業界向けに特化したサービス会社です。ゆくゆくは、更に課題に応じて会社数も増やしたいですし、今は私がすべて社長をやっていますが、きちんとそれぞれにも社長をたてて、ホールディングスとしてやっていきたいと思っています。それぞれでやるべきこと、やりたいことはたくさんあります。お客様と向き合ったときに相手の立場にたって、本質をとらえて考えられるような方には、ぜひ来ていただきたいです。場合によっては将来の各社社長候補にもなっていただけるかもしれません。

 

ー本日はありがとうございました。

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