パスポートの歴史|ビザサプリジャーナル

  1. ビザサプリジャーナル TOP
  2. パスポートの歴史

パスポートの歴史

公開日:2023.02.10

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

パスポートとは、海外で国籍・氏名・年齢など、自分が何者であるかを証明できる身分証明書です。出入国時には必ずパスポートの呈示を求められますし、外国滞在中に事件に巻き込まれた場合など、必要に応じていつでもどこでも呈示を求められます。今回はそんなパスポートの歴史を見ていきたいと思います。

最初に発行されたパスポートはどんなもの?

 幕末から明治初期にかけて「旅券(パスポート)」に一定した呼び名はなく、印章、印鑑、旅切手、免状などの名称が使用されていました。「旅券」という正式な名称が決まったのは、1878年(明治11年)のことです。
 実際の旅券(印章)第1号は、1866年11月23日付で江戸幕府の日本外国事務(外国奉行)が隅田川浪五郎(すみだがわ・なみごろう)という人物に発給したものです。浪五郎は「日本帝国一座」という曲芸団を率いて、パリ万博を目指してまずは米国へと渡りました。外務省が編纂した幕末期の外交史料集『続通信全覧』には、浪五郎に発給された「印章写」が所収されています。そこには、年齢、身長(身丈)とともに「鼻高キ方」「面細長方」などの人相書が記載されているほか、「日本政府許航佗邦記」の角印が押されているのが見られます。
現在とは違い、写真が一般的には普及されていない時代でしたので、自身の身体的特徴が詳細に記載されているのは大変興味深く感じますね。ちなみに、隅田川浪五郎という人物は総勢18名の曲芸団を率いて、船旅でアメリカを経由しパリに向かったとの記録があります。パリ万博は1867年4月1日から11月3日までフランスのパリで開催されたため、パスポートが作られてから、半年程度の長旅を経てパリに赴いたのかもしれません。

パスポートの形状について

 現在のパスポートは手帳型ですが、実はこの手帳型パスポートになったのは1926年(大正15年)1月1日からなのです。それ以前は、一枚の紙からなる「賞状型」という形態でしたが、1920年(大正9年)にパリで開催されたパスポートに関する国際会議においてパスポートの形態を国際的に「手帳型」に統一する決議が採択されたことを受け、日本政府もこれに倣い現在の形となりました。
 また、パスポートが発行されだした当初は写真が貼られていなく、身体的特徴が記載されていました。写真が貼られるようになったのは1917年です。第一次世界大戦が契機となり、旅行者や滞在者の身分証明の必要が生じたため、世界各国でパスポートに写真が貼られるようになりました。1914年にイギリスが採用したのが最初です。同年12月にはアメリカもヨーロッパに渡航する自国民に発給するパスポートには写真を貼り付ける措置をとるようになりました。わが国でも1917年(大正6年)1月20日、旅券規則を改正し、パスポートに写真を貼付することを定めました。

さいごに

 日本初のパスポート発券から今年で157年が経ちます。外交史料館には上記で紹介した賞状型のパスポートや、日本以外の外国のパスポート見本が収録されていますので気になった方は見ていただくのもおもしろいかもしれません。

参考:外務省https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/qa/sonota_01.html

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj