これまでのBBQ体験を覆す、新しいBBQの創造。BBQを通じて、日本のレジャーコンテンツの質を上げるREALBBQ(株)【起業インタビュー第67回】|起業サプリジャーナル

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これまでのBBQ体験を覆す、新しいBBQの創造。BBQを通じて、日本のレジャーコンテンツの質を上げるREALBBQ(株)【起業インタビュー第67回】

公開日:2018.04.04

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冒頭 / 導入文

バーベキュー(以下、BBQ)というお馴染みのコンテンツに更なる付加価値を提供している会社がある。それが貸切型BBQ場の企画・運営をするREALBBQだ。「事業を通じ、日本のレジャーコンテンツの質をあげたい」と語気を強めて話す福山氏。アメリカ発祥・野外レジャーコンテンツの代名詞に日本のベンチャー企業が新しい風を起こします。

 

プロフィール(福山俊大氏)

慶應義塾大学在学中に、起業家育成インターンプログラム「ドリームゲート」にて某IT企業社長のかばん持ちを経験。主体的に仕掛けることの楽しさを知る。この他、在学中に新潟中越地震で被災した子供たちにクリスマスプレゼントを渡すプロジェクトを企画。バンダイ、マテル社などから協賛を得る。卒業後は、通信系ベンチャーへ入社。営業、人事などを経験した後、福山建設へ入社。主に経営企画・人事・財務などを中心に組織改革を推進。2014年、REALBBQの立ち上げから参画し、営業及び間接部門全般を統括。
社外活動にも熱心で、2013年には、大前研一創設の政策学校「一新塾」にて社会課題解決などについて学ぶ。在塾中に立ち上げた防災プロジェクトが最優秀理事賞を受賞。2017年、シェアリングエコノミーの発信基地NagatachoGRIDのコミュニティマネジャーに就任。イベント誘致・企画などを行っている。

 

REALBBQ 株式会社について

>REALBBQの事業についてお教えください。

 

主力事業は、貸切型の屋上BBQ場の企画・運営「REALBBQ PARK」になります。

山手線圏内にある中小ビルの屋上を利用した貸切型BBQ場を1組限定のプライベートBBQとして提供しています。都心部にあるので、平日でも気軽に利用をしやすいという点だけでなく、BBQ機材はもちろん、食材からテーブル資材までをこちらで用意しますので、手ぶらで、かつ簡単・気軽にBBQを楽しめる点がユーザーに好評です。

 

 

>BBQ場運営というと郊外にあるイメージを持ちますが、なぜ都心にフォーカスしたのでしょうか?

 

元々、起業当初のサービスは出張型のBBQシェフ派遣の事業からスタートしました。

店舗等は持たずに、呼ばれた先で料理を含めた準備・片付けまでのサービスをこちらで提供するスタイルです。それをやっていく中で顧客からのニーズとして得たのは「BBQをもっとやりたいんだけど、やれる場所がない」といったニーズでした。

事実、都心から近い多摩川の河川敷に関しても東京側に関しては全面BBQ禁止となっており、川を渡った川崎側では、エリア限定・かつ有料といった形で解禁になっている現状です。今の流れ的には、近隣住民とのトラブルを避ける為、公園や河原でのBBQは禁止になってきています。やりたいというニーズと、やれる場所がないという課題が顕在化してきたタイミングでした。更に話を聞いてみると、BBQは郊外に行かないと出来ないといった事実に対して、ユーザーとしては郊外に行きたいワケではなく、そこにしか無いからそこに行っているといった立地の問題や、足元が悪い場所でやるBBQにはヒールを履いていけない、(BBQ場は)トイレが汚いといった、女性からの声も貰いました。

そこで目を付けたのが都心、かつ、現時点では1円の利益も生んでいないオフィスビルの屋上でした。

 

>なるほど!都心に場所を沢山持つということは固定費が発生しているのでしょうか?

 

いえ。各ビルとは稼働に応じて発生した売上から、手数料をお支払いするというレベニューシェア形式を取っているので固定費は発生していないです。使用させていただくビルも比較的面積の小さいビルですので、その狭さを逆手に取って「1組限定」というプレミアム感を打ち出した場所の付加価値を付けています。

 

>2015年のサービスローンチから、ここまで認知が高まった背景にはどんな理由があるのでしょうか?

 

時流にうまくマッチしたのは非常に大きいと思います。

丁度Instagramが流行ってきて、去年は”インスタ映え”なんて言葉も流行語を受賞する中で、「銀座で屋上を貸し切ってBBQする」という字面だけでも、いいねが取れそうなハコをつくれた事。かつ、提供する食材も普通のBBQで使用する様な肉ではなく、写真映えのする塊り肉やスーパーでは手に入らない様な食材で調理を提供することによってビジュアル面を含めて訴求出来たという意味で、非日常体験の1つのパッケージとして支持されたと感じています。「グランピング」という言葉が出てきたのもその時期ですよね?非日常的な体験にお金を払うユーザーの敷居も同時に下がってきたと感じています。そんな時流もあってか、一番人気スポットである銀座の話をすれば、シーズン中の回転率90%を超える場所にまで成長しました。

 

>銀座の屋上でBBQが出来たら絶対SNSにあげちゃいそうですね(笑)その他、競合他社にはないREALBBQ独自の強みはありますか?

 

会場で提供する食材・メニューに関しても、自信があります。

多くのBBQビジネスは、場所貸し・機材貸しのビジネスモデルなんです。BBQのソフト面でもある”メニュー”に対して差別化出来る会社がいないという現状に対して、弊社では代表の井川が食品専門商社でメニュー開発の経験を持っていたり、井川個人としても大のBBQ好きとしてサラリーマン時代から、雑誌に取り上げられるくらい質の高いBBQをやり続けていたという実績もあり、その点においては他社にはない強みを持っています。

食材開発を自社で行い、千葉に持っている倉庫で一括管理、予約システムと連携して前日には必ず食材が届くという自動化を含めて、ここまでやり切っている会社は、ほぼ無いと思います。だからこそ、正社員数3名で年間4万人の来場者を回せる規模まで成長出来ました。

 

 

週末起業が年収を超える!?REALBBQの創業秘話とアンチBBQだった福山氏を虜にしたREALBBQの魅力とは。

 

>そもそもの話になりますが、なぜビジネスとしてBBQに目をつけたのでしょうか?

 

起業のネタは、多くの人が持つBBQの不満を代表の井川が見つけたところから始まります。

井川自身は、オーストラリアで幼少期を過ごしていた時期もあり、その頃から海外のBBQには親しみがありました。加えて、料理が好き・アウトドアが好きといったこともあり、社会人になってからは週末は車に荷物を積んではキャンプやフェスに出かける、屋外でBBQをする、というライフスタイルを過ごします。そんな暮らしの中で多くの人が持つ、BBQに対する不満を2つ見つけます。

まず1つは「味」。どんな肉を買ってこようが結局は焼き肉のタレで食べる、といった味のバリュエーションが少ないこと。そして2つ目が「準備・片付けの手前」。慣れた人であれば、お手の物な作業も慣れない人からすれば、BBQをやる上での1つの障壁になっているということ。

そこから週末起業として始めたのが、そういった面倒な調理・片付けを井川自身が一貫して請け負う出張BBQスタイルのビジネスです。

 

>なるほど!共同創業と伺いましたが、お2人はどこで繋がるのでしょうか?

 

元々の出会いは大学時代、共通の友人を介して何度か遊んだ程度でしたが、社会人になってから井川のBBQに友人から誘われたのをきっかけに蜜に繋がりはじめます。

 

>では、福山さん自身もBBQは好きだったんですね!

 

いえ、当時僕はBBQに対して良いイメージは持っていなくて。

 

>ええ?

 

それまで、BBQって肉を焼く行為そのものだったり、味より雰囲気が重視されている印象を持っていました。もっと言うと、夏に「ウェーイ!」ってやる為の口実みたいなイメージしかなくて。その時のBBQも参加費1人5,000円と言われた時は、(それならもっと美味しい焼肉屋いった方が良いんじゃねえの?)って期待値ゼロの状態で参加していました。

 

>全く良いイメージを持ってなかったんですね(笑)

 

そうですね。ただ、行ってみたら自分の知っているBBQじゃ無かったんです。アウトドアの環境の中で、お店で食べる様なクオリティーの高い料理が振る舞われて「外でこんなに美味いもの食べれるんだ!」って素直に感動しました。それをきっかけに友人を招いて、井川が作るBBQ料理を振る舞ったことがあるのですが、やっぱりウケが良かったんですね。そこから僕自身も色んな人に井川を紹介したりしていきました。共同創業というカタチではあるものの、どちらかと言うとファン第一号みたいな感じですね。

その夏、井川の週末起業は土日だけの活動でサラリーマン年収より稼ぎます。評判も良く、東京ウォーカーにも取り上げられるくらい注目もされる様になりました。

 

>すごいですね!

 

ただ、東京ウォーカーに載った時点で会社に副業がバレてしまい、会社を辞めるか・副業を辞めるかの2択を迫られてしまいます。その時に、彼から相談を貰いました。

私自身は当時は父の会社の役員をやっていたのですが、すごく井川のやっている事に可能性を感じていたんですね。(こういうものが拡がっていくと、日本の休日の過ごし方やレジャーの楽しみ方が変わるんじゃないか?一段上のレジャーコンテンツがつくれるのではないか?)と思ったんです。その時に「一緒にお金も出すからやってみないか?」と話をしてREALBBQの創業に至りました。なので最初の自分の立ち位置は、資金面での援助をおこなう株主や顧問に近い様な立場でした。

 

創業2期目。ビジネスモデルの転換によって、離れていく顧客と社員

 

>時代の後押しもあったりと、立ち上がりから順調に来ている様に思えますが、何か大変な事はありましたでしょうか?

 

事業モデルを変えたタイミングで苦労をしました。

会社を設立して2期目にREALBBQ PARK(貸切型の屋上BBQ場)の事業モデルに変えるのですが、当初構想を描いていた出張BBQシェフの派遣モデルは、こちらでノウハウを提供し、育成をして、シェフに稼いで来てもらうといったラーメン屋の暖簾分けに近いモデルを考えていました。

ところが、やっていく中で2つの課題が見えてきます。1つ目は、シーズンものである郊外型のBBQでは開催頻度が限られてくる為、育成期間にも限りが出てきてしまい、思った以上に人が育たない点。2つ目は、出張型は人にお客さんが付いてしまう傾向が強く、個人事業主であれば良いものの株式会社のビジネスとしてはスケールするイメージが湧きにくかった点。それに合わせて、場所自体のニーズを掴んでいたので、思い切って事業モデルの転換を決断します。ただ、そのタイミングでこれまで応援してくれていたお客さんも社員も全員離れていったという・・

 

>え、全員ですか?

 

はい。まず、お客様の話をすると、これまでは場所代を取らずに1人5,000円という予算の中で提供していたメニューに、今度は場所代がかかってくるので、必然的にメニューに割ける原価は当初に比べれば下がります。後は、屋上利用の場合では飲食店許可が取れないので調理提供が出来なくなります。これまでは派遣シェフが料理をして提供していたメニューを、今度はお客様自身で調理しなければいけなくなりました。元々のサービスを知っている方からすれば、どうしてもサービスの品質が下がったと思われてしまったのです。

一方、代表井川の様なカリスマ性を持ったBBQシェフに憧れて参画してくれた社員たちは、「え、僕ら(お客さんの前で)もう焼けないんですか?」となるわけです。

 

>・・なるほど。

 

REALBBQ PARKの事業自体は、1店鋪目の立ち上がりから、2店舗3店舗と立ち上がる予定は決まっており、それと同時に新しいお客さんからの予約も入っていくという非常に良いすべり出しでしたが、中では人材が圧倒的に足りていないという状況に陥っていました。そこからですね、私自身も採用を担当し、現場に出ていたりと、気がついたらフルコミットで携わっていました(笑)

 

>もはや出ざるを得ない、状況だったって事ですね(笑)

※同社の本棚には、BBQ映えしそうな料理のレシピ本が沢山並ぶ。

 

BBQを日常に・・これからのREALBBQについて

これからのBBQのあり方を変えるREALBBQ。最後にこれからの事業展望を伺いました。

>REALBBQのこれからの展開を教えてください。

 

今年、新たにスタートさせる事業としてビアガーデン事業があります。たまたま声がかかった地方百貨店の屋上を使って、これまで手を出してこなかった大きい場所の運営にもチャレンジをしていこうと考えています。後は、九州のとある地域から、市営ビーチのリブランディング依頼を頂戴していたり、と。有休エリアをBBQというコンテンツを使って再構築してきたこれまでの実績を買って頂いた地方案件に幾つかチャレンジをしていきます。

 

>BBQと地方にある観光資源との相性は良さそうですね!長期的には、どんな事をお考えでしょうか?

 

BBQを日常体験に近づけていけるか?は事業を通じて挑戦していきたいです。

会社のミッションでも謳っている「日本にホンモノのBBQ文化を!」という”文化”とは何だろう?と考えた時に、やはりインフラになる必要性を感じています。それは、場所の選択肢を提供することもそうですし、食材の選択肢を提供してあげることもインフラの機能として重要になってくると思います。そうした事業展開の中で、会社として3つの「わ」を提供していきます。1つ目は、BBQを通じた一体感を提供する「輪」。2つ目は、日本独自のBBQ文化をつくるといった意味での和式の「和」。そして最後は、私たちのサービスに触れて頂いた方から出る感動や驚きを表す「WOW」。これには、どこかでお客さんの想定している期待値を絶えず超えていきたいという想いが込められています。

 

編集後記

今回、取材でお邪魔した同社のオフィスはなんと一軒家。2階のテラスにあるBBQコンロや部屋に吊るされているハンモックなど、随所に遊び心が垣間見えるおしゃれなオフィスでした。天気の良い日は外で仕事をしながら、ここでBBQをして・・と妄想が止まらない編集部でした。

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